【la Galerie du 19M Tokyo】フランスのエスプリと日本の美学の幸福な出合い!「シャネル」唯一無二のクラフツマンシップを讃えて

「シャネル」ではフランス芸術の素晴らしい手仕事を結集。途絶えかけた伝統的な職人技を継承し、未来へとつなぐため「メティエダール(=芸術的な手仕事)」と称して、工房を傘下に入れて支援してきました。

2021年には、ファッション界全体の「メティエダール」の中核を担う場所として、11のメゾンダールと約700人もの職人と専門家が集う複合施設『le19M(ル ディズヌフエム)』をパリに設立。

そしてこの秋、『le19M』はパリから東京に旅立ち、手仕事の「伝承」を求めて、日本の伝統的な技術をもつ職人たちと出合います!

サヴォアフェールを進化させるアトリエの複合施設『le19M』とは?

パリに誕生したメティエダールの聖地『le19M』。「シャネル」がフランスの伝統的な匠の技の進化のために設けた夢の施設はモードの理想郷!

「le19M」の外観
(C)le19M-Gael Turpo

11のメゾンダールが集結した複合施設。展覧会やワークショップが開催される『la Galerie du 19M』と併設のカフェは一般客も利用できる。2, place Skanderbeg 75019 Paris https://www.le19m.com

解放的な空間から生まれる幸福な手仕事の未来へ

パリのモードを支えてきた芸術的なまでの職人技「メティエダール」を継承し、発展させて、未来へとつなぐために、「シャネル」が設立した『le 19M(ル ディズヌフエム)』。それは11のメゾンダールと約700人の職人と専門家が集結した、サヴォアフェールの聖域であり、真のラグジュアリーの拠点です。

名前に込められた「19」は、建物が位置するパリ19区のことであり、またなによりガブリエル シャネルの誕生日という象徴的な数字。そして「M」はモード、メティエダール、マン(=手)といった、ファッションにまつわる職人への思いを語る頭文字。一見して「シャネル」とわからないように、コードをひそませたのは、『le 19M』が、職人たちに捧げられたものであり、「シャネル」のためだけでなく、世界中のファッションを牽引し、発展させていくという意義があるからなのです。

建物の設計は、素材と構造への革新的なアプローチで知られる注目の建築家、リュディ リチオッティ。緑豊かな25,500平方メートルもの広大な庭をU字形に囲み、織物の経糸を思わせる白いセメントの外骨格に覆われたデザインは、モダンで圧倒的な存在感を放ちます。

光に満ちた快適な空間に居を構えるのは、刺繍、ツイード、プリーツ、帽子、靴、金細工といった高度な専門技術を誇る11のメゾンダール。それぞれの専門性に沿った環境が与えられ、設備も最先端に刷新。かたや100年以上前の希少なミシンの特性を生かしながら、伝統的な手仕事とデジタル技術が調和するといった、未来を見据えたアトリエは、世の職人たちの理想形です。

なにより、職人にとってうれしいのが、分野と世代を超えた自由な交流と技術のクロスオーバー。外に開かれた空間であること、異なる感性がぶつかり合い、刺激を受け合うことが、次なる創造へ、コラボレーションの意欲をかき立てます。

ATELIER MONTEX

ATELIER MONTEXによる刺繍の様子
(C)CHANEL

幾重にも重なるカラフルな花びらに散りばめられたスパンコールの煌めき。「シャネル」のコレクションをさらに特別な存在に昇華させる羨望の刺繍を手掛けるのが、1949年創業の刺繍工房「アトリエ モンテックス」。

ニードルワークの技術や、リュネビル刺繍のクロシェのフック、1世紀以上も前から伝わるコーネリーミシンなどを駆使して、職人の手仕事で仕上げられている。

ATELIER MONTEXによる刺繍
(C)CHANEL

「アトリエ モンテックス」の刺繍の上品な煌めきに誰もが抗えない。

LESAGE

LESAGEの手仕事工具
(C)CHANEL

1924年創業の「ルサージュ」は、壮麗なパターンのデザインをもとに端正な刺繍を生み出すことができる唯一無二の工房。1998年以降は「シャネル」にとって重要な素材、ツイードを再解釈して、傑出した作品を生み出してきた。

熟練の刺繍職人が若い世代へとサヴォアフェールを継承するための学校も備えている。上写真はため息が漏れるほど美しく刺繍が施された黒いスパンコールの道具箱。

ルサージュのツイード
(C)Anne Combaz

糸に華やかな素材を織り交ぜる「ルサージュ」のツイードは、近年ますますフレッシュな素材使いへと進化。

GOOSSENS

GOOSSENSの金細工
(C)CHANEL

1950年創業の金細工のアトリエ「ゴッサンス」。1954年にガブリエル シャネルのためにビザンチン様式のアクセサリーを制作して以来、アパルトマンの家具を任されるにいたるまで、金細工の技を極めて。

LEMARIÉ

LEMARIÉが制作したカメリアモチーフ
(C)Alix Marnat

羽根やカメリアなど「シャネル」のアイコニックなモチーフに欠かせない装飾を手掛ける「ルマリエ」は1880年創業の老舗。

この秋、東京で「le19M」と日本の職人技が出逢う!to TOKYO

永樂善五郎さんの作品に刺繍を施すところ
永樂善五郎さんが焼いた松の木を描いた茶陶には、穴が開けられ、上絵付で金彩を施したものに、パリの「アトリエ モンテックス」が刺繍を施す。(C)le19M-Charllotte Robin

そしてこの秋、舞台は東京へ。「le 19M」の職人と、日本の伝統的技術を誇る職人や若手アーティストの感性と技術が融合して、思いがけないクリエイションが繰り広げられます。

「le 19M」の工房による作業の様子
(C)le19M-Charllotte Robin
「le 19M」の工房の様子
(C)le19M-Charllotte Robin

 

EDIT&WRITING :
藤田由美、喜多容子(Precious)