「ふんどしの日」があることをご存知ですか? 「なんでも記念日があるのねー」と思ったあなた、正解です。日本は「毎日が記念日」。今日は2月14日の「ふんどしの日」にちなんで、「ふんどし」について、知識を深めてみましょう!
【目次】
【「ふんどしの日」とは?意味と由来】
■「ふんどしの日」は「いつ」?「誰が」決めたの?
「ふんどしの日」は2月14日です。東京都渋谷区に事務局を置く、一般社団法人 日本ふんどし協会が制定し、一般社団法人 日本記念日協会により認定、登録された記念日です。
■何のために?「目的」は?
「ふんどしの日」は、日本古来の文化であり、伝統的な下着である「ふんどし」の普及と、人々の「ふんどし」に対する理解と関心を高めることが目的です。日本ふんどし協会では、日本人全員が「ふんどし」を一枚は持っている、そんな時代の到来を目標としているそうです。壮大ですね!
■「由来」
2月14日の日付の由来は、「ふ(2)んど(10)し(4)」と読む語呂合わせから。日本ふんどし協会は、「たまたまバレンタインデーと同じ日になった」ことについて、「ふんどしの奇跡」と呼んでいるとか。世間一般的には、2月14日は「女性から愛する男性にチョコレートを贈る日」として認知されていますが、日本ふんどし協会としては性別問わず、「愛する人に、リラックスウェアとしてのふんどしを贈る日」として浸透させたいと考えているそうです。女性にとってはなかなかハードルが高そうですが、男性が自分に対して「贈る」のであっても「よし」とのことです。
【ビジネス雑談に役立つ「ふんどしの日」と「ふんどし」の雑学】
■そもそも「ふんどし」って?
『日本大百科全書』によれば、ふんどしとは「男性の腰部をおおう長い帯状の布で、これを股間(こかん)から腰部にかけて巻きつけ、下半身を保護し、かつ清潔にするために着装する」とあります。要するに男性用の下着ですね。「ふんどし」という言葉ができたのは江戸時代の初め頃ですが、ふんどし状の下着は、古墳時代から存在していたとも言われています。
現在に伝わる「越中ふんどし」は、並幅36cmの晒(さらし)木綿90cmを使ってつくられます。つくり方は極簡単! 片方の端を細く袋に縫い、そこに紐を通し入れるか、別紐を縫いつけるだけ。装着するには、紐のついた部分をうしろにし、布を股間にくぐらせ、余った布は前面に垂らして、紐で固定します。シンプルですね!
■ふんどしはなぜ廃れたの?
ふんどしの着用率が低下したのは、明治以降、洋服の普及率が上がったことにあります。第二次世界大戦後には、GHQが越中ふんどしを軍国主義の象徴として問題視。同時に、アメリカの文化が入ってきたことにより、トランクスやブリーフが着用されるようになりました。こうした理由から、ふんどしの存在感は薄くなっていったのですね。
■質の良い睡眠のためには、まずはふんどしから?
健康維持に免疫力が大切なのは言うまでもないことですが、高い免疫力維持のためには、(1)栄養バランスのよい食事 (2)適度な運動(ストレス緩和) (3)質のよい睡眠 が大切だとされています。そして(3)の「質の良い睡眠」のために、下着が重要な役割を担っているのは、皆さんご承知の通り。そこで登場するのが、近年ふたたび注目されているふんどしなんです!
お祭りのときなどに私たちが見るお尻が露出した「ふんどし姿」に使われるふんどしは、「六尺ふんどし」と呼ばれるもの。一方、「越中ふんどし」や「もっこふんどし」は、縦長の布の上部に腰ひもがついたもので、お腹の前(かもしくは腰)で紐をちょうちょ結びにして、うしろから前にもってきた布を紐に通して前後の形を整えるタイプ。お尻もすっぽり隠せます。戦後までは男性が日常的に着用していた下着で、自分のウエストサイズで調整できることが特徴。満腹時にゆるめる、お腹が減っているときなどにきゅっとさせるなどの調整も可能です。太ももの付け根である鼠蹊部(そけいぶ)も締め付けず開放感があることも、リラックスウェアとしては重要なポイントです。
■ふんどしは「女性にもおすすめ」!
私たちが愛用するガードルなどの締め付けの強い補正下着は、蒸れはもちろん、血液の循環を妨げたり、かゆみの原因になる恐れがあります。一方、ふんどしは締め付けず、通気性も適度によいという特徴が。外出時に使用するのはなかなか勇気がいるかもしれませんが、血液やリンパの流れを妨げないので、就寝時だけの使用でも非常に効果的です。また、大腸・肛門科の医師 山田麻子さんによる日本ふんどし協会のへのメッセージによると、越中ふんどしを使うと、構造上、おなかの部分の生地が二重になるので、おなかの冷えが適度に解消されるというメリットも。一日、外出予定のない休日やリモートワークでの着用もとてもよいそうですよ。
■ふんどしの数え方は?
「ふんどし一丁」という言葉を聞いたことのある人も多いはず。ならば、ふんどしの数え方は「丁」なのでしょうか?……正解は、ブー! ふんどしは「1枚」あるいは「1本」と数えます。実は助数詞の「丁」は、豆腐や拳銃を数えるのとは別に、景気付けのために数詞に添えられることがあります。「ふんどし一丁」のように、ふんどし以外に何も身に付けていない状態を口語で「ふんどし一丁」と言うのです。唯一、身に付けているものを強調して、威勢のよさを表現するのですね!
■日本ふんどし協会によるキャッチコピーをご紹介
キャッチコピーにクスッとしてしまいます。
・甘くない愛もある
・本気なら、ふんどしを贈ろう
・チョコもいいけど、ふんどしもいいよね
「ふんどしの日」が2月14日ということもあって、“対チョコレート”に照準が合わされているようです。
■栄えある「ベストフンドシストアワード2024」は?
日本ふんどし協会は、年に1度、ふんどし普及に貢献したプロフェッショナルに、『ベストフンドシストアワード』を贈呈しています。2024年度の受賞者は、俳優の大東駿介さんでした。
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今年の2月14日は、今日が「バレンタインデー」だけでなく「ふんどしの日」であることも、オフィスの話題にしてみてはいかがでしょうか。NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では、主演の横浜流星さんが、いなせな着流し姿を披露しています。長着(着物)の裾を大きくはしょってふんどし丸見えで走る場面では、その姿がセクシーだとか快濶さがたまらないとか…。そんな話を織り交ぜつつ、ふんどしの雑学を披露してみてください。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『数え方の辞典』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) :