【目次】

「えびフライの日」の基礎知識】

■日付

6月21日は「えびフライの日」です。

■由来

丸まった姿が「6」に見えることから6月、「フ(2)・ライ(1)」と語呂合わせで21日に制定されました。

■発祥

冷凍食品でも人気のえびフライをもっと楽しんでもらうため、香川県三豊市に本社を置く冷凍食品の製造販売会社「味のちぬや」が制定しました。


【ビジネス雑談に役立つ「えびフライ」の雑学】

■「えびフライ」はどこの料理?

日本が世界に誇る料理のひとつが「えびフライ」。そう、日本発祥なのです。とんかつはフランス料理のコートレットを由来とするようですが、えびにパン粉をつけて揚げる料理は他国に見当たりません。

■「えびフライ」の誕生

えびフライは、東京・銀座の洋食店「煉瓦亭」の亭主・木田元次郎氏が考案したという説が有力です。生活が一気に西洋化した明治時代、日本人の食生活も大きく変わりました。そして、明治28(1895)年に創業した「煉瓦亭」ではトンカツやメンチカツなどのフライ料理が人気でしたが、新しいメニューを開発するなかで、明治33(1900)年に「えびフライ」が誕生したのだとか。

■どんなエビが使われている?

食用エビの種類はさまざまありますが、高級料理店では大きさや味、食感などの理由から、えびフライのエビは「クルマエビ」が好まれるよう。気軽な町の洋食屋やファミリーレストランなどでは「ブラックタイガー」が、冷凍食品には「バナメイエビ」を使うことが多いようです。

■尻尾は食べる派?食べない派?

えびフライの尻尾、どうしていますか? 「固くて食べにくいから残す」「お店では残すけど家では食べる」「おいしいから残さず食べる」などさまざまのようです。えびフライの尻尾は、食べても残してもマナー的には問題ありません。食べたければ食べてOK! ですが、のどにひっかかったりする恐れがあるので、子どもや高齢者は注意が必要です。

■エビの「赤」は美容成分?

エビの殻や身の表面は茶褐色や灰色、青っぽい色をしていますが、加熱すると赤く、食欲をそそる色になります。これは、その部分にアスタキサンチンという赤い色素が含まれているから。生の状態ではこのアスタキサンチンがタンパク質と結合しているので灰色や青っぽい色に見えるのですが、加熱するとその結合が壊れてアスタキサンチン本来の赤色が現れるというわけ。

ちなみにこのアスタキサンチンは「赤の美容成分」とも呼ばれ、富士フイルムが展開する化粧品ブランド「アスタリフト」に配合されています。

■「えびフライ」の栄養

良質なタンパク質が豊富なエビは健康に役立つ食材のひとつです。含まれる主な栄養素を見てみましょう。

・アスタキサンチン:抗酸化作用に優れ、美肌効果やアンチエイジングが期待できます。美容面でいえばコラーゲンもたっぷり。

・ミネラル:カルシウムや鉄、亜鉛、銅などが。骨の健康や貧血予防、免疫力の向上などが期待できます。

・ビタミンE:抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぎ、美肌効果も。

・オメガ3脂肪酸:心臓血管の健康をサポート。動脈硬化や高血圧のリスクを軽減します。

・タウリン:肝臓の機能を高め、高血圧をコントロールし、疲労回復などに効果が。

■「えびフライ」が真っ直ぐな理由

エビは背中側に比べてお腹側の筋肉のほうが強いため、キュッと腹側が縮まって丸くなります。加熱するとその傾向は顕著。洋食店などでは真っ直ぐなえびフライが提供されますが、これは腹側の筋肉を断ち切る「筋切り」という下処理を施しているからなのです。

ちなみに…日本人が大好きな中華料理の「エビチリ」はくるんと丸まっていますが、これはより丸まるように背中側に切れ目を入れるから。炒めたときにソースが絡みやすいように、という工夫です。

■エビ好き日本人、消費量は世界2位!

1990年代前半の国民ひとり当たりの消費量は年間約3kgでなんと世界一! その後は徐々に減少し、2019年にはアメリカに次ぐ2位の消費量になりましたが、「エビ好き日本人」であることに変わりはありません。

■エビの数え方

生物としてのエビは「匹」、商品や料理として数える場合は「尾(び)」や「本」を用います。

■エビはめでたい食材

丸まった姿が腰の曲がった老人をイメージさせるので「長寿」、眼が飛び出ているので「目出たい」、そして加熱によって赤く華やかな色になるということもあって、日本では古くから吉祥食材として親しまれてきました。また、威勢よく跳ね上がることから運気の強さの象徴ともされ、硬い殻で覆われている姿が鎧を連想させるので、縁起担ぎが大好きな戦国武将の祝い膳にも上がっていたのだとか。

■漢字で書くと…

「海老」と「蝦」の漢字を当てますが、違いはなんでしょう。

「海老」は、大型で硬い殻をもつ海底を歩いて生息するエビを指し、腰の曲がった老人に例えて「海の老人=海老」と表記するようになった日本生まれの漢字です。イセエビ(伊勢海老)やウチワエビ(団扇海老)は「海老」を用います。

一方の「蝦」は、海中を泳ぐ、中小型の殻が軟らかいエビのこと。クルマエビ(車蝦)やアマエビ(甘蝦)は「蝦」を用いています。中国から漢字が伝わった当初は魚偏の「鰕」でしたが、魚ではないので虫偏に変わったのだとか。

現在は「海老」と「蝦」の使い方に明確な決まりはなさそうです。

■英語表記は…

英語はもっと単純で、大きさによって使い分けています。大型のエビは[lobster]、中小型は[prawn]または[shrimp]と呼びます。

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エビ自体は低カロリーですが、えびフライは揚げ物なので食べすぎにはご注意を。カロリーが気になる場合には、細かなパン粉を使って揚げ、油を含む量を抑制するなど、工夫しておいしく頂いてくださいね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『すぐに役立つ366日記念日事典』(創元社)/『栄養がわかる 体によく効く食材事典』(学研プラス)/『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) :