大地から湧く名湯で疲労を回復し、心尽くしの料理に舌鼓を打つ…。温泉旅行といえば、その時期にしか味わえない季節ならではごちそうもお楽しみです。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、春の味覚を満喫できる温泉宿をピックアップしてもらいました。
今回ご紹介するのは、岐阜県関市にある「神明温泉 湯元すぎ嶋」です。
公式サイト
旬の味覚を少量ずつ…いろりで味わう会席コースに舌鼓
奥美濃・岐阜県関市板取にある秘湯の温泉旅館「神明温泉 湯元すぎ嶋」。建物は築150年の古民家を現代風にリノベーションしたもので、歴史の重みと共にどこか懐かしい趣を感じさせる一軒宿です。
「こちらの宿は、『日本秘湯を守る会』の会員宿で、湯のよさは折り紙付き。そのうえ、個室のお食事処でいろりを囲みながら食す『いろり会席』がハイレベルで、食事のためだけでもわざわざ訪れる価値があると評判です」(植竹さん)
「コース料理に旬の味覚が巧みに取り入れられており、春は自然の息吹が感じられる山菜が目白押し。前菜からものすごく手が込んでいて、クレソンやうるい、花山葵などを小鉢で少量ずついただきます。山の幸を視覚と味覚でじっくり堪能できるのはこの時期ならではの醍醐味。椀物はたけのこや木の芽を添えたよもぎ豆腐で、もちもちの食感と染みわたるような出汁の深さにほっこりさせられました」(植竹さん)
「その他、地鶏鍋や飛騨牛、川魚といった地物食材もおいしくいただくことができましたし、おしのぎの蕎麦は手打ちというこだわりよう。川魚は定番の塩焼きで提供されるだけでなく、上品な押し寿司や香ばしいごま揚げのアレンジで素材のよさが引き出されていて、随所に宿のおもてなし精神がひしひしと感じられました」(植竹さん)
竹林を抜けて貸切風呂へ…湯巡り気分で心身をリフレッシュ
「温泉は、男女別の大浴場に貸切露天風呂が2か所。大浴場の内湯には、ぬる湯とあつ湯の浴槽があり、交互浴を楽しむことができます。泉質はアルカリ性単純温泉。とろとろした柔らかい浴感の湯が実に心地よく、いつまでも入っていたくなるほどです。山々の連なりが遠望できる露天風呂も風情満点で、鮮やかな新録に囲まれながらの湯浴みで身も心もリフレッシュ。もちろん湯上りには肌もツルツルとご機嫌になりました」(植竹さん)
「竹林を抜けた高台にある2か所の貸切風呂も素敵です。そよ風に吹かれながら竹林の小径を通って温泉に向かうという非日常体験にときめきますし、山間の静寂な空間で誰にも気兼ねせずに独泉できるのはまさしく贅沢の極み。美食も湯巡り気分も堪能する欲張りな旅時間を過ごしたい人にぴったりな宿だと思います」(植竹さん)
以上、「神明温泉 湯元すぎ嶋」をご紹介しました。心づくしの郷土料理で山の幸を味わい、山間の秘湯で体の芯から癒されたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 神明温泉 湯元すぎ嶋
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住所/岐阜県関市板取4838
客室数/全12室
料金/2名1室1泊2食付 ¥19,800(税込)~ - TEL:0581-57-2532
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)