連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変える
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介している連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、レストラン「KINKAN」オーナーのナン・イムチャロンさんに注目!
国籍もジャンルも超えて人が集まる、大人気のタイ料理レストランのオーナーとしてのサクセスストーリーについてお話しを伺いました。
【Los Angeles】国籍もジャンルも超えて人が集まる、大人気タイ料理レストランのシェフ
L.A.のダウンタウン北西部にあるシルバーレイク。アートスポットやトレンドのレストランが立ち並ぶ、活気溢れるこの街で、ひときわ人気を集めているのがナンさんの経営する高級タイレストラン「KINKAN」だ。タイ語で「Kin」は「Let's〜」、「Kan」は「Eat」、つまり「食べよう!」という楽しい名前のこの店では、タイ料理と日本食とのフュージョンをコースで提供。タイ人はもちろん、国籍や人種を問わず多くの人が足繁く通っている。
「母方の家業がタイ料理のディナークルーズ業で、祖母はすごく腕のあるシェフだったんです。私も手伝ったりしていたので、料理に目覚めたきっかけはそれが最初ですね。L.A.に来て日本食の魅力に目覚めてからは、何度も日本に行きました。おまかせスタイルのお鮨屋さんや懐石料理にも刺激を受けました」
もともと、飲食業とは無関係の仕事をしていたナンさん。料理好きが高じて自宅に友人を招いては、食事をふるまっていた。そのうち、それが評判となり、話を聞きつけて「お金を払ってでも食べたい」という人まで現れ始め、要望に応える形でイベント的に料理を提供していたところに、コロナ禍となった。
「でも『なんとか食べたい』と。それならとテイクアウトを始めたところ、SNSで拡散され、どんどんオーダーが来て、ひとりでは手に負えなくなりました。お店をやってみようか…と思い始めて、『どう思う?』とSNSに投稿したら、またすぐ、今の大家さんから『うちのスペースでやってみない?』と連絡が来て、見にいったらすごくいい物件で――」
あれよあれよという間に今にいたるという、現代ならではのサクセスストーリーである。
「コンセプトにとらわれることなく、タイ、日本、アジア料理の魅力を多くの人に知ってもらいたい。さまざまな国籍、業界の人が、私の料理を通じてつながり、刺激し合えるコミュニティをつくれたら。これからもっともっとおもしろい料理を提供していきますよ」
◇ナン・イムチャロンさんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
3〜4時頃に一度起きて食材の仕入れを確認し、もう一度寝て、10時頃起床。携帯電話のメッセージのチェックから一日がスタート。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
私の料理を食べたお客さんからの「一日を素晴らしい形で締めくくることができました」という言葉。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
好きな料理をつくって、好きな映画やドラマを観て、ゆっくり過ごす。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
旅行。
Q.10年後の自分は何をやっている?
L.A.以外の場所で同じようなことをやっているかも。いちばん好きな街、京都にも住んでみたい。
Q.自分を動物にたとえると?
いつも忙しく動き回って落ち着きがないのでサル? 見た目ならカピバラ?(笑)。
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- EDIT :
- 喜多容子 ・木村 晶(Precious)
- 撮影・取材 :
- 神田佑成