「慢る」ってなんと読む?「まんる」ではありません!

明日、1月20日は、令和7年の『寒の土用丑の日』です。「土用丑(どよううし)」というと「夏に鰻を食べて精をつける日」という印象ですが、もともと「土用」は立夏・立秋・立冬・立春のそれぞれ直前の18日間をとらえた暦上の言葉で、「土旺用事(どおうようじ…土が旺んに(さかんに)なり用事(働き)をする時節」という意味です。

土壌が変化するほどの季節の変わり目、ということでもありますので、夏バテに気を付けたい「夏の土用丑」に「鰻を食す」習慣ができたようです。しかし、ほかの季節も「土用」は体調に気を配りたい時期でもありますし、鰻は実は、水温の下がる冬に栄養をため込み、おいしくなります。そして、『寒の土用丑の日』「冬の土用丑でも鰻を食べよう」という新たな食文化を提案する記念日ですが、理にかなっているのです。

ちなみに今年の冬の土用は、明日と2月2日の二度「丑の日」がまいりますので、おいしい鰻をいただく口実にもいかがですか? ということで、本日は「鰻」という字のつくりでもある「曼」の入った字に関する日本語クイズをお送りします。

【問題1】「慢る」ってなんと読む?

「慢る」の読み方として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。

1:おこたる

2:おごる

3:あなどる

「慢る」の読みかたとして正しいのはどれ?
「慢る」の読み方として正しいのはどれ?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 1:おこたる 2:おごる 3:あなどる 3つすべて です。

なんとすべて正解なのですが…「曼」とはどんな意味を持つつくりなのかを、まずひもときましょう。
なんとすべて正解!「曼」とはどんな意味を持つつくりなのかを、まずひもときましょう。

「鰻」「慢」の両方に入っている「曼」は、「長い・広がる」などを意味しているつくりです。なるほど、「鰻」は長い形状が特徴的な魚ですね。また、「慢」は「心」を意味する「りっしんべん」に「曼」が合わさった字ですので、心や気持ちなど、精神的な部分が「間延びしてしまう」「大きくなる」というような意味をもつ字なのです。

そして「曼」は「慢心」という熟語にも使われる字ですが、訓読みでは「慢る(おこた-る)」「慢る(おご-る)」「慢る(あなど-る)」と、同じ表記で3通りの読み方がございます。読めなくても問題ないほどの難易度ですが、字を読み解いてみるとおもしろいですね。

さて2問目にまいりましょう。

【問題2】「蔓延る」ってなんと読む?

「蔓延る」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「蔓」は植物などの「つる」と読む字ですが、「蔓延る」は熟字訓(熟語単位の読み方)です。

<使用例>

「この地域では、いまだに古く悪しき慣習が蔓延っているのです」

「○○○る」。
「○○○る」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 蔓延る(はびこ-る) です。

「蔓延(まんえん)」という熟語に送り仮名をあてて訓読した形です。

実は「蔓」の訓読みとしても「蔓る(はびこる)」がございます。いずれにしても、「くさかんむり+曼」で、植物が延び放題になるかのようなイメージを表現した字です。

*** 

本日は1月19日『寒の土用丑の日』にちなんで、「曼」というつくりの入った字にスポットをあて、

・慢る(おこた-る/おご-る/あなど-る)

・蔓延る(はびこ-る)

の読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。

 

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱