Precious世代が愛用すべき「VEJA(ヴェジャ)」とは?
アクティブな足元に欠かせないスニーカーのなかでもフランス生まれの「VEJA(ヴェジャ)」は、一足を大切に履き続けるためのあらゆる試みが詰まったサステナブルなブランド。
その誕生は今から20年前、2004年2月に遡ります。金融業界で経験を積んでいたセバスチャン・コップ氏とフランソワ・ギラン・モリィヨン氏は、リサーチで各国のファッション関連の製造工場を訪れた際、もの作りにおいての不平等な環境が存在することを目の当たりにし、環境負荷の削減と透明性の高い働き方を目標に掲げ起業を決意。自分たちが日常で愛用しているスニーカーを軸に、業界の改革へと取り組み始めたのです。
■Point 1:サステナブルな素材への徹底したこだわり
ブランドを語る上で欠かせないのが、原材料や素材への徹底したこだわり。例えばキャンバス地に使用されるオーガニックコットンには、フェアトレードによるブラジルやペルー産を。ソールにはブラジルのアマゾンで採取した天然ラバーを採用。プラスチックから繊維を作る職人とも直接取引をし、それらを形にしたのがヴェジャのスニーカーになっているのです。
また天然ゴムにいたっては、伝統的な手法で採取することで森林を保護。従来のスニーカーよりも生産コストをかけてでも生産者への正当な報酬を支払うなど、ヴェジャ独自の生産チェーンを確立。すべてはCEO自らがブラジルに足を何度も運ぶことで見つけたパートナー企業との信頼関係の賜物です。
■Point 2:時代を超えて愛されるタイムレスなデザイン
ヴェジャのスニーカーに共通するのは、いつの時代も愛される普遍的なデザイン。「一貫してこだわっているのは、自分が履きたいと思える靴に仕上げることです。トレンドを追うことはせず、機能性の高さと素材を生かしたデザインを意識。何年も先の自分が履いていることをイメージし、ジェンダーレスなモノ作りを目指しています」と語るのは、ヴェジャで12年働くチーフデザイナー。デザイン部門はパリ、素材や技術はブラジルと、2つの拠点が融合することで唯一無二の一足が生まれているのです。
■Point 3:スニーカーを修理して履くという新たな概念
さまざまな素材が複雑に入り組んでいることからリサイクルが難しいとされてきたスニーカーの寿命を延ばすため、これまでになかったリペアに着目。新しいものを買い続けるという今の消費モデルを見直すべく、スニーカーを循環させるという新たな取り組みを2018年より始めています。
現在、パリを中心に6店舗あるリペアショップでは、自社ブランドはもちろんのこと、革靴や他ブランドのスニーカーの修理にも対応。既に35000足もの修理を行っており、その経験を生かしてリペア技術も向上しているそう。2024年2月には、リペア専門のジェネラルストアをオープン。店内には、洋服の修理コーナーも用意されています。
またリペア工房の1店舗目となるボルドーに位置するダーウィンではリサイクルボックスを設置。アッパーや踵部分のスポンジ、スニーカーの紐などをひとつひとつ分解していことで修理に活用しています。さらにブラックフライデーへの不参加を2017年より表明し、代わりに今年は「リペアフライデー」をパリ本社で開催。靴や衣類、家具や小型電子機器など、500件以上に及びあらゆるアイテムを無償で修理するなど、信念に基づく新たな試みを常に行っています。
「VEJA(ヴェジャ)」が考えるこれからの時代
「今、ファッション業界全体の課題となっているのが“未来は直すことはできない”ということです。大切にすべきは自然との共存であり、継承される職人技術であり、人との繋がりでもあります。創業時からのブランドの哲学は変わっていませんが、時代の意識が変わってきたことで、ヴェジャのフィロソフィーに賛同してくれる人たちが増えてきました。これからも少しずつ、ゆっくりと進んでいきたいです」と、CEOのセバスチャン・コップ氏。
この真摯な想いは、社員に対しても同様。年齢も性別も超越した壁のないクリーンな働き方は、長年務める人が多いというのも納得。またロギンスという物流と社会福祉を掛け合わせた組織と提携し、事故などで休職を余儀なくされた人への職業訓練や再就職の支援も行うなど、ヴェジャの取り組みは多岐に渡るもの。
地球にも人にも優しい…。サステナビリティが宿るヴェジャは、まさに時代を体現するブランドといえるでしょう。
問い合わせ先
- エンメ TEL:03-6419-7712
EDIT&WRITING:池田旭香