連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、人の紹介によって出会いをつくるコミュニティを築く婚活アプリ「Loop」をアメリカで立ち上げたリアン・ザッカーさんにインタビュー。
立ち上げ1年で登録者は3万人を超え、ネットワークを全米はもとより、世界へと広がっています。話題のマッチメイキングアプリをスタートさせたきっかけやその魅力について、リアンさんにお話しをうかがいました。
【New York】人の紹介によって出会いをつくるコミュニティを築く婚活アプリが話題に
リアンさんが立ち上げた独身者のための婚活アプリ「Loop」のユニークなところは、「共通の友人を介していく」、言ってみれば古典的なお見合いや合コン形式であること。
「デートアプリではなく、マッチメイキングアプリです。得体のしれないアルゴリズムが選び出した、脈絡なく見える途方もないリストを延々とスクロールして探し続ける必要のない、安全性の高いアプリなんです」
既存のデートアプリは、ウーバーの配車のように、自分の半径数百メートルにいる人をランダムに表示するが、「Loop」では必ずマッチメーカー(仲介者)を通す。そのことがむしろ新鮮に感じられるようで、立ち上げから1年で登録者は3万人を超えた。出会いを求める側だけでなく、例えば既婚者でもマッチメーカーとして登録し紹介する側になることもできる。プロのマッチメーカー、つまり婚活業者の登録も増えているそうだ。
「この業界はすでに飽和状態なのに、なぜ今さら進出したのか? とよく聞かれますが、既存のものに満足していないからこそ、そこにビジネスチャンスを見出したのです。実際に、人々はAIのような味気ないサービスに飽き始めている。ロマンス詐欺なども頻発しています。もっと、本物の人と人とのつながりやネットワークの上に築かれる出会いの場が、今こそ必要なのではと考えたんです」
大学を卒業後、あるスタートアップ企業の立ち上げメンバーに参加し、会社として見事に飛躍していく過程を経験。起業家に憧れた。そのときのファウンダーが、今もリアンさんにとってはメンターだ。コロナ禍中に弟と共にアイディアを出し合い、「Loop」を発案。
「毎日ハラハラドキドキしながらも少しずつ成長していくことを実感できることが喜び。ネットワークは全米に広がり、海外へも枝葉が延び始めています。確かなコミュニティを築いているという手応えがある。人と人との出会いから生まれる可能性を信じています」
◇リアン・ザッカーさんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
世界各地の友人と情報交換。スマホで最新ニュースをチェックして、やっとベッドから起き上がります。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
私とすぐに友達になれた、という言葉。私はコミュニティをとても大切にしています。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
ゆっくりN.Y.で過ごしたい。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
時間に余裕があれば絵を描きたい。特にポートレートを描くのが好き。ペンと紙で人の本質をとらえるのは本当にエキサイティングなこと。
Q.10年後の自分は何をやっている?
「Loop」をよりよい会社にするために奔走している。
Q.自分を動物にたとえると?
シャチ。黒と白の模様が私っぽいし、何があっても堂々として見えるところが好き。
関連記事
- PHOTO :
- Hiroshi Abe
- 取材 :
- Junko Takaku