あまり知られていませんが、2月16日は「天気図記念日」です。そもそも「天気図」はどんな風に定義されているのでしょう……日本で初めて気象観測が行われたのはいつ? 今回はビジネス雑談に活用できそうな「天気図記念日」についての雑学ネタをご紹介します!

【目次】

【「天気図記念日」とは?「いつ」、「由来」】

「いつ」?

「天気図記念日」は2月16日です。誰が制定したのかは、はっきりしません。

■「由来」

1883(明治16)年の2月16日に、東京気象台(現在の気象庁)で​日本で初めての天気図がつくられたことに由来します。最初の天気図は、ドイツの気象学者エルウェン・クニッピングが描いた天気図に、英語で書かれた天気概況を日本語に翻訳して清書したものだったそうです。最初の気象電報が送信された2月16日以降、2月中は天気図作製の試行期間だったため、残念ながら天気図は現存していないそうです。


【〇、●、◎…これは何の天気?「天気記号クイズ」】

■超初心者問題です。「〇」は何の天気でしょう?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てきます。

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答えは…「快晴」です! 「晴れ」だと思った人が多かったのでは? ちなみに「晴れ」は「〇の中心に縦に線が入った記号」です。

■次は初級問題。「◎」「●」は何の天気でしょう?

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答えは……「◎」は「曇り」、「●」は「雨」です。

■中級問題です。「△」「▲」は?

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答えは……「△」は「あられ」、「▲」は「ひょう」です。わかりましたか?

超初心者問題も初級も、案外忘れてしまっているものですね!


【ビジネス雑談に役立つ「天気」にまつわる豆知識】

■日本で気象を観測し始めたのは、いつ?

日本で気象を観測しはじめたのは、初めて気象図が作成された1883年から8年遡ります。1875(明治8)年の6月1日に、東京・赤坂葵町に現在の気象庁の前身となる東京気象台が設置されました。以後、毎日3回、気象と地震の観測を開始します。葵町とは、現在のホテルオークラの辺り(東京都港区虎ノ門2丁目)です。当時の気象庁は内務省測量司所属で、職員は測量技師であるイギリス人がたったひとりで行っていたそうです!

■天気図って何?

気象現象を把握するために、ある時刻の大気の状態が、数字、記号、等値線などによって表現された地図を「天気図」と呼びます。日本最初の気象図が、ドイツの気象学者により英語で描かれたものを日本語訳したものであったことは、最初にお伝えしましたね。当初は、印刷した天気図を、東京の新橋、神奈川の横浜の2か所に掲示で公開したそうです。が…専門的な内容なので、一般の人が見ても、内容を読み解くことはできなかった、と言われています。

■1883年当時、どうやって「天気図」をつくったの?

1883年に天気図がつくられる以前は、当時日本にあった全国24か所の測候所が、低気圧や台風の接近などがあった場合に限り観測を行い、東京気象台に通報する「非常電報(もしくは臨時電報、特発電報)」を行うのみでした。しかし、「天気図」作成のために、各測候所が定時に観測を行い、その観測情報を1日1回、東京気象台に電報で知らせるようになったのです。

この、各地から送られてくる「1日1回の気象電報」によって、天気図が作成できるようになったのです。最初の気象電報は、当時電信線が通っていた22か所の測候所から発信されました。前日の午後2時、同10時、当日6時観測の気圧、風向、風力、雲向、雲速、気温、天気と、6時における雲形と24時間雨量という情報が1回分の電文にまとめられていました。1883年3月1日からは、午前6時の天気図が正式に発行・印刷されるようになったため、当時の天気図は今も残されています。また、同年4月1日からは午後2時、同10時の天気図も追加発行されるようになりました。印刷された天気図は宮中や役所に配布され、新聞社にも提供されました。

■日本で最初の天気予報は?

日本で初めて天気予報が発表されたのは、初となる天気図がつくられた翌年、1884年の6月1日午前6時のことでした。「全国一般風ノ向キハ定リナシ。天気ハ変リ易シ。但シ雨天勝チ」。対象はなんと「全国」でした! 実際の天気は、西日本では快晴が多く、東日本では曇り、日本海側の新潟や秋田では雨が続いたそうです。確かに予報通り変わりやすい天気でしたが、あまり頼りにはなりそうにないですね。この予報は、東京の派出所などに掲示されたそうです。

■天気図が一般的に知られるようになったのはいつ?

一般庶民に広く天気図が周知されたのは、1924(大正13)年8月21日、天気図が国民新聞に掲載されてからのことです。それまでは一部の新聞に掲載されていたり、交番などで掲示されているものを見たりするぐらいでした。また、1939(昭和14)年3月には、東京放送局のラジオによる天気予報がはじまり、気象はより身近なものとなりました。

■気象庁はどこの管轄?

1875(明治8)年設置の「東京気象台」は、1887(明治20)年に「中央気象台」と名前を変え、1956(昭和31)年に「気象庁」として、運輸省(現在の国土交通省)の外局になりました。現在、「気象庁」は国土交通省の外局です。

■世界初の「天気図」は?

1820(文政3)年に、ドイツの気象学者ハインリッヒ・ブランデスが、観測データを郵送などで集めて発表した天気図が世界初だといわれています。

■そのほかの「お天気関連」の「記念日」は?

・「気象記念日」
6月1日は「気象記念日」です。1875(明治8)年の6月1日、東京・赤坂葵町に現在の気象庁の前身となる東京気象台が設置され、毎日3回、気象と地震の観測が開始されたことを記念して、1942(昭和17)年に、気象庁によってが制定されました。

・世界気象デー
「世界気象デー」は、3月23日です。1950年の3月23日、世界気象機関条約が発効し、国連の専門機関である「世界気象機関(WMO)」が正式に発足したことを記念して、1960年に制定されました。気象業務への国際的な理解促進を目的としています。

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日本で初めて「気象図」が描かれたのは、今から140年以上前の1883年。最初の天気予報が日本全体の天気を予報する1パターンしかなかったとは驚きです。毎日、しかも時間ごと、地域ごとに、天気予報を確認できる現代は、なんて便利な時代なのでしょう。「天気予報外れたー!」と文句が言えるのも、実はありがたいことなのですね。

この記事の執筆者
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参考資料:江波山気象館 メールマガジン(https://www.ebayama.jp/merumaga/20170201.html) :