伊藤美佐季さんと考える「人生とアイコンジュエリー」
自分の人生にフィットするアイコニックな輝きの選び方から、アイデンティティを託すスタイリング技まで…。ジュエリーを知り尽くした匠のセンスを道標に、前へと歩んでいきたい。
今パートのテーマであるアイコンジュエリーは、実はダブルミーニング。最愛ジュエラーのタイムレスな「アイコン」を、自分らしさを映し出す「アイコン」としていかに昇華させるかという命題を、上質な人生を紡ぐ大人の女性に向けて、ジュエリーディレクター、スタイリストの伊藤美佐季さんと考えました。
一流の審美眼が導く選びの視点やアイディアに富んだ洗練のスタイリング・ルールもさることながら、その哲学や心意気が新たな視座を与えてくれます。
１．Cartier（カルティエ）『クラッシュ ドゥ カルティエ』のネックレス
女性的であり男性的でもある、多面性を内包するようなジュエリーは時代の気分をとらえるモダンな存在。
「伝統的な装飾であるスタッズとピラミッド形のパーツをなめらかに連結させた『クラッシュ ドゥ カルティエ』は、クラシックでいてコンテンポラリーな二面性が魅力。特にネックレスは、しなやかな動きと相まって、力強さと柔らかさが共存する表情に惹かれます。ピンクゴールドのリュクスな輝きに、一筋のホワイトゴールドを効かせて凛とした印象に」（伊藤さん）。
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２．Pomellato（ポメラート）『イコニカ』のブレスレット
ゴールドの絶妙なボリューム感が美しい『イコニカ』。
「重ねづけで個性を出すなら断然、ブレスレット。人生の相棒に迎えたアイコンジュエリーは、ライフシーンを通していかに楽しむかが醍醐味なので、つけ方に自分らしい工夫を増やしていきたいもの。ジャケットの袖口にブレスレットをたっぷりと重ねたスタイリングは、以前に見かけたミウッチャ・プラダの装いが着想源。ニットのアームの上からヴィンテージのバングルをつけていたのですが、とても洒落ていて印象的でした」（伊藤さん）。
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３．Boucheron（ブシュロン）『キャトル』のリング
「ジュエリーの入門書として2019年に出版した私の著作の表紙も、『キャトル』のリングをたくさん重ねづけにした写真にしましたが、変わらず新鮮です。多色のゴールドと豊富なテクスチャーは、どんなふうに組み合わせても洗練されて見えるので、自分流を自由に模索してみて」（伊藤さん）
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４．Piaget（ピアジェ）『ポセション』のリング
ポリッシュタイプ、「パレス装飾」の繊細な線が彫り込まれたタイプ、ダイヤモンドパヴェが煌めくタイプなど幅広いバリエーションを誇る『ポセション』。
「質感を変えたり、ダイヤモンドのソリテールデザインをアクセント的に加えたりと、リングのこなれたスタッキングを楽しみたい」（伊藤さん）。
自らの手で運命を動かすという意味が込められた、指でくるくると回せる仕掛けも、人生を共にするアイコンジュエリーにふさわしい。
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５．Chaumet（ショーメ）『ビー ドゥ ショーメ』のブレスレット
知性と愛らしさを携えたハニカムモチーフ。正六角形が連なるグラフィカルなパターンに、鏡面仕上げのゴールドとダイヤモンドが光を反射して視線を引きつける。
「細めのブレスレット3本で構成するゴールドミックスの重ねづけでも十分に華やかですが、量感を変えて両手に着用することで、角度の違ったマチュアリティが表現できるかなと思ってつくったスタイリングです。きれいにまとまりすぎない、アンバランスの美に惹かれます」（伊藤さん）
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６．Damiani（ダミアーニ）『ベル エポック・リール』のブレスレット
アイコンコレクション『ベル エポック』から派生した、映画のフィルム「リール」に着想を得たシリーズ。ラウンド形とレクタングル形の意匠を交互に連ねたクリーンなラインが、コンテンポラリーなムードを授ける。
「ひと昔前と違ってゴールドミックスが当たり前となった今だからこそ、ワントーンで揃えた重ねづけがむしろ新鮮に。形状が異なるブレスレットもホワイトゴールドでまとめると統一感が出て、凛としたクールな輝きが強調されます」（伊藤さん）
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７．Mikimoto（ミキモト）『パッションノワール』のネックレス
ノーブルなブラックパールをエッジの効いたチェーンにあしらったネックレスは、黒の神秘性をたたえたジェンダーレスなモダンアイコン。
「テーラードジャケットや白シャツなど、いたってベーシックな服を少し着崩すことで、ジュエリーと呼応するようなアティテュードを表現してみました。きちんとしているものを、少しだけ崩す。そういった間（ま）に、まとう人の美学や美意識をひそませることができます」（伊藤さん）
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８．Tiffany & Co.（ティファニー）『ジャン・シュランバージェ』
ジャン・シュランバージェの美意識を継承するロープのシグネチャーが、現代的に進化。
「ファッション性の強い服に合わせても難なく受け止めてくれる懐の深さが頼りになります」（伊藤さん）
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９．Buccellati（ブチェラッティ）『トルサード』
「ただ者ではない雰囲気のイタリアマダムが好みそうな『トルサード』は、ルネサンス期の芸術品を思わせる精緻な金細工と螺旋のフォルムが美しい。ストリート感覚のファッションをマチュアに仕上げた装いとも好相性」。
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10．エルメス『シェーヌ・ダンクル・ダナエ』
錨の鎖をモチーフにした、アイコニックなパターンが刻まれた『シェーヌ・ダンクル・ダナエ』のイエローゴールドのリングを際立たせるよう、ポリッシュシルバーのモダンなジュエリーで取り囲んで。
「配置の妙まで考えられたジュエリー・スタイリングには、大人ならではのラグジュアリーな余裕が漂います。強い光沢のレザーパンツに合わせ、さらなるこなれ感を演出」（伊藤さん）
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11．Chanel（シャネル）『カメリア コレクション』×『ココ クラッシュ』
『カメリア コレクション』のピアスやイヤリングの間に、『ココ クラッシュ』のイヤーカフをリズミカルに挟み込んで。
「趣向を凝らしたつけ方で、フラワーモチーフが醸し出す甘さの一元的な表情に奥行きが加わって、ネクストレベルのスタイリングに昇華されます」（伊藤さん）
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12．Van Cleef & Arpels（ヴァン クリーフ＆アーペル）『フリヴォル』×『ペルレ』
『フリヴォル』と『ペルレ』、どちらも抜群の華やかさを誇るブレスレット同士を重ねた、思いきったレイヤードに漂うのは小気味のいい心意気。
「主役級のモチーフ・ジュエリーは一点主義と、着用スタイルを自ら限定してしまう人が実は少なくありません。特別感を強調せず、遊び心いっぱいに重ねづけをするポジティブな気軽さが、大人の小粋な日常使いへとつながります。つけ方をチャレンジングに楽しむなかで、ジュエリー使いは上達していくのです」（伊藤さん）
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13．Bvlgari（ブルガリ）『モネーテ』×『セルペンティ ヴァイパー』
古代コインを主役にしたジュエリー『モネーテ』。「ブルガリ」では宝石に匹敵する美しさを有する “ジェムコイン” のみが使われる。
「スタイリングに用いたのは、しっかりとした台座が特徴的な大きめのコインリング。一点だと華はありながらも、シグネットリング風の男性的な印象が強く出てしまいそうなので、『セルペンティ ヴァイパー』のピンクゴールドのリングをセットにしてセンシュアルなしなやかさをプラス」（伊藤さん）
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14．Dior（ディオール）『ローズ ディオール バガテル』×『ローズ デ ヴァン』
パリに実在するローズガーデンにちなんだ『ローズ ディオール バガテル』と、ムッシュディオールがこよなく愛したスターとローズをモチーフにした『ローズ デ ヴァン』のネックレスをプレイフルにレイヤード。
「重ねづけに正解はないので、ときには解放的なマインドで自由に組み合わせてみるのも一興。思いがけないマッチングが発見できるかもしれません」（伊藤さん）
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※文中の表記は、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールド、RG=ローズゴールド、PG=ピンクゴールド、SG=サクラゴールド、PT=プラチナ、DIA=ダイヤモンド、SIL=シルバー、SS=ステンレススティール、MOP=マザー・オブ・パールを表します。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- カルティエ カスタマー サービスセンター TEL：0120-1847-00
- ザ・ロウ・ジャパン TEL：03-4400-2656
- ポメラート クライアントサービス TEL：0120-926-035
- コロネット／ランバン TEL：03-5216-6518
- ブシュロン クライアントサービス TEL：0120-230-441
- エドストローム オフィス TEL：03-6427-5901
- ピアジェ コンタクトセンター TEL：0120-73-1874
- トーテム クライアントサービス
- ショーメ TEL：03-5635-7057
- ダミアーニ 銀座タワー TEL：03-5537-3336
- ミキモト カスタマーズ・サービスセンター TEL：0120-868254
- ティファニー・アンド･カンパニー・ジャパン・インク TEL：0120-488-712
- M TEL：03-6721-0406
- ブチェラッティ TEL：03-4572-4561
- イザ TEL：0120-135-015
- ケリング アイウエア ジャパン カスタマーサービス TEL：0800-600-5024
- エルメスジャポン TEL：03-3569-3300
- シャネル カスタマー ケア センター TEL：0120-525-519
- FUMIJEAN MAIL：info@fumijean.com
- ヴァン クリーフ＆アーペル ル デスクー TEL：0120-10-1906
- ブルガリ・ジャパン TEL：0120-030-142
- クリスチャン ディオール TEL：0120-02-1947
- PHOTO ：
- 岡本充男
- STYLIST ：
- 伊藤美佐季
- HAIR MAKE ：
- 西村浩一（VOW-VOW／ヘア）、SHINOBU ABE（関川事務所／メイク）
- NAIL ：
- 菊地花奈（uka）
- MODEL ：
- 大塚まゆか
- EDIT&WRITING ：
- 下村葉月、福本絵里香（Precious）
