「聖地」の秘密を巡る——Preciousに届いた特別な招待状を手に、パリへ。エルメスの物語はこの最初のお店から始まりました
夢に溢れ、共に時を過ごすほどに輝きを増す「エルメス」のオブジェ。すべての創造の源泉であるパリ、フォーブル・サントノーレ24番地は、メゾンの洗練とエスプリが息づく特別な場所です。
今回は、「エルメス」ファッションアクセサリー部門クリエイティブ・ディレクター、クレモンド・ブルジュヴァン=ブラックマンさんへの特別インタビューをお届けします。
【Special Interview】ファッションアクセサリー部門 クリエイティブ・ディレクター クレモンド・ブルジュヴァン=ブラックマンさんに「エルメス」フォーブル店の魅力を特別インタビュー!
「幼い頃に見た、フォーブル店のウインドウ・ディスプレイの感動が今も鮮明に心に残っています」クレモンドさん
フォーブル・サントノーレ24番地の店に程近いオフィスで迎えてくれたクレモンドさん。ファッションアクセサリー部門のデザインを担当し、グローブやベルト、ファッションアクセサリー、ハットという4部門に新しい感性を反映。幼少期にフォーブル・サントノーレの近隣で育ったというクレモンドさんに、フォーブル店の魅力をうかがいました。
「フォーブル店の魅力は、螺旋階段でフロアが繋がり、冒険するような感覚で楽しめることです。初めて訪れたときは、心の平穏 “セレニティ” を感じました。それと同時にブティックからのエネルギーが高く、ポジティブな気持ちに。土曜日にお店を訪れるのが好きなのですが、スタジオで妥協せずにつくり上げたオブジェが、さまざまな人と出合う瞬間を見るのは、次の制作のモチベーションにもなります。幼少期に見た、ウインドウディスプレイの感動も鮮明に覚えています。美しい人魚が泳ぐ『エルメス劇場』に目を奪われました。また、緑の小宇宙が広がる『屋上の庭』もお気に入りの場所。『ミュゼ』では、遊び心のあるユニークなものに感性が刺激されます」
美しさとつけ心地のよさを叶えたデザインを目指して
デザインを手掛ける際には、伝統の継承と、自分らしさの融合とを心掛けていると語るクレモンドさん。
「アートや文学に魅了され続けていることもあり、『エルメス』の世界観にシンパシーを感じます。新しくデザインされた『コル』は、『ミュゼ』にも保管されているメッセンジャーの角笛を花に見立てたもの。モダンな造形の『オランプ』のイヤーカフやリングは、流れるような形状でさりげなく「H」のロゴを表現しています。オブジェは第2の肌と感じられるような、つけ心地のよさを目指し、金具を開閉する音や素材にもこだわりが。スタジオで一丸となり、あらゆる角度から機能美を検証し、人間工学に基づき、日常を豊かに彩る製品作りを心がけています。ファッションアクセサリーは自己表現を叶え、女性のコーディネートを仕上げる重要な役割を果たすもの。全ての女性の日常に溶け込み、使い心地のよい製品のデザインを日々考えています」
クレモンドさんの美意識が凝縮
クレモンドさんが手掛けたファッションアクセサリーは、モダンなエスプリが光る。新作の『エピュール・エケストル』は遊び心と革新性が融合。
「『エルメス』の伝統と革新的なスピリットは常に私のデザインフィロソフィによい刺激を与えてくれます。私自身は、ヴィンテージのワードローブと『エルメス』のファッションアクセサリーをミックスさせるコーディネートが定番に。母から譲り受けたポロニットや『エルメス』のベルト『エトリヴィエール』と、手元にはエナメルのバングル『クリックH』を重ねて、自由なアレンジを。ファッションアクセサリーは付属品ではなく、スタイルを一新させるパワーを秘めたもの。冒険心をもってフォーブル店を訪れたなら、新しい出合いが待っているはずです」
※この記事に掲載のアイテムは展示品のため、店舗へのお問い合わせはご遠慮ください
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- PHOTO :
- 生田昌士(hannah)
- EDIT&WRITING :
- 川口夏希、安村 徹(Precious)
- コーディネーター :
- MASAÉ TAKANAKA