スタイリスト・大西真理子さんPresents【もっと自由に、軽やかに!2024年春「仕事服」の結論】

2004年4月号の創刊以来、『Precious』が追求するのは、日常のなかで大人が大人として自信をもってふるまえるリアル・ラグジュアリーな着こなしです。読者の多くが関心を寄せる「仕事服」は、その代表格。20年史を知るスタイリスト・大西真理子さんが、『Precious』的真髄に基づいた「仕事服」の最新を提案します。

 
大西真理子さん
スタイリスト
(おおにし・まりこ)創刊以来、「仕事服」をはじめ、さまざまな企画でスタイリングを手掛ける。洗練された配色センスやバランス感覚に裏打ちされた、着る人をきれいに見せるシンプル・ラグジュアリーなコーディネートが読者の支持を集める。

「エアリーな空気感が、この春の気分。上質素材と軽やかなシルエットの調和を、仕事スタイルでも意識して」大西真理子さん

コート_1,Tシャツ_1,パンツ_1,バッグ_1,靴_1,時計_1,ピアス_1,ネックレス_1,ブレスレット_1,指輪_1
コート¥713,900・Tシャツ¥71,500・パンツ¥364,100・バッグ¥396,000・靴/参考商品(ブルネロ クチネリ ジャパン)、時計¥1,848,000(ソーウインド ジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)、ピアス¥319,000・ネックレス¥3,025,000・ブレスレット¥854,700・リング¥354,200(スイスプライムブランズ〈フォッペ〉)

リネン一枚仕立てのコート、Tシャツ、ハイウエストパンツ…ひとつひとつはシンプルでも、組み合わせやバランスで上質なリラックス感と軽快な躍動感を表現。

「大人の仕事服は、シンプルなアイテムをどう合わせ、どう着こなすか、が大切。それが、ぶれない軸と進化を両立させるポイントです」(大西さん)


【祝・創刊20周年!】数々のスタイリングを手掛けた大西真理子さんがプレシャスキャリアの「仕事服」をレビュー!

スタイリングを手掛けた大西真理子さん
スタイリングを手掛ける大西真理子さん

責任ある立場で仕事に就く人が多い『Precious』誌の「仕事服」を語るうえで外せないキーワードは、品格・エレガンス・ラグジュアリー。それらを念頭におきながら新しい解釈で提示してきた「仕事服」の変遷を、大西真理子さんと共に振り返ります。

◇品格と知性とエレガンスが漂う端正な着こなしで『Precious』の女性像を表現

大西さんのスタイリングに時代の気分が表れて。2005年3月号「この春!老けない配色“白”を極める」繊細なグラデーションが読者に大好評。撮影/熊澤 透
2005年3月号「この春!老けない配色 “白” を極める」撮影/熊澤 透

大西さんのスタイリングに時代の気分が表れて。繊細なグラデーションが読者に大好評。

2012年4月号「毎日『素敵!』とほめられるコーディネート55」リアルクローズの奥深さを55のコーディネートで体現。撮影/浅井佳代子
2012年4月号「毎日『素敵!』とほめられるコーディネート55」撮影/浅井佳代子

リアルクローズの奥深さを55のコーディネートで体現。

2012年5月号「“いきいき働く”大人の女のための服、考えました!」職業別という斬新な設定が話題に。撮影/熊澤 透
2012年5月号「“いきいき働く” 大人の女のための服、考えました!」撮影/熊澤 透

職業別という斬新な設定が話題に。

「Preciousの名にふさわしく、仕事服がテーマでもオフィスでは撮影しない(笑)。ロケ場所の特別感にもこだわり抜いていましたね」(大西さん)

◇きちんと感はあるけれど軽やかでかっこいい!こなれ感がキーワードに

2015年3月号「この春こそマスターしませんか?今日も素敵!を確約する『美人グラデーション』」 繊細な配色コーディネートは、人気企画のひとつ。撮影/水田 学
2015年3月号「この春こそマスターしませんか?今日も素敵!を確約する『美人グラデーション』」 撮影/水田 学

繊細な配色コーディネートは、人気企画のひとつ。

2015年5月号「『春色ライトレザー』でラグジュアリーを軽やかに楽しむ」上質レザーでまとうきれい色が大人の美意識にマッチ。撮影/浅井佳代子
2015年5月号「『春色ライトレザー』でラグジュアリーを軽やかに楽しむ」撮影/浅井佳代子

上質レザーでまとうきれい色が大人の美意識にマッチ。「動画を撮るような感覚で、動いたときにきれいに見えるスタイリングを意識。所作やバッグの持ち方も日常シーンを切り取ったように」(大西さん)

◇空前のエフォートレスブーム!仕事服ワードローブの新解釈が、読者に支持された

2016年5月号「“エフォートレス・シック”VS.〝辛口エレガンス〟発見!『春モノトーン』、大人の正解例」エフォートレスが旬のキーワード。撮影/水田 学
2016年5月号「“エフォートレス・シック”VS.“辛口エレガンス”発見!『春モノトーン』、大人の正解例」撮影/水田 学

エフォートレスが旬のキーワード。

2017年5月号「キレ味のいい、女らしさは『黒×白×キャメル』で完成!」配色バランスでベーシックを更新。撮影/浅井佳代子
2017年5月号「キレ味のいい、女らしさは『黒×白×キャメル』で完成!」撮影/浅井佳代子

配色バランスでベーシックを更新。「カジュアルやスポーティが仕事服のニューウエーブ。真摯に仕事に臨む大人だからこそ着こなしで遊んでも素敵― 私は、そう思っています」(大西さん)

◇働き方が大きく変化して自由なテイストミックスで個性を表現する時代に

2021年3月号「おしゃれを一歩進める、美しき『掟破り』」自由なミックステイストを楽しむ時代に。撮影/浅井佳代子
2021年3月号「おしゃれを一歩進める、美しき『掟破り』」撮影/浅井佳代子

自由なミックステイストを楽しむ時代に。

2021年5月号「新しい日常もいつも美しくありたいから『決め打ちコーディネート』主義でいく!」在宅ワークが増えて仕事服がシーンレスに。撮影/熊澤 透
2021年5月号「新しい日常もいつも美しくありたいから『決め打ちコーディネート』主義でいく!」撮影/熊澤 透

在宅ワークが増えて仕事服がシーンレスに。「20年の間にいちばん変化したのは足元。スニーカーやペタンコシューズ、創刊当時は、思いもよりませんでした(笑)」(大西さん)


「ラグジュアリーは不変だけれど解釈は、時代と共に進化する…それを楽しんでほしいのです」(大西さん)

自立した大人の女性としての生き方に通じる着こなし。それが、Preciousが創刊以来追求するスタイルです。20年にわたってさまざまなテーマでスタイリングを手掛けてきた大西さんは創刊当時を振り返って、「既存の概念にとらわれないラグジュアリーの解釈をつねに考えていましたね」と語ります。

「単に贅沢三昧するのではなく、上質を楽しむ精神的な余裕がある女性像が大前提。素材や仕立ての上質さにこだわることはもちろん、Preciousだけの着こなしを表現したかったのです」。そうした背景から、創刊当時は起業家を想定したロケ撮影が多かったそう。

「人間的な幅や奥行き、意外な一面がかいま見えることを目指して何時間も打ち合わせしましたね。ホテルで会食していたかと思えば、ヘリポートにいたり、リムジンが迎えに来たり、スタンドバーでお酒をたしなんでいたり。忙しそうだけど楽しそうでかっこいい!みたいな(笑)」

一方で、最も大切なリアル感を出すために大西さんが心掛けていることは、「借りてきた服」に見えないこと。「配色やジュエリー使い、小物の合わせ方でプレシャスキャリアらしい“人柄”を表現しています。誌面を見て新しいアイテムを買った読者がすぐにマイ・スタイルにできるように」。その思いが伝わって、繊細なグラデーション配色やジュエリーの重ねづけ、プレシャスレザーのバッグでシンプルな装いを格上げするコーディネートは読者に大人気!

さらに、カジュアルやエフォートレスの流行も仕事服に影響を与えたトピックス。「風を送って髪やストールをなびかせたり、小走りだったり、自分で車を運転するようになったり、ポージングもますますアクティブに。さらに最近は、働き方の変化と共に着こなしの幅が広がりました。そのなかで、Preciousらしいラグジュアリーとどう結びつけるか…。私自身もアップデートしながら提案していきたいですね」(大西さん)

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PHOTO :
曽根将樹(PEACE MONKEY)
STYLIST :
大西真理子
HAIR MAKE :
川原文洋(UM)
MODEL :
立野リカ(Precious専属)
COOPERATION :
ウェスティンホテル横浜
EDIT&WRITING :
岡本治子、佐藤友貴絵(Precious)