連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変える

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介している連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、ショップ&カフェ『集雅 GATHERING』プロデューサーのアンジウさんに注目!

「古きを愛し、新しきを応援する中国の本当の文化を伝えたい」と話す、アンジウさんにお話しを伺いました。

アンジウさん
ショップ&カフェ『集雅 GATHERING』プロデューサー
上海市出身。ドイツ留学中にメディア学を学び、帰国後、広告会社にてCMのプロデュース、イベントの企画などを担当。’20年、コロナ禍ですべての仕事がストップした際に、友人と共に文化交流やイベント開催も可能な、ショップ併設カフェ『集雅GATHERING』を立ち上げる。「プラダ」や「ルイ・ヴィトン」が展示イベントを開催したこともある。

【Shanghai】古きを愛し、新しきを応援する中国の本当の文化を伝えたい

ショップ&カフェ「集雅 GATHERING」プロデューサー アンジウさん
ショップ&カフェ「集雅 GATHERING」プロデューサーのアンジウさん

山東省、江蘇省、雲南省などの、築数十年〜100年の農家で使われていた木材や家具をそのまま使った空間。伝統的で、どこかモダンな雰囲気がある。

アンジウさんがパートナーと営む『集雅 GATHERING』は、カフェとしてこの4年間でさまざまなタイトルも受賞してきたが、同時に、文化をシェアするスペースでもある。アンジウさんはこれまでに数十回もの文化サロンイベントや公益をテーマにした集いを企画してきた。テーマは書画、中医学、残片鑑賞(陶磁器の破片を鑑賞する中国古来の文化)など多岐にわたり、幅広い世代の人たちにも受け入れられているという。陶磁器のショップも併設されていて、景徳鎮で活動する若い作家の作品を販売している。

「陶磁器のマーケットは、ベテランの作品や希少価値の高いものばかり流通させる、利益だけを追求する世界。若く無名の作家の作品など、見向きもされません。でも、それでは才能は育たないし、売れないままだといずれは辞めてしまう。だからここを、そのためのプラットフォームにしたんです。気軽に手に取って、買って、使ってもらえるように」  

カフェで使っているコーヒー豆も個性的だ。 雲南省で両親の代からコーヒー農家をやっている知人が淹れてくれた1杯の、素朴だけれどとても深い味わいに、心が動かされたのだ。

「そんな出合いなどがあって、私は雲南コーヒー自体にも大きな可能性を感じました。現在も、雲南コーヒーの魅力を伝えたいと奮闘しています。昨年には、こうした素朴なコーヒーの魅力をよりお客さんに楽しんでいただきたいと、ハンドドリップにこだわった2号店もオープンしました。今後も、中国のコーヒー文化の発展に微力ながら貢献していきたいと思っています」  

訪れる人は若い世代も多く、皆、くつろいで過ごしている。アンジウさんが伝えたいと願っている、シンプルで温かな「伝統的な中国の文化」が、世代を超えて広まっていく。

◇アンジウさんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
キッチンに行き、コーヒーを淹れる(歯磨きや着替えよりも先に)。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
「コーヒーがおいしくなりましたね」
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
12歳の飼い犬と、原っぱなど自然のあるところで一緒に時間を過ごす。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
文化交流を積極的にやりたい。中国楽器や書道などのアーティストとも交流を深めたいですね。
Q.10年後の自分は何をやっている?
ちょっと今は想像できない。目の前のことだけを考えていたい。
Q.自分を動物にたとえると?
ゾウ。特別賢くはないけれど穏やかで、ほかの意見に左右されないところに共感する。

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PHOTO :
阿部ちづる
EDIT :
喜多容子 ・木村 晶(Precious)
取材 :
萩原晶子