「好き、嫌い、好き、嫌い、好き…」花びらを一枚ずつちぎって占う「恋占い」に古くから使われた花、それが「マーガレット」です。「ちぎりやすい形状の花びらなら、なんの花でもいいのでは?」と思ったあなた、「恋占い」には「マーガレット」でなくてはいけない理由があるのです! 今回のテーマは「マーガレット」。基本的な知識や花言葉、雑談にも役立つ豆知識をご紹介します。
【目次】
【「マーガレット」ってどんな花?「基礎知識」】
■1年草?多年草?
マーガレットは春から夏にかけて咲くキク科の「多年草」です。一重咲きの白い花が一般的ですが、品種改良も盛んに行われ、八重咲きやピンク色、オレンジ色、黄色なども登場しています。
■いつ咲く?
基本的な開花時期は3月〜4月ですが、早咲きの品種は12月ごろから園芸店に並び始めます。
■「マーガレット」という花名の由来は?
[marguerite]はギリシア語[margaritēs(真珠)]に由来します。清純な白い花を真珠に例えたものであるといわれています。ただし、英語・フランス語の[marguerite]はデージー(ヒナギク)を指すことが多いので注意してくださいね。
【マーガレットの「花言葉」は?】
マーガレットは、ギリシャ神話で誕生・多産の守護神とされる、月の女神アルテミスに捧げられた花といわれています。
■「基本」の花言葉は?
女神アルテミスはギリシャ神話の最高神ゼウスと女神レトの子で、太陽神アポロンの双子の妹です。森や丘、野生の動物を守り、狩猟をつかさどる処女神で、マーガレットは彼女にちなみ、「誠実」「貞節」「慈悲」「安らぎ」のシンボルとされています。花言葉は「恋占い」「心に秘めた愛」あるいは「誠実」や「信頼」。恋をしたオリオンを失い「生涯夫をもたない」と誓ったアルテミスの悲恋が「心に秘めた愛」の由来であり、仲間への祝福を欠かさなかったことが「誠実」や「慈悲」の由来のようです。
■「色」によって違う花言葉は?
マーガレットの基本は白ですが、ピンク色のマーガレットには「真実の愛」、黄色やオレンジ色のマーガレットには「美しい容姿」という花言葉があります。黄色やオレンジのマーガレットは、スタイリッシュな友人へのプレゼントに最適ですね!
■「本数」によって違う花言葉は?
マーガレットは、贈る本数によって意味は変わりません。ここでは一般的に贈る花の本数により異なるといわれている意味を紹介しますので、参考になさってください。
・1本:あなたが運命の人
・3本:愛しています
・4本:一生、愛し続けます
・5本:あなたに出会えたことが心からの喜びです
・6本:あなたに夢中です
・8本:思いやりに感謝しています
・10本:あなたは完璧です
・11本:最愛
・12本:恋人(妻)になってください
ネガティブな意味としては、16本は「不安な愛」、17本には「絶望の愛」といった花言葉が。また、15本は「ごめんなさい」、つまり謝罪の意味があるといわれています。マーガレットだけの花束にする際には、心に留めておくといいかもしれません。
【「マーガレット」にまつわる「雑学」】
■「花占い」の花として知られているのはなぜ?
実はマーガレットは花びらの枚数が一定ではなく個体によって異なるため、ヨーロッパでは古くから「花占い」の花として親しまれてきました。
■原産地は?日本に伝わったのはいつ?
マーガレットの原産地はカナリア諸島。カナリア諸島はスペインの自治州ですが、位置的には大西洋の北西アフリカ沖、欧州よりもアフリカに近い地域です。日本に伝わったのは明治時代といわれ、和名は木春菊(モクシュンギク)。清楚な雰囲気が、庭の花や鉢植えの花として、多くの人に好まれました。
■切り花をきれいに咲かせるコツは?
マーガレットの切り花の日持ちは1週間から10日ほど。余分な葉を間引いて、水揚げをしっかりしておけば、小さな蕾(つぼみ)も開かせることができますよ。深い切れ込みの入った葉も、マーガレットの魅力。シンプルなガラスの花器が似合います。
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マーガレットは花びらの枚数が個体によって異なるため、古くから「花占い」の花として親しまれてきました。ただし、花びらは奇数が多いので、占うときは「好き」から始めると「好き」で終われる確立が高いんですよ! 可憐なマーガレットを部屋に飾って、少女時代の恋を思い出してみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /『花屋さんで人気の469種 決定版花図鑑』(西東社) /『ちいさな花言葉・花図鑑』(ユーキャン自由国民社) :