日常を離れて向き合う本から、感性と好奇心がフレッシュに刺激される【あの人が「旅に連れていく本」】

自由に過ごせるヴァカンスでは、好きな本を読み耽ることを楽しみにする人も多いもの。次の旅や最近訪れた旅…など、旅先に連れていく相棒本をうかがいました。

服部今日子さん
「ペースギャラリー東京」副社長
(はっとり きょうこ)コンサルティング会社勤務などを経て、2016年、「フィリップス・オークショニアズ」東京オフィスの日本代表に就任。2024年5月より、麻布台ヒルズにオープンする「ペースギャラリー東京」の副社長を務める。

「最近、ショートトリップで訪れたパリ。愛用のKindleとアート関連の本をお供にしました」服部今日子さん(「ペースギャラリー東京」副社長)

展覧会を観るために海外に足を運んだり、オーベルジュでの食事を主目的に遠出をしたり…、私にとって旅は、ゆっくりするためというより、気になるアクティビティを目指して出向くことがほとんど。最近訪れたパリも、『マーク・ロスコ展』を観たくて急きょ計画。友人と2泊4日で行ってきました。

旅先本は改めて用意するのではなく、ふだん読むものをピックアップしていくのが通例です。日頃から時事問題の本を入れているKindleをまずは携帯。好きなアート関係の本も必ず持参します。こちらはKindleで読むのは難しいので、紙の書籍で。現地でアート展へ赴いた場合は、購入した図録も加わることも多くなります。今回訪れたパリでは、ロスコ展の英語版はあいにく完売でしたが、滞在中訪れた『ブランクーシ展』の図録を入手して、ホテルで再発見を楽しみました。

東京でも旅先でも、本はお風呂に入りながら読み、そのままベッドでも読むのが、私のずっと変わらない習慣。旅先本は、ふだんどおりに一日を締めくくり、気持ちよく翌日を迎えるための相棒でもありますね。

「ペースギャラリー東京」副社長の服部今日子さんの相棒本
 

1.『BRANCUSI THE EXHIBITION』Centre Pompidou(洋書)
「『ポンピドゥー・センター』で開催されていたブランクーシの大回顧展がとても素晴らしかったので、英語版図録を購入。ホテルで作品写真を振り返りつつ解説を読むと、新たに発見することも多く、楽しいものです」

2.『サウジアラビア─ 「イスラーム世界の盟主」の正体』著=高尾賢一郎 中公新書  ¥880(Kindle価格は編集部調べ※5月16日現在)
3.『アメリカ・ユダヤ人の政治力』著=佐藤唯行 PHP新書 ¥640(Kindle価格は編集部調べ※5月16日現在)
「ふだん読む本はKindleが中心。そのときどきで気になっている政治や時事に関する本を、新書からよくセレクトしています。2.は出張で訪れたサウジアラビアの勉強に。3.はユダヤ人について理解を深めるために購入」

4.『空間感/杉本博司 スター建築家の採点表』著=杉本博司 マガジンハウス ¥2,724
「作者自身が関わった建築について、洗練された文章で解説しているエッセイ本。写真家であり、建築事務所代表であり、古美術にも精通する杉本さんのマルチタレントぶりが存分に発揮されていて、その博識に感服します」

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
小池紀行(CASK)
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、遠藤智子(Precious)
撮影協力 :
Getty Images
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