日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる東北の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、宮城県・鳴子温泉郷中山平温泉にある「琢ひで」です。

公式サイト
独特の浴感が新鮮!「うなぎ湯」に包まれる至福のひととき
宮城県・鳴子温泉郷の最奥に位置する中山平温泉。約300年の歴史を誇る湯治場で、強いとろみを感じられる美肌の湯が、温泉通の間でも高く評価されています。その名湯の恩恵を多彩な浴槽で享受できるのが今回ご紹介する「うなぎ湯の宿 琢ひで」。3本の自家源泉を所有し、男女合わせて8つの浴槽のすべてが源泉かけ流しという恵まれた環境が、肌と心のスペシャルケアを求める人に好適です。
「こちらの宿の魅力は、屋号にも冠された『うなぎ湯』。pH9前後のアルカリ性に強く傾いた湯で、浴槽に浸かると“にゅるにゅるとろとろ”とした美容液のような浴感の湯が肌をなめらかに整えてくれます。この独特のとろみがある感覚は、温泉のアルカリ性の成分がたんぱく質である肌の皮脂を溶かす乳化作用によるものです。
泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉・硫酸塩泉。三大美人の湯泉質の要素を兼ね備えて、乳化作用に加え美白・保湿効果なども期待できるというマルチコスメのような湯です。それぞれ広さや趣きの異なる湯殿を巡るうちに、つるつるしっとり美肌に近づけるのを実感できました」(植竹さん)
個性溢れる8つの浴槽で湯巡り気分を堪能する
宿の中心にある「長生の湯」は、男女別の内湯と混浴露天風呂がセットになった浴場。露天風呂は8つの浴槽のなかで最も広く、秋は紅葉、冬は雪景色など四季折々の風情に囲まれながらの湯浴みが至福です。女性側内湯からの出入口は、男性側からは見えにくい造りで、夜19時から21時が女性専用時間に設定されているなど、女性が安心して入浴できる仕組みも整っています。
男女入れ替え制の露天風呂「鶴の湯」「亀の湯」は、本館から少し歩いた離れのエリアに設けられた静謐な湯殿。木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、「うなぎ湯」と向き合い心身共にリラックスできます。「鶴の湯」には東屋風の屋根があり、雨天や降雪時にも湯浴みが可能です。
内湯「石橋(しゃっきょう)の湯」「芍薬の湯」も男女入れ替え制。一枚岩をくりぬいた力強い湯船と、とろりと優しい湯のコントラストが絶妙です。「芍薬の湯」は内湯から一歩出た場所におひとりさまサイズの露天つぼ湯もあり、山間の景色とうなぎ湯をひとり占めする贅沢な時間を過ごすことができます。
館内を巡って自分好みの湯を探したり、気分に合わせて入浴の場所を変えたり、自由気ままに湯旅をデザインできるのも、「琢ひで」の醍醐味だといえるでしょう。
銘酒と美食のマリアージュ!旬の会席料理をプライベート空間で嗜む
お食事は、地元・宮城の旬を生かした会席料理。夕食・朝食共に個室で提供されるため、周囲を気にすることなく大切な人と語らいながら、しっとりと落ち着いた時間を過ごせます。
季節ごとに趣向を変える献立のなかでも、2025年冬のコースで特に好評なのが宮城名物・牛タンの陶板焼き。じっくりと熟成を重ねた厚切りの牛タンは、コリッとした歯ざわりと驚くほどの柔らかさが共存し、噛みしめるごとに肉本来の旨みが広がる逸品です。ほかにも、山海の幸を繊細に調理した小鉢や煮物、揚げたて天ぷらなど心尽くしの一皿一皿がゲストを魅了します。
料理の魅力をさらに高めるのが、地酒のセレクションです。選び抜かれた銘酒と美食が、「うなぎ湯」で整った心と体に染みわたり旅情をよりいっそう盛り上げてくれます。
以上、中山平温泉「うなぎ湯の宿 琢ひで」をご紹介しました。館内で湯巡り気分を味わいながら、ここならではの「うなぎ湯」の恩恵に預かりたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- うなぎ湯の宿 琢ひで
- 住所/ 宮城県大崎市鳴子温泉星沼20-9
客室数/全14室
料金/「宮城名物牛たん」&「森林鶏ひっつみ鍋」ご会席プラン(朝夕2食付き) 2名1室1名 ¥16,500~(税込)、露天風呂付き特別室「松島」の場合¥37,400~(税込) - TEL:0229-87-2216
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















