「一先ず」ってなんと読む?「いちせんず」ではありません!
明日、7月19日は、令和7年の、夏の土用の、「一の丑」の日です。土用は、立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間の期間を言う言葉なので、年に4回ございます。なかでも夏の土用は、暑さの盛りをしのぐためのいろいろな風習があり、「丑の日に鰻を食して夏バテを防ぐ」という風習は、現代まで定着しておりますね。ちなみに今年の夏は土用の期間に二度、丑の日が入りますので、「一の丑」「二の丑」と、鰻をいただく口実(笑)が2回あるのです。ということで、本日は「一」「丑」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「一先ず」ってなんと読む?
「一先ず」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「今後のことは別にして、その時点で一応の一区切りをつけるさま。とりあえず」です。
<使用例>
「難しい話はさておき、一先ずホカホカの鰻丼をいただきましょうよ」

さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 一先ず(ひとま-ず) です。

「一先ず(ひとま-ず)」は、「いったん先んじて」というような構成の言葉ですね。正しく読めたでしょうか?
さて、2問目は「丑」という字の入ったクイズです。
【問題2】「丑紅」ってなんのこと?
「丑紅(うしべに)」とはどういうものでしょうか? 以下の選択肢の中から正しいものを選んでください。
1:興奮する出来事
2:丑の日に購入する口紅
3:精力のつく飲食物

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 2:丑の日に購入する口紅 です。

「丑紅(うしべに)」とは、「冬の土用丑の日に購入する紅」を言う言葉です。「紅(べに)=赤い色の化粧品」は古来、女性の唇や目元を彩るほか、神事の化粧にも使われてきましたが、これには薬用効果があり、「寒中に製造した紅は品質がよく、口中の荒れを防ぐ」と言われていました。ここから「丑紅(うしべに)…冬の土用に買う紅」という言葉や風習ができたのです。昔は、気温の低い冬には、化粧品の劣化速度も遅かったと思いますので、これが「品質がよい」と思われた原因ではないかと思います。
現代では、季節に合わせて安定した品質を保つ技術がございますので、あまり関係ないと思いますが、「土用に口紅を買う」というエッセンスだけ取り入れてみてもいいかもしれません。新しいコスメは気分をアップさせてくれますよね? その意味では、鰻以上の精神的効果をもたらすケースもあるのではないでしょうか?
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本日は、7月19日、令和7年の夏の土用「一の丑」の日にちなんで、「一」「丑」という字の入った日本語から、
・一先ず(ひとま-ず)
の読み方、
・丑紅(うしべに)
という昔の風習を言う言葉などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱