日本橋三越本店で開催「三越ワールドウォッチフェア」と「Precious」コラボレーション企画|ノミネートされた10本のタイムピースのなかから “今、最も心に響く一本” となる『三越WWF賞』を決定
日本橋三越本店で開催された「第28回 三越ワールドウォッチフェア」。「Precious」との共同企画として、今年も期間中に時計を購入した男女を対象に特別アンケートを実施しました。ノミネートされた10本のなかから、“今、最も心に響く一本” を選ぶこの賞は、来場者の審美眼が映す時計文化の指標といえるでしょう。
74名から寄せられた投票の男女比はおよそ6対4。30代・40代が中心で、女性ひとりでの来場も増加傾向に。トークショーなど体験型の催しを通じて、時計の世界に初めて触れる層も多く、会場は賑わいました。
最も多くの支持を得たのは、「ジャガー・ルクルト」の『レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド』でした。
【三越WWF賞】ジャガー・ルクルト『レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド』…構築の美、光の揺らぎ、そして品格|角形時計の名作が映す現代のエレガンス
PGの糸を16メートル以上も編み上げてつくられるミラネーゼブレスレットは、柔らかく手首になじむ。数百ものリンクを職人が一つひとつ手作業でろう付けし、なめらかな輝きとしなやかな動きを実現。アール・デコの造形美に、現代のクラフツマンシップが宿る。
ケースを反転すると、そこに映し出されるのは鏡面仕上げの裏蓋とブレスレットが一体化した優美な表情。研ぎ澄まされたPGの輝きが、気高いブレスレットのような存在感を放つ。反転の瞬間、フレームに刻まれた放射状のラインが光を受け、造形の美が際立つ。
アール・デコの美と現代の感性が共鳴!美意識を映す選択が示す、成熟した“時”の価値観選ばれる理由が、時代を語る
ピンクゴールドのミラネーゼブレスレットと、グレイン仕上げのダイヤルが織りなす光のニュアンスが印象的で、「クラシックで新鮮」「金無垢が上品」といった声が寄せられました。
反転式ケースを備えた端正なスクエアフォルムは、1931年に誕生した『レベルソ』の精神を継ぎながら、現代の感性に呼応します。アール・デコの構築美と優美な素材感を兼ね備えた造形が、多くの心を惹きつけたのです。
マチュアな女性に共鳴する、時のカタチ|百貨店がつなぐ「文化と時間」の交差点
文化と時間が交わる百貨店の舞台、三越ワールドウォッチフェア。その立役者となる日本橋三越本店 時計担当バイヤーの岩元智之さんに、28年の歩みと百貨店の使命についてお話しをうかがいました。
百貨店という場所は、文化と時間が交わる舞台です。流行の先を示すだけでなく、受け継がれた価値や技術、そこに宿る物語を伝える場でもある。なかでも、三越が手掛ける三越ワールドウォッチフェアは、時計を通して人と時、人と想いをつなぐ象徴的な存在。1998年に始まったフェアの原点には、「時計の歴史や文化を広く伝えたい」という想いがありました。百貨店という舞台で、名門ブランドの新作や職人の技、背後の哲学を紹介しながら、“時” を介して文化を育んできたのです。
創設28年を迎えた今年のテーマは「時をめぐり、想いを馳せる」。「ヴァシュロン・コンスタンタン」が創業270周年、「ブレゲ」が250周年を迎えるなど、多くのブランドの節目が重なる記念の年となりました。日本橋三越本店 時計担当バイヤーの岩元智之さんはこう語ります。
「お客様が離れがちな時代だからこそ、再び “時計の原点” に立ち返りました。時計を道具ではなく、思い出や物語を宿す存在として見てほしい― そんな願いを込めています」
フェアでは、ヴィンテージや認定中古の提案も大きな反響を呼びました。新品一辺倒では伝えきれない時計の価値を、百貨店の信頼という文脈で提示する挑戦でもあります。
「“よいものを次の世代につなぐ” という視点なら、お客様も納得してくださいます。その想いに共感し、百貨店で扱うからこそ安心して選べる、と多くの声をいただきました」
過去の名品に新しい意味を与え、文化の継承を試みる―そこに百貨店の矜持が見えます。時計を巡る価値観にも変化の兆しが。成熟した女性たちが、時計を自己表現の一部として楽しみ始めています。
「女性のお客様はまだ多くありませんが、見方が変わってきています。ブランド名より “どういう思想でつくられた時計なのか” という背景に惹かれる方が増えているのです」
定番モデルを軸に、機械式時計や独立時計師の作品への関心も拡大中。
「サイズや素材に性別はありません。42mm径のケースを女性が楽しんでもいい。Tシャツを選ぶような感覚で、自由に時計を選んで楽しんでほしい」と話します。
フェアの姿も “買う場” を経て “学び・つながる場” へと進化しています。
「お客様は買うだけでなく “知る・語る” ために来場されます。職人の実演やトークイベントで表情が変わる瞬間に立ち会えるのはうれしいです」
ブランドの垣根を越え、対話が生まれる。百貨店が中立の編集者として機能するからこそ生まれる体験。海外の大規模な時計フェアとの違いも明瞭です。
「ウォッチズ&ワンダーズは “発表の場”。三越ワールドウォッチフェアは “文化を橋渡しする場” です。スペックよりも歴史の物語や美意識に共感して選ぶお客様が多い。それは日本らしい成熟だと感じます」
第28回の開催を迎えた今、フェアは新しい扉をゆっくりと開く。
「世代やブランドを超えて、人の想いをつなぐことが百貨店の使命だと思っています。“また来たい” と思っていただける場であり続けたい」
そして、想いを込めて語ります。
「可能であれば、いつか自社の枠を超えて、ほかの百貨店とも連携しながら日本の時計文化全体を盛り上げていけたら。そんな目標もあります」
百貨店という空間は、時代と共に形を変えながらも、人と文化を結び続けてきました。その交差点に立つ三越は、過去と未来をつなぐ架け橋のような存在。成熟した感性が共鳴し、時が息づく場所― そこに宿るのは、変わらぬ理念と、日本の時計文化の未来を照らす希望なのです。
※掲載商品の価格は、税込みです。
※文中の表記は、PT=プラチナ、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、SS=ステンレススティール、DIA=ダイヤモンドを表します。
※掲載されている商品の価格は、2025年11月14日現在のものです。
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- 池田 敦(CASK)
- ILLUSTRATION :
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- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、安村 徹(Precious)

















