熟した果実や紅葉する葉…。情景が目に浮かぶような意匠をまとい、季節の彩りを着物姿に映して。

雑誌『Precious』11月号では【着物で見つける、小さな秋】と題し、大政 絢さんが、豊かな色彩や実りの季節の意匠を着物とともにまといました。

今回はその中から、シックな結城紬に金木犀を描いた帯の装いと、鹿や栗鼠の彫刻を施した帯留めを紅葉の帯に合わせたコーディネートをご紹介します。

こっくりとした色合いと共に、着物をまとう喜びを味わう豊かな秋の日に。

いきいきとした金木犀の華やぎをシックな結城紬が引き立てる

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本場結城紬の着物[仕立て上がり]¥598,000・塩瀬の九寸名古屋帯[仕立て上がり]¥398,000・帯締め¥55,000・帯揚げ¥8,800(銀座もとじ 和織・和染)、リング¥594,000(ブチェラッティ)、バッグ¥847,000(フェンディ ジャパン)

ふわりと風に揺れ、甘い香りを漂わせる金木犀が告げる、深まる秋の気配。友禅作家・湯本エリ子氏が手掛ける帯は、躍動感たっぷりに草花を描きながらも、色数を絞ることでシックな風情を漂わせる。高機(たかばた)で織り上げられた、温もり溢れる黄土色の結城紬を合わせて。

工芸の技が光る帯留めと紅葉の帯で、ゆかしき秋の趣を

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帯留め/上から「栗鼠と蔦」¥55,000・「秋鹿」¥66,000(加藤キナ)、染め帯¥250,000(はんなり浅草店)、三分紐「笹浪組」¥14,300(道明 上野本店)

徐々に色づく葉の下で戯れる牡鹿と栗鼠…。

工芸作家・加藤キナ氏による帯留めは、野生の鹿角に彫刻を施して、いきいきとした姿に仕上げたもの。牡鹿は百人一首の和歌を題材に、紅葉の彼方に昇る月を仰ぐ意匠に。栗鼠は帯紐を通すと、まるで野山を駆けるような愛らしい風情を漂わせる。帯に描かれた写実的な葉は、一枚ごとに色を変え、移ろいゆく季節の余情を物語る。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合がありますので、予めご了承ください。

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PHOTO :
生田昌士(hannah)
STYLIST :
青木貴子(WHiTEBOX)
HAIR MAKE :
ヘア/DAI MICHISHITA(Sun and Soil)、メイク/YUMI ENDO(eight peace)
MODEL :
大政 絢(Precious専属)
COOPERATION :
BACKGROUNDS FACTORY
EDIT&WRITING :
川口夏希、遠藤智子(Precious)
着付け :
石山美津江