L’art de vivre de Junko Shimada ── 仲間と共にある暮らしの美学【島田順子さんの「美しい暮らし」】
パリをベースに活躍するファッションデザイナー、島田順子さんの家には来客が絶えることがありません。16世紀にフランス王・フランソワ1世が建立したフォンテーヌブロー宮殿の近くにあるブーロンマーロット村の別宅が、最近島田さんが多くの時間を過ごす場所になっています。
その家に集まる愉快な仲間たちとの過ごし方を通して見えてくる、島田さん流の「アールドヴィーヴル」をご紹介します。
L’art de vivre de Junko Shimada ── 島田順子さん流 スタイル哲学
“JUNKO SHIMADA” 24年春夏コレクションを着るゲストたち。写真左から/“JUNKO SHIMADA” のCCOで娘さんの島田今日子さん、マリー=アニエスさんの家族で犬のナナ、島田順子さん、ジュエリーデザイナーのジェーン・シュミットさん、パリ・オペラ座の元エトワールでバレエダンサーのマリー=アニエス・ジロさん、その息子さんのポール君、島田さんの隣人でクリエイティブ・エージェンシーに勤務するイリアス・ナセールさん、アートディーラーのデヴィッド・ジロワーさん。
個性が際立つ抜け感のある服
「私はやっぱり崩して着る人なの。例えば、このコートの中にはTシャツでいいんじゃない? とか」。トータルルックはきまりすぎていてつまらないと島田さんは言い、どこか着崩すことで自分らしさが出るのだと付け加えます。
「私は、着る人にその人のための “場所(スペース)” をあげたいの。着る人が、どこかを崩すと、自分らしくなりそうな気がする。私がどこかが抜けてたほうがいいよって言うのは、その抜け感はあなたのためという感じなの。それがあなたの個性になるんじゃない?」
着る人のために残しておく “スペース” には、島田さんのスタイル哲学が隠れています。
「昔、ある人が言っていたの。日本画っていいよねって。絵の背景の空いた余白が。そこはあなたが何かを見出したり考えたりするための場所だよねって」。
島田さんの服づくりにおける “スペース” は、着る人にとって個性を発揮するためのデザインなのです。
書斎のライブラリーの前にさりげなく置かれたル・コルビュジェのロングチェア。
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- Alexandre Tabaste
- NAIL :
- ヘア/Tié TOYAMA、メイク/YUMI ENDO
- EDIT&WRITING :
- 増田さをり