日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる北海道の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、旭岳温泉にある「湯元 湧駒荘(ゆこまんそう)」です。

公式サイト
浴槽は全17種類!泉質の異なる5本の自家源泉を“利き湯”する
標高約1,100メートル。北海道の屋根と称される大雪山国立公園の主峰・旭岳。その中腹に位置する「湯元 湧駒荘」は、原生林に囲まれたまさに秘境の趣を湛える一軒宿です。
一帯は、厳冬期ともなれば氷点下20度を下回ることもある静寂に包まれた銀世界。しかし、その凍てつく大地の底には、驚くほど力強く熱い生命の源が脈動しています。宿の敷地内には5本もの自家源泉があり、毎分300リットル以上の湯を湧出。館内のすべての浴槽で、一切の加水・加温を行わない「源泉100%かけ流し」が貫かれています。
「こちらの宿の魅力は、豊富な湯量を生かして、内湯・露天風呂と合わせて17の浴槽があること。しかも、浴槽のバリエーションがあるだけでなく、5本の自家源泉はそれぞれ泉質が異なることから、浴槽ごとに湯の微妙な違いも感じられます。まるで利き酒するかのように湯巡りをできるのが、温泉好きにはたまりません」(植竹さん)
「例えば、最も古くからある浴室『ユコマンの湯』の大きな浴槽はにごり湯で、泉質は、マグネシウム・カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉。その傍らには無色透明の「目薬の湯」という浴槽もあり、こちらはマグネシウム-硫酸塩泉と、同じ敷地内から性質の異なる湯が湧いてくることに自然の神秘をしみじみと実感します」(植竹さん)
「湯温も浴槽ごとに異なりますが基本的には熱すぎず、40度前後湯に調整されていて、ゆっくり長湯できるのもうれしい点。ゴツゴツとした自然の岩を浴場内にそのまま取り入れた野趣溢れる雰囲気のなかで、体がほどけるような極上の湯浴みを体験することができました」(植竹さん)
「湯元 湧駒荘」では17種類の多彩な浴槽を「ユコマンの湯」「シコロの湯」「神々の湯」という3種の浴室に配置。「ユコマンの湯」に隣接する「シコロの湯」は、その名のとおり大雪山の貴重なシコロ(キハダ)の木が贅沢に使われていて、木のぬくもりに抱かれるような安らぎを肌で感じることができます。そして、「神々の湯」は10メートルの高さの吹き抜け天井がある開放感ある造りが魅力です。
さながら温泉テーマパークのような贅沢な環境で5本の自家源泉・17種の浴槽を湯巡りすれば、日頃のたまった疲労が浄化され、生命力が満ちてくるのを実感できることでしょう。
秘湯の地で見た目も美しい創作料理を味わう至福のひととき
温泉でエネルギーをチャージした後のもうひとつの楽しみが、大雪山の豊かな伏流水を用いたお料理です。腕を振るうのは、東京赤坂の料理屋で研鑽を積んだ経験をもつ館主兼料理長。洗練された技法と、この土地の恵みを熟知した感性が融合した「遊食膳」は、見た目にも美しく驚くほど滋味深いものばかりです。
料理の味を支えるのは、敷地内にコンコンと湧き出る「湧駒水(ゆこまんすい)」。雑味がなくまろやかなこの水は、素材の持ち味を最大限に引き出す名脇役です。名水で丁寧に引いた出汁の香りが際立つお椀や、ふっくらと艶やかに炊き上げられたご飯を一口運べば、身体の隅々にまで優しく染み渡っていくのがわかります。
温泉と料理の双方から大地の恵みを享受できるこちらの宿での滞在は、慌ただしい日常から離れ、自分自身を丁寧に慈しむ、何よりの「ご自愛」の時間となるはずです。
以上、旭岳温泉「湯元 湧駒荘」をご紹介しました。17の浴槽を湯巡りして肌にも心にも大地の恵みをチャージしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 湯元 湧駒荘
- 住所/ 北海道上川郡東川町勇駒別
客室数/全36室
料金/朝夕2食付き 2名1室 ¥40,000~(税込) - TEL:0166-97-2101
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















