「早蕨」ってなんと読む?「はやわらび」ではありませんよ!

令和7年の「節分」は、暦の関係で例年より1日早めで、明日、2月2日です。「節分」といえば2月3日の印象が強いかと思いますが、もともとは、年4回訪れる「季節の分け目の日」を指した言葉で、立春・立夏・立秋・立冬の前日を、すべて「節分」と言います。年4回ある節分の中でも冬から春の変わり目が特に注目されるのは、春夏秋冬で考える「1年のはじまり」という意識があるからで、豆まきのような邪気払いの風習が、日本文化として長くのこったわけです。今年の節分がやや早めなのは、立春・立夏などの暦が、天体の動きに連動して計算されるからです。ということで、本日は「早」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「早蕨」ってなんと読む?

「早蕨」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「芽を出したばかりのワラビ」を言う言葉で、和装の襲(かさね)の色目の名称や、『源氏物語』の第48巻の巻名にも使われています。

<使用例>

「春に帰省すると、実家の裏山でとれる早蕨の天ぷらが食べられるのよ」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 早蕨(さわらび) です。

「早」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読みかた)に、訓読みの「さ」がございます。
「早」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)に、訓読みの「さ」がございます。

「早」を「さ」と読むのは、「早乙女(さおとめ)」さん、「早苗(さなえ)」さんなど、人名ではまま見かけますね。「早苗(さなえ)」は一般名詞ですと「苗代から田に植え替えるイネの若い苗」を指します。「早(さ)」を使う表現には、今回の「早蕨(さわらび)」のほかにも「早緑(さみどり)」「早桃(さもも)」など、定番的な表現がございますので、大人の教養として覚えておきたいですね。

さて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「早晩」ってなんと読む?

「早晩」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「遅かれ早かれ。いずれ」「早いことと遅いこと。また、朝と夕」などの意味をもつ言葉です。

<使用例>

「彼女はアイデアとバイタリティのある人だから、早晩、起業するんじゃないかと思っていたわ」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 早晩(そうばん) です。

例文では「遅かれ早かれ」という意味の副詞として、この言葉を使っています。

「晩」には「晩い(おそい)」という読み方・意味もあり、スピード感を表現する「速・遅」が対になっているように、時間帯や時期等を表現する「早・晩」も対になっています。「早晩(そうばん)」という言葉、知的な方が「いずれ。遅かれ早かれ」という意味の副詞として使いこなしているイメージですので、ぜひ覚えておきましょう。

*** 

本日は、2月2日、令和7年の「節分」にちなんで、「早」という字の入った日本語から、

・早蕨(さわらび)

・早晩(そうばん)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/国立天文台ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱