齋藤 薫さんの好評連載『官能コスメ』の第10回は、『ヌードを想像させる女』がテーマ。

なまめかしいヌードを想像を肌から感じさせる女こそ、 本当の意味で官能的……女にとっての究極のテーマを読み解きます。

パルファン・クリスチャン・ディオール スノー ブラッシュ&ブルーム パウダー ¥7,600(税抜)

マリリン・モンローにまつわる、 最も有名な逸話といってもいいのが、 日本に訪れた時の記者会見で語られたこの言葉なのだろう。「ベッドでは何を着ていますか?」。その人は一言、「 シャネルのNo.5を」と答えているのだ。

考えてみると、公の記者会見で世界的な女優に対し、 よくもまぁそんな質問をしたものと、今更ながらに驚くが、 でもそこで香水の名前をひとつ挙げて、 そういう不躾な質問を美しくも粋にかわすそのウィットには、 さらに驚かされる。

このマリリン・モンローには、いくつもの大きな誤解があって、 知性と教養に欠ける女の役が多かったせいもあって、 知的なイメージはないが、実は本をよく読み、 スターになってからも演技を学ぶ学校に通ったりする、 ストイックで知的欲求の強いタイプであったとも言われる。 だからその実像と虚像のギャップに、 自ら悩んだというふうにも言われているのだ。

そして何より、この人はヌードになったイメージが強いけれど、 実際には脱いでいない。しかも、 露出がとりわけ多かったわけでもない。 地下鉄の排気口の上に立った時、 細かいプリーツのスカートがふわっと風で舞い上がるシーンはあま りにも有名だけれど、むやみに肌を見せたりはしなかった。 無名時代の写真の存在が噂されたりもしたけれど、少なくとも" マリリン・モンローのヌード"はこの世に存在しないのである。

けれども、"シャネルのNo.5"を着て寝ているという、 とっさのコメントは、 それを聞いたすべての人に美しい想像をさせたはず。 完璧にしてドラマチックなヌードを想像させたはずなのだ。

モンローはもうひとつ、こんな名言を残している。

「あなたの服は、女であるってことを証明するには" 充分にきついほうがいい"し、 でもレディーであることを証明するには" 充分にゆるいほうがいい"の」

考えてみれば、この人の服はいつも"きつそう"だった。 ひょっとすると、 いつもワンサイズ小さいものを選んでいたのかもしれない。 だからあそこまでグラマラスで、 肌を露出していたようなイメージが深く刻まれているのだろう。 直接的ではなく、間接的に、視覚ではなく、 視覚以外のあらゆる感覚を駆使して、 なまめかしいヌードを想像させる…… そういうことができる女こそ、 本当の意味で官能的と言うのかもしれない。

そしてもうひとつ、マリリン・ モンローがヌードになったイメージをつくり出していたのは、 この人の"無類の肌の美しさ"ではなかったかと思う。 服から露出している肌がたとえ少量であっても、 触れてみたいほど美しいと、どんな服を着ていても、 それ以上に肌の印象が勝ってしまうから。 何より素晴らしいプロポーションだったりすれば尚更、 見る人の想像力をかき立てて、 弥が上にもヌードを想像させてしまう。マリリン・ モンローのように白くて絹のようにきめ細かく、 もっちりとした肌の持ち主は、 さらにもっとヌードのイメージをもたらすのである。

ありきたりなセクシーを超えて、 常に官能と言うオーラを放つ女になるためのひとつの条件、 それはちょっと意外だけれど"ハッとするほどの美肌" だったのだ。

奇しくも今、素肌に見えるのに、 驚くほど美しい肌に仕上がるファンデーションが続々登場している 。まさにヌードを想像させるような、 なまめかしい美肌へのヌード仕上げのファンデーションが。 そしてまた、 うっすらと血の気を孕んだような、官能的な素肌美をつくるおしろいも …… 。

肌の露出ゼロでも、 なぜかヌードを連想させるような官能的な肌を持てたら、 それはひとつの究極。大人は、 ただただ整った美しい肌を持つだけではつまらない。 女として最高の引力を持つこと、想像させるような肌を持つこと。 それがベースメイクで実現できるのなら、ぜひ試したい。試すべきである。

「ヌーディカバー」と言う新しい仕上がりは、必ずまとってみなけば!

イヴ・サンローラン・ボーテ アンクル ド ポー コンパクト SPF23・PA++ 全6色 ¥7,200・アンクル ド ポー コンパクト スポンジ 全1種 ¥1,200(税抜)

次々ヒットを飛ばしているYSLのファンデーション、アンクル ド ポー第3弾は、「ヌーディーマスク」の仕上がり。

既成概念では、もう説明のつかない一体感と密着感と素肌感をもったから、まるで見えないようにヌーディなのに、マスクのように一瞬で美肌に着替えるような感覚。

次元を超えた仕上がり肌の美しさは、やはりファンデーションというより、「マスク」 なのかも。文字通りのヌーディな美しさは、本当に魅惑のヌードを想像させるほど、見る者の想像力を掻き立てる。

そういう意味でもこれは夢の実現。仮面舞踏会のマスクも、目元を隠すだけでなんともエロティックな印象になることを思い出してほしい。ヌードのセンシャリティと、マスクが持つ神秘生の掛け算は、ため息なしには受け止められないほどの美しさをつくるのだ。

はっとするほど妖艶な素肌美ができあがるのはまさに、アルマーニ式?

アルマーニプリマ グロー オン モイスチャライジング バーム 50g ¥12,000・アルマーニプリマ デイ ロング スキン オプティマイザー 30ml ¥8,500(ともに税抜)

「アルマーニプリマ」は、メイクでもスキンケアでもない第3の未来コスメ。

アルマーニ はバックステージをも意識した肌作りがいつも斬新だけれど、これは美しいメイクの仕上がりを長時間キープするため、朝のスキンケアに革命をもたらすようなシリーズなのだ。

メイクアップの仕上がりを考えた製法とフォーミュラにこだわり、メイクが1日中驚くほど美しく続き、メイクオフの時間まで美しさをキープ。

はっとするほど妖艶な素肌美が出来上がるのは、アルマーニ式なのだろうか。まるでランジェリー1枚をまとったような艶っぽさが、どんな時間でも女らしさを際立たせるはず。

雪のように白い肌、そこに血の気がふわりと入るなまめかしさ

パルファン・クリスチャン・ディオール スノー ブラッシュ&ブルーム パウダー ¥7,600(税抜)

美しい景色を思わせるようなドラマチックな美肌は、それだけでなまめかしい。

ともかく何かを想像させる、想像力を豊かにさせる美しさは、そもそも極めて官能的なのだ。そういうひとつ先の肌をつくるのが、ディオールの美白ライン、ディオールスノーが限定品として創造したこのロマンチックなおしろい。

見ての通り、雪の中から桜の花びらがそっと顔をのぞかせる、そんな、ため息が出るような何とも繊細な情景を、思い入れたっぷりに描いてくれた。まさに雪のような白い肌に、ほのかに血の気がさす官能美ができあがる。

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この記事の執筆者
女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。好きなもの:マーラー、東方神起、ベルリンフィル、トレンチコート、60年代、『ココ マドモアゼル』の香り、ケイト・ブランシェット、白と黒、映画
クレジット :
文/齋藤 薫 撮影/戸田嘉昭、宗高聡子(パイルドライバー) 構成/渋谷香菜子