「対い鶴」ってなんと読む?「たいいつる」ではないですよ!
明日、11月11日は『鏡の日』です。11と11は左右対称、かつ、裏返しても同じになる鏡文字であることにちなんで、鏡を扱う業界団体が制定した記念日です。身だしなみを整えるときや、体調を見るとき、空間を広く見せるとき…などなど、さまざまなシーンでお世話になっている鏡。記念日を機に、心を込めてお手入れするのも素敵ですね。
ということで、本日は「鏡」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。一問目は、対称に映る特性にちなんだクイズです。
【問題1】「対い鶴」ってなんと読む?
日本古来使われている図案の意匠「対い鶴」の正しい読み方をお答えください。
ヒント:画像のような意匠です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 対い鶴(むか-い-づる) です。
「対」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)に「対(む)かう」がございます。今回の「対い鶴」のように、日本古来の意匠には、対称に配置された同じ意匠に対し「対(むか)い○○」と呼ぶものが多いので、覚えておきましょう。
最近では「向かい○○」と書かれるケースも増えていますが、古来の和の意匠を指すので、繊細な日本語表現として「対い〇〇」の表記が用いられるケースも多いです。
さて、二問目は、鏡と言えば「映す」で、「映」の入ったクイズです。
【問題2】「出来映」ってどういう意味?
「出来映」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント: 「完成後の様子」「完成後の状態がよい・勝っていること」などの意味で使われる言葉です。
<使用例>
「たくさん写真を撮ったけれど、この一枚の出来映は、今まででいちばんよ」
さて、正解は?
※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 出来映(できばえ) です。
「できばえ」は、現在、多くのシーンで「出来栄え」という表記に統一されていますが、「出来映」も日本語としては正解です。
表記による意味の違いを細やかにひもといてみましょう。「栄(は)える」は、「立派に見える」こと全般を指す表記で、「映(は)える」は「視覚的に美しいこと」を意味する表記です。ですので、「出来映」は、写真や絵画、映像作品など「仕上がりが視覚的に美しく優れたもの」に使う表記、ということになります。一般的には「出来栄え」という表記で問題ありませんが、視覚的な美を扱うお仕事など、より繊細な表現が求められる場で「出来映」と使い分けられると美しいですね。
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本日は、11月11日『鏡の日』にちなんで、
・対い鶴(むか-い-づる)
・出来映(できばえ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/イラストACホームページ
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱

















