大河ドラマ『西郷どん』の影響で注目度が高まっている鹿児島には、指宿(いぶすき)の砂蒸し風呂や、極上の黒豚料理、薩摩藩ゆかりの趣ある庭園など、プレミアムな体験ができるスポットが点在しています。初夏の心地よい時季に旅するのにぴったりな、大人の女性が絶対に楽しめる「鹿児島のおすすめスポット」を、JTB広報担当の山下美穂さんと鈴木晶子さんに教えていただきました。

■1:指宿名物・砂蒸し風呂とともに、薩摩を感じる贅沢な体験を。老舗旅館「白水館」(指宿市)

白水館(指宿市)の外観
白水館(指宿市)の外観

指宿市の由緒正しい老舗旅館「白水館」では、旅館らしいお食事やホッとする空間といったおもてなしに加えて、特別な思い出に残るサービスが提供されています。

伝説の銘酒「森伊蔵」を薩摩切子風の食器で楽しむ

食事会場では、伝説の銘酒と謳われた鹿児島の焼酎「森伊蔵」を、薩摩切子風の食器で嗜めるプランが楽しめます。

写真は料理イメージ(仕入れ状況により準備できない場合もあります)
写真は料理イメージ(仕入れ状況により準備できない場合もあります)

薩摩の歩みを感じられる「伝承コレクション」を、間近で眺める

また、旅館内には、薩摩藩関連のコレクションを展示・保管する「薩摩伝承館」も併設。館内は、西郷隆盛ゆかりの品などを展示する「維新の間」と、薩摩焼の銘品を展示する「民窯の間 薩摩焼と薩摩画壇」に分かれており、その所蔵数は驚異の約3,000点に及ぶそう。

薩摩伝承館の外観(薩摩伝承館ホームページ内フォトギャラリーより)
薩摩伝承館の外観(薩摩伝承館ホームページ内フォトギャラリーより)

「薩摩金襴手が施された陶器や薩摩切子など、煌びやかな品々をはじめ、薩摩の歩みを感じられるコレクションを間近で眺めることができます」(JTB・山下さん)。

指宿温泉の代名詞・砂蒸し風呂を体験

指宿温泉の代名詞・砂蒸し風呂も体験できます。砂蒸し風呂には、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸がたっぷり含まれているため、美肌効果が期待できるのだとか。鹿児島観光を思いっきり楽しんだ後は、砂蒸し風呂でゆっくりとリラックスしてはいかがでしょうか?

砂蒸し風呂には、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸が含まれているため、美肌効果が期待できます
砂蒸し風呂には、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸が含まれているため、美肌効果が期待できます
白水館の正面玄関
白水館の正面玄関

問い合わせ先

(画像提供)白水館、薩摩伝承館

■2:日本有数の究極のプライベートリゾート「天空の森」(霧島市)

空から見た「天空の森」(霧島市)
空から見た「天空の森」(霧島市)

厳しい基準をクリアした、選び抜かれたホテルやレストランだけが加盟できる協会組織「ルレ・エ・シャトー(※)」に加盟している、日本有数のプライベートリゾート「天空の森」。東京ドーム13個分にも及ぶ広大な「天空の森」の敷地には、宿泊用ヴィラが3つ、日帰り用ヴィラが2つしかありません。

すべてのヴィラにベッドルームとリビングルーム、天然温泉かけ流しの露天風呂が付いており、露天風呂からは霧島の絶景を臨むことも。

※フランス発祥の「ルレ・エ・シャトー」は、その土地の風土に根ざした美しいライフスタイルや魅力を届けることを目的とした、ホテルとレストランの協会組織。世界62か国、約560のホテルとレストランが加盟。

(1)宿泊用ヴィラ「ヴィラ天空」

「ヴィラ天空」外観
「ヴィラ天空」外観
「ヴィラ天空」内観
「ヴィラ天空」内観

(2)宿泊用ヴィラ「茜さす丘」

「茜さす丘」外観
「茜さす丘」外観
「茜さす丘」内観
「茜さす丘」内観

(3)宿泊用ヴィラ「霧雨の森」

「霧雨の森」外観
「霧雨の森」外観
「霧雨の森」内観
「霧雨の森」内観

(4)日帰り用ヴィラ「花散る里」

「花散る里」外観
「花散る里」外観
「花散る里」内観
「花散る里」内観

(5)日帰り用ヴィラ「つばめの巣」

「つばめの巣」外観
「つばめの巣」外観
「つばめの巣」内観
「つばめの巣」内観

自然に囲まれた木組みのヴィラは、プライベート感のある滞在にぴったり

「全室離れの丘に建っているため、ほかのお客様に会うこともありません。自然に囲まれた木組みのヴィラは、プライベート感のある滞在にぴったりです」(山下さん)。

大自然の中でいただく、薩摩地鶏や自家菜園野菜を使った天空メニュー

「お食事は、自家菜園で収穫した野菜や、放し飼いで育てている薩摩地鶏をふんだんに使用した、天空メニューを楽しめます。大自然の中でいただくお料理は格別ですよ」(山下さん)。

ピクニックランチ(※季節によってメニューが異なる)
ピクニックランチ(※季節によってメニューが異なる)

問い合わせ先

(画像提供)天空の森

■3:大河ドラマ『西郷どん』でも話題! 薩摩藩主・島津家ゆかりの別邸「仙巌園」(鹿児島市)

「仙巌園」(鹿児島市)
「仙巌園」(鹿児島市)

薩摩藩第2代藩主・島津光久によって1658年に築かれた島津家の別邸、仙巌園(せんがんえん)。敷地面積は50,000㎡に及ぶといいます。銀座最大の商業施設・GINZA SIXの商業エリアの敷地面積は約47,000㎡ということですから、この別邸すべてを回るためには、GINZA SIXの全フロアを制覇しなくてはならない…と考えると、いかに広大な敷地かおわかりいただけるのではないかと思います。

大河ドラマ『西郷どん』で渡辺 謙さん演じる幕末の藩主・島津斉彬は、この仙巌園の広大な敷地の一部にいち早くヨーロッパのガラスや製鉄を行う工場を設け、軍備増強と殖産興業を計ったことでも知られています。そのため、この優美な館とお庭の一部には、当時の反射炉跡も残されています。

オススメの散策は「殿様エリア」を含んだコース

仙巌園はその広大さゆえに、大事なポイントを見逃さないよう、観光客向けにオススメの散策コースがホームページなどで提案されています。今回、鈴木さんがおすすめしてくれたのは、当時の殿様の生活をうかがい知ることのできる「殿様エリア」を含んだコース。

殿様エリアには、明治時代に29代藩主の島津忠義が本邸として使用していたという「御殿」があり、日常生活に用いられた部屋や、執務室、接客室などが公開されています。

明治時代に29代島津忠義が本邸として使用していたという御殿
明治時代に29代島津忠義が本邸として使用していたという御殿

薩摩切子工場内を見学することも可能

また、仙巌園の隣接地には薩摩切子の工場があり、工場内を見学することも可能。薩摩が誇るカットガラスの伝統工芸品が、職人の手によってひとつひとつていねいにつくられる様子を鑑賞することができます。

薩摩切子が職人の手によってつくられる様子が見学できる
薩摩切子が職人の手によってつくられる様子が見学できる

「仙巌園は大河ドラマのほか、映画などさまざまな映像作品のロケでも使用されるほど、情緒あふれるスポットですよ」(鈴木さん)。

広大な敷地にある仙巌園
広大な敷地にある仙巌園

問い合わせ先

(画像提供)仙巌園

■4:夕暮れの絶景を臨みながら、優雅なティータイムを。肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」のアフタヌーンティー(出水市)

肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」(出水市)
肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」(出水市)

鹿児島県と熊本県を結ぶ肥薩おれんじ鉄道では、風光明媚な九州西海岸の風景と、絶品グルメが楽しめる観光列車「おれんじ食堂」を運行。モーニング、ランチ、スウィーツ、ディナーの全4便が運行され、時間帯ごとに異なるお料理が提供されます。

「おれんじ食堂」車内
「おれんじ食堂」車内

オススメは、観光列車おれんじ食堂3便「スウィーツ」でのアフタヌーンティー

薩摩川内市のケーキショップ『ル・プレジール』のスイーツ
薩摩川内市のケーキショップ『ル・プレジール』のスイーツ

鈴木さんのオススメは、鹿児島県の川内駅を出発して同県出水駅まで運行される、観光列車おれんじ食堂3便「スウィーツ」でのアフタヌーンティー。極上スイーツをコーヒーや紅茶とともに味わいながら、夕暮れの美しい景色を車窓から眺められるコースです。

車窓から眺められる夕暮れの美しい景色
車窓から眺められる夕暮れの美しい景色

「アフタヌーンティーのコースでは、薩摩川内(せんだい)市のケーキショップ『ル・プレジール』による“甘酸っぱいフルーツをちりばめた宝石箱”をイメージしたスイーツが提供されます。沿線各地で収穫された旬のフルーツがふんだんに使われているんですよ。昨今の観光列車人気もあり、おすすめのプランです」(鈴木さん)。

問い合わせ先

(画像提供)肥薩おれんじ鉄道

■5:鹿児島伝統の味を愉しむ。天文館 吾愛人(わかな)本店(鹿児島市)

天文館 吾愛人(わかな)本店(鹿児島市)
天文館 吾愛人(わかな)本店(鹿児島市)

鹿児島で、戦前より営業を行っている、歴史ある鹿児島料理の店「天文館 吾愛人」。揚げたての薩摩揚げや、新鮮な地鶏を生姜醤油でいただく地鶏の刺身、錦江湾で獲れたきびなごの刺身など、食の宝庫・鹿児島の伝統的なメニューが提供されます。

創業以来変わらぬ伝統の味「みそおでん」を始め、郷土料理を中心としたこだわりの一品メニューが人気 
創業以来変わらぬ伝統の味「みそおでん」を始め、郷土料理を中心としたこだわりの一品メニューが人気 

西郷隆盛や大久保利通などの偉人達も愛した、薩摩の伝統料理

黒豚のあばら肉を、黒砂糖と焼酎で煮込んだ郷土料理「とんこつ」
黒豚のあばら肉を、黒砂糖と焼酎で煮込んだ郷土料理「とんこつ」

なかでもぜひ味わっていただきたいのが、黒豚のあばら肉を、黒砂糖と焼酎で煮込んだ郷土料理「とんこつ」や、厳選されたロース・バラ肉のみを使用した、特撰極上六白黒豚のしゃぶ鍋をはじめとする、黒豚のメニュー。厳しい基準をクリアした、上質な肉質を持つ「かごしま黒豚」を用いており、とろけるように柔らかな舌触りと、濃厚でジューシーな黒豚の旨味が、口いっぱいに広がります。

厳選されたロース・バラ肉のみを使用した、特撰極上六白黒豚のしゃぶ鍋
厳選されたロース・バラ肉のみを使用した、特撰極上六白黒豚のしゃぶ鍋

「西郷隆盛や大久保利通などの偉人達も愛した、薩摩の伝統料理を味わえます。天文館 吾愛人は、多くの芸能人や著名人、スポーツ選手がリピーターとしてやってくる、格式のある鹿児島伝統料理店なんですよ」(鈴木さん)。

問い合わせ先

(画像提供)天文館 吾愛人 本店

以上、大人の女性にオススメしたい、鹿児島のプレミアムスポットでした。梅雨の前のカラッとして暑すぎない心地よいシーズンに、是非この九州の南端の地で、ほっこり羽を伸ばしていただければと思います。

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この記事の執筆者
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