わずか数cm四方の小さな時計の中に宿る、つくり手の情熱と物語は伝統と革新をつないできた時計づくりの軌跡であり「奇跡」そのもの。だからこそ、じっくりと時間をかけて育まれたクリエイションはこんなにも美しく、エモーショナルで、私たちの心を揺さぶるのです。
雑誌『Precious』9月号では、【「新作時計」が生む感動のスペクタクル】と題して、全27ブランド・32本の魅力を総力レビュー! 燦々たるジュエリーウォッチから進化を遂げるラグジュアリースポーツウォッチまで、今年発表された新作から厳選してご紹介しました。
今回はその中から、太陽と月を主役に星々が瞬く童話のような世界感が詰まった時計、ヴァン クリーフ&アーペル『レディ ジュール ニュイ ウォッチ』の魅力をお伝えします。
【ヴァン クリーフ&アーペル】太陽と月を主役に星々が瞬く天空の深淵なる情景
2008年に登場し、大きな話題を呼んだ『ジュール ニュイ ウォッチ』を再解釈したもので、構想に3年をかけて制作した33mm径モデル。天空の動きを再現した優雅な動きと共に、随所に注がれる職人技が見どころ。文字盤の一部を覆うようにあしらわれたマザー・オブ・パールは宇宙の詩情が生まれる地平線を表現している。
太陽と月が永遠に追いかけ合う、まるで童話のような世界。「ヴァン クリーフ&アーペル」が語りかけるのは「詩情が紡ぎだす時」の姿です。それはあくまで計時ではなく、優雅な動きと共にゆるやかな時の流れを愛おしむ「ポエティック コンプリケーション」として、魅惑的な思索の時間を演出します。
最新作のこの時計では、24時間をかけてディスクが回転するモジュールが収められ、ダイヤモンドを敷き詰めた月や星とギョウシェ彫刻されたイエローゴールドの太陽で昼夜を表示。製造だけで1か月以上を要するムラーノ島のアベンチュリンガラスのディスクには繊細なオープンワークが施され、そこへ星々をはめ込んでいます。
ほかにもブルーにペイントされたマザー・オブ・パールの精緻なギョウシェや裏蓋のエナメル装飾の見応えときたら! 芸術的な匠の技が、星々が瞬く夜空のスペクタクルのなかで披露されているのです。
※掲載商品の価格は、税込みです。
※文中の表記は、WG=ホワイトゴールド、DIA=ダイヤモンドを表します。
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- PHOTO :
- 池田 敦(CASK)
- STYLIST :
- 関口真実
- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、安村 徹(Precious)