芸術的なまでに美しい職人の手仕事を集結させた“シャネル”の『2024／25年 メティエダール コレクション』。オートクチュールにも匹敵するほどに手の込んだものづくりが求められ、モードを進化させる役割も担っているのです。
雑誌『Precious』7月号では【“シャネル”夢見の余韻に】と題して、ガブリエル・シャネルが愛したアンティークのコロマンデル屏風にインスパイアされた、夢と静寂が交差する、ポエティックなコレクションをお披露目。
今回は、贅沢なドレスの装いをまとめてご紹介します。
■１：街が宵に染まる頃、華やかな気配と装う喜びに包まれて…
幾重にも重なり合うゴールドネックレスが、さざなみのように揺らめいて、ドラマティックな煌めきを放つ。フレアシルエットが優雅な黒のニットドレスにも、ゴールドのラメ糸で袖と裾のトリミングに装飾が施されて。こんなふうにリラックス感のあるラグジュアリーなドレスアップは、まさに時代の気分そのもの。
■２：進化するツイードが導くモードの現在地へ
時代を超えて愛され続け、常にモードの最先端に位置づけられるのが、“シャネル”のツイードジャケット。黒とゴールドのスパンコールを織り込んだファンタジーツイードを、ベルベットのブレード刺繍で端正に縁どったもの。このブレードを均等に仕上げるのも“シャネル”のアトリエの手仕事ならでは。ミニ丈のドレスに、エナメルのニーハイブーツを合わせて、圧倒的にモダンなシルエットが完成。
■３：白のツイードに宿る気品と共に、ロングジレが描く颯爽と美しい佇まい
優しいエクリュをベースに、グリーン、ピンク、ゴールドの糸をふっくらと織り交ぜたファンタジーツイードのコート。その贅沢な質感と、奥行きのあるホワイトトーンには、視線を引きつけてやまない気品溢れる美しさが。スタンドカラーのロングジレによるIラインで、颯爽とした立ち姿に。
■４：月下に装うサテンの艶めき。揺れるトレンチコートで夜半の華になる
サテンの光沢をまとう黒に、フレアスリーブや大胆なスリットから裏地の鮮やかなブルーが見え隠れして、都会のナイトシーンに映える一着。花モチーフのメタルボタンや、取り外し可能なフードにもチェーンがあしらわれ、『メティエダール コレクション』ならではのディテールが端正。
■５：鮮やかな白と黒のコントラストに秘められたマドモアゼルの美学が自信と品格を授ける
マドモアゼル・シャネルのサテンパジャマがデザインソースになったといわれる、サテンジャカードのセットアップ。薄くパディングを施し、「ダブルC」のモチーフがあしらわれ、黒と白のコントラストが研ぎ澄まされた美意識を感じさせる。光を放つように眩い白のサテンブラウスを背景にゴールドネックレスをたっぷりと重ねて。
■６：雨上がりの夜、闇を編むように煌めきが降り注ぐニットで金の露をまとう
光を仕込んだかのように、暗がりでも眩く煌めくニット。金糸をあしらった黒ニットにゴールドの花びらを刺繍したもので、専門的な技術を有する工房の誇り高き職人技にため息が。カーディガンを肩掛けすれば、同素材のスリップドレスが引き立ち、デコルテの軽やかな肌見せも叶う。
■７：柔らかな光に導かれて静謐な黒に赤いビジューがそっとささやく
黒地に赤いスパンコールを散りばめたファンタジーツイードのコートは、ロングドレスのようにエレガントな佇まい。顔周りも華やぐ大きな襟元に、スパンコールやクリスタル、ストーンなどで刺繍された２頭の鹿の装飾が施されて。胸元にも赤いネックレスを重ねて、エキゾチックに着こなしたい。
■８：薄明かりのなか、光がほどけるように繊細な手仕事の一つひとつが煌めいて夢の余韻を楽しむ
黄金の布をまとった女神を思わせる美しいドレスに、クチュールメゾンを支える職人たちの夢が託されて…。ベージュゴールド地にほんのりと色づく花柄をあしらった繊細なレースが、新たなエレガンスを呼び覚ます。そして繊細なチェーンネックレスは、流れ落ちる星屑のよう。６種類も重ねることで、光がほどけるようにドレスと響き合って。
優れた職人たちの夢が咲き誇る『メティエダール コレクション』
オートクチュールメゾンのものづくりを支える伝統的な職人の手仕事を継承し、進化させるために、“シャネル”では「芸術的な職人技（=メティエダール）」を有するアトリエを傘下に入れてきました。刺繍や羽根・花・金細工、プリーツ、靴、帽子などを手掛ける職人たちは数百人にのぼります。その職人技に焦点を当てたのが、2002年から続く『メティエダール コレクション』です。
世界各地を巡ってショーが行われ、今回の舞台は、美しい水辺を望む中国の古都、杭州に。マドモアゼル・シャネルが愛したパリのアパルトマンに飾られたコロマンデル屏風を思わせる、シノワズリ風の刺繍がドレスやスーツを彩り、夜の水辺の幻想的な風景と共に、夢の余韻に浸るような麗しいコレクションが繰り広げられたのです。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO ：
- 藤森星児
- STYLIST ：
- 押田比呂美
- HAIR MAKE ：
- ヘア／Asahi Sano、メイク／佐藤裕太
- MODEL ：
- 太田莉菜
- COOPERATION ：
- BACKGROUNDS FACTORY
- EDIT&WRITING ：
- 藤田由美、喜多容子（Precious）
