アーティスト・中北紘子さんの個展「My California」がスタート!

アーティスト・中北紘子さんの個展「My California」が、2024年7月19日(金)より開催中。

神戸とカリフォルニアのアトリエを行き来して15年を迎える中北さん。今回の個展では、カリフォルニアで制作された作品のみを展示しています。中北さんにとってカリフォルニアは、「人間として無理せず自然でいられる」という、思い入れのある大切な場所。明るく大らかな風土のもと、鮮やかな色を用いて心の機微を描いた、生きる喜びを感じさせる解放感あふれる作品が並びます。

展覧会は、兵庫県神戸市のGallery Hiroko Nakakitaにて、2025年2月3日(月)まで開催されます。

中北 紘子さん
画家
(Hiroko Nakakita)兵庫県生まれ。2006年東京藝術大学大学院美術研究科絵画科油画専攻修士課程修了後、本格的に創作活動を開始。神戸と米国カリフォルニアのアトリエを拠点に制作を続け、2021年に自身のギャラリー“Hiroko Nakakita”を神戸旧居留地にオープン。個展を多数開催するほか、国内外のグループ展やアートフェアにも多数出展。六本木ヒルズクラブ、Castle Hotel&Spa/NY などが作品を所蔵。公式HP

展示されている作品の一部をご紹介!

展覧会_1
“Sunflower” 2018(set of two works)[Mixed media on canvas, 765mm×1020mm×50mm each]

中北さん「カリフォルニアにいると私は、明るいピンクの洋服を着たくなります。自然の花々はカラフルで、街には色のある服を着ている人も多いので、目立つ色の服を着ても、悪目立ちすることがないからかもしれません。気持ち良い太陽の光を受け、何にも躊躇せず、生きていることを楽しんでいる感覚。ピンクが着たくなるという自分の素直な感情と、カリフォルニアの人たちの開放的な気持ちが共鳴し、そのまま色として溢れ出した作品です。」

展覧会_2,神戸_1
“Delicious=Happy” 2012(set of two works)[Mixed media on canvas, 505mm×405mm×45mm each]

中北さん「カリフォルニアでの私は、素直に生きることができます。たとえば美味しい料理を食べたとき、美味しい=幸せ、というダイレクトな感情を身体で感じ、表現することができます。日本にいるときのような屈折がなくなると言ってもよいのかもしれません。言い訳がましくなくなり、感情を素直に、ストレートに言い切ることができます。 この作品では、自分の気持ちをストレートに表すことを意識しています。自分の好きな色を使って描き、デカルコマニーの技法で転写しました。双子として生まれた2枚の絵は、美味しい=幸せという直接的な感情の発露を表しています。」

展覧会_3,神戸_2
“surfboard I” 2023[Acrylic on surfboard, 1820mm×510mm]
展覧会_4,神戸_3
“surfboard I” 2023[Acrylic on surfboard, 1820mm×510mm]

中北さん「カリフォルニアにはサーフスポットが多く、ニューポートビーチもサーフィンを目的として訪れる人が数多くいます。忙しない日常やテクノロジーから距離を置き、自然と一体になることのできる時間を、サーファーたちは楽しんでいます。この作品では、サーファーたちが波に乗りながら自然のリズムとシンクロするさまを想像し、その開放感と喜びをたくさんの色によって表現しました。」

展覧会_5,神戸_4
“California pepper tree” 2018[Mixed media on canvas, 1220mm×915mm×50mm]

中北さん「絵の具の“垂れ”と形態の共通点を感じ、私がこれまで繰り返し描いてきたモチーフの一つが栁です。栁は、幼いころから私の身近にありました。この絵で描いているのは、日本の栁ではなく、カリフォルニアの栁(コショウボク)です。日本の柳よりもさらに大きく、そよ風が吹くと、大きくふわっと揺れます。夏の生命感を絵の具の色に込め、カリフォルニアの柳の大らかさを描きました。」

個展開催にあたって中北さんのコメントが到着

中北さん「カリフォルニアを訪れるようになり、来年で15年になります。今回展示するのは、日本にいる普段の私ではなく、カリフォルニアにいる時の「もう一人の私」が描いた作品たちです。

私が生まれ育った家庭環境は、それなりに裕福で恵まれていましたが、一方で恋愛や結婚、働き方など において旧態依然としたスタイルを偏重していました。そこには複雑な人間関係と大人の社会があり、それによって抑え込まれた自分自身の感情の窮屈さがありました。だからこそ私は、規則と自由、理性と感情、作為と無作為の関係をテーマに絵を描いています。感情が極限まで高まったときに人が発する涙のように、身体の奥深くから発される感情を、絵の具の「垂れ」によって表現してまいりました。

しかし毎年カリフォルニアに滞在するようになったことが、自分の絵画の描き方を変える大きな経験となりました。日本ではしがらみの中で生きていた私が、カリフォルニアにいるときには、開放的な気 候や風土、人のふるまいに影響されて、新たな自分になることができます。「窮屈さ」を忘れ、自らの感情の赴くままに、素直に絵を描くことができるのです。

私のアトリエがあるニューポートビーチという都市は、ロサンゼルスのような賑やかな都市とは違って、フランスのニースや日本の芦屋にも似ている、少し落ち着いたエリアです。 カリフォルニアの青空は抜けるように高く、空が果てしなく広く感じます。野鳥も多く、色とりどりの花々を日々目にします。朝雨が降ったとしても、昼にはぱっと晴れて青空が現われる。そんなカリフォルニアでは当たり前のことの一つ一つが、私の気持ちを前向きにさせます。カリフォルニアには、自然体で飾らない人が多く、何が起こっても受け入れるかのような、カラッとした爽やかさを感じます。

日本の私とカリフォルニアの私。どちらが良いのか分かりませんが、人間として、無理せず自然でいられるのはカリフォルニアだと感じます。だからカリフォルニアは私にとって、大切な場所であり続けているのです」


中北紘子さんの個展「My California」は、兵庫県神戸市のGallery Hiroko Nakakitaにて、2025年2月3日(月)まで開催。カリフォルニアのよく晴れた明るい気候を感じさせる、解放感あふれる作品の数々を、ぜひお見逃しなく。

問い合わせ先

  • ギャラリー“Hiroko Nakakita”
  • 営業時間/金~月曜日 11:00am-6:00pm
  • 定休日/火~木曜日
  • 所在地/〒650-0024 神戸市中央区海岸通3 シップ神戸海岸ビル1階
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