「奇天烈」ってなんと読む?「きてんれつ」ではないですよ!

明日、6月2日は、戦国武将、織田信長の忌日『信長忌』です。つまり1582(天正10)年に『本能寺の変』のあった日です。信長は、豊臣秀吉、徳川家康とともに、戦国三英傑とも呼ばれる、日本史上最も人気のある武将のひとりですが、若いころは奇抜な行動をとって「馬鹿者」呼ばわりされていたエピソードも有名ですね。

本日はそのような、織田信長の若年期を形容するような日本語のクイズをお送りします。

【問題1】「奇天烈」ってなんと読む?

「奇天烈」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「非常に風変わりであるさま」という意味の言葉です。

<使用例>

「若いころの信長は、かなり奇天烈な服装をしていたそうね」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 奇天烈(きてれつ) です。

これを強調した言い回しが「奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)」です。
これを強調した言い回しが「奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)」です。

信長は若いころ、月代(さかやき)を剃らないボサボサの髪を派手な色の糸でくくり、ノースリーブの湯帷子(ゆかたびら。今で言う浴衣。当時としてはバスローブやパジャマ的な衣服)に半袴(丈の短い、半ズボンのような袴)、腰には縄を巻き、そこにひょうたんや火打ち袋、派手な朱鞘の大太刀を下げ、親衛隊のような取り巻きの若者にぶら下がるようにまとわりながら歩き、しょっちゅう街中で、柿や瓜などを歩き食いしていたといわれています。万が一、織田信長と出会っても、遠巻きにして、目を合わさないように気を付けてしまうようないでたちですね。

では、2問目にまいりましょう。

【問題2】「大空け」ってなんと読む?

「大空け」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:若年時代の織田信長は、ちまたでこう呼ばれていたそうです。

<使用例>

「当時『尾張の大空け』言われていたという奇行も、現代では『信長の作戦的な行動だったのでは』とされています」

「○○○○け」。
「○○○○け」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 大空け(おおうつ-け) です。

「空(うつ)け」は「馬鹿者」のことで「虚け」とも表記します。

若い時代は「尾張の大空け」と噂になるほど、奇行が目立った信長ですが、こうした行動も、周囲の目をあざむくためのものだったかもしれない、といわれております。確かに、武将として名をあげてからも、大胆な奇策で周囲を驚かせたとされる人物ですので、本気なのか策なのか…図りかねますね。

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本日は、6月2日『信長忌』にちなんで、

・奇天烈(きてれつ)

・大空け(おおうつ-け)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『小学館版学習まんが人物館 織田信長』(小学館)/京都府観光連盟公式サイト 京都観光ガイドホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱