【目次】

【「とんちの日・クイズの日」の由来と意義は?】

■日付の「由来」は?

「とんち」で有名な「一休さん」にちなみ、「いっ(1)きゅう(9)」(一休)と読む語呂合わせが由来です。

「とんち」を「クイズ」という意味にとらえ、1月9日は「クイズの日」とも呼ばれていますが、明確な制定団体は確認されておらず、語呂合わせから広まった俗称的な記念日と考えられています。

■「意義」は?

とんちやクイズの答えを考えるのは、脳のストレッチに有効です!


【「とんち」と「クイズ」。どう違う?】

■「とんち」とは

「とんち」を漢字で表すと「頓知/頓智」。機知や機転のことで、「場面や状況などに応じて即座に出る知恵」や「そのような知恵がある様子」を意味します。

「とんちの日」の由来になった一休さん(一休宗純/1394~1481年)は、室町時代中期の臨済宗の僧侶です。「屏風の虎退治」や「このはし渡るべからず」などが有名で、絵本や紙芝居の題材としてよく用いられますが、実はこれらは史実ではなく、後世の創作だとされています。説話『一休咄』は作者不詳で、世に出たのは一休の死後200年余りのちの元禄年間です。実在の一休が、常識を否定し、自由奔放な言動や奇行で知られる人物だったために、のちの伝説化、寓話化につながったのではないかといわれています。

■「クイズ」とは

[quiz(クイズ)]とは「出題者が質問をして、解答者に正解を答えさせる遊びや、その問題そのもの」を意味する言葉です。もともとは1791年に、ダブリン(アイルランド)の劇場支配人であったリチャード・デイリーが広めた造語とされています。本来は、教師が生徒に質問する口頭試問や簡単なテストを意味していましたが、現在では短時間で知識や機知を問うQ&A形式のゲーム全般を指しています。

とはいえ、言葉自体は新しいものの、いわゆる「謎解き」そのものは古代から存在していたと考えられており、少なくとも紀元前5世紀には、すでにシンプルなものが行われていたのではないかといわれています。例えば、ソフォクレスによって伝えられた「朝に四脚、昼に二脚、夜には三脚で歩く動物は何か?」というスフィンクスの謎解きは有名ですね!

■「とんち」と「クイズ」の違い

「とんち」が突発的な状況に対する「発想の転換やひらめきを見せるもの」であるのに対し、クイズは「知識や論理で『正解』を当てにいくもの」である点が大きな違いです。とんちには正解がないケースもあり、そのひらめきがおもしろかったり腑に落ちるものであれば「よし」とされます。


【日本のクイズ番組の歴史と名作まとめ】

■日本で初めてのクイズ番組はラジオから

1946年12月、NHKラジオで『話の泉』が始まりました。戦後まだ娯楽の少ない当時、日本で初めてのクイズ番組は、たちまち聴取者の人気を獲得しました。

『話の泉』(1946〜63年度 NHK)
『二十の扉』(1952年〜54年度 NHK)

これらが日本におけるクイズ番組の原点といわれています。

■テレビにもクイズ番組が登場(1950年代)

1953年にテレビ放送が始まると、ラジオからの流れを受けてクイズ番組がテレビにも進出します。そして、『私の仕事はなんでしょう』(1952〜54年度 NHK)は、日本のテレビにおける最初期のクイズ番組のひとつといわれています。

『ジェスチャー』(1954〜65年度 NHK)
『親子クイズ』(1954年度 NHK)
『私の秘密』(1955年〜66年度 NHK)

ヒント問題形式などが人気を集め、クイズはテレビ娯楽の主要ジャンルになっていきました。

■第一次テレビクイズブーム(1960年代)

テレビ普及率が上昇すると、視聴者参加型・参加者に賞品や旅行を与える形式の番組が人気に。

『アップダウンクイズ』(1963〜85年 毎日放送)
解答者が解答席でもある6台のゴンドラに乗り、早押しクイズに挑戦。10問正解(10段まで上り詰める)でハワイ旅行と賞金(初期は20万円、のちに10万円)が贈られました。

『クイズタイムショック』(1969〜86年ほか テレビ朝日)
1分間に12問、5秒ごとに次々と出題されるクイズに何問正解できるかを競う企画がメインの番組。スピーディな展開と緊張感ある形式が話題に。これを契機に、クイズの参加型・ライブ感・ハイスピード形式が定着しました。初代の司会は俳優の田宮二郎さん。

■人気の番組が定着(1970〜80年代)

『パネルクイズ アタック25』(1975年〜 朝日放送テレビ)
長寿番組の代表格。視聴者参加形式で毎週放送され、日本のクイズ番組文化を象徴する存在に。スタートから半世紀経った現在でも、BSや配信など、形を変えて放送が続いています。初代司会を務めた、児玉清さんの知的で上品な口調を懐かしく思い出される人も多いのではないでしょうか。

『なるほど!ザ・ワールド』(1981〜96年 フジテレビ)
日本で意外に知られていない世界の話題を現地取材によるレポートとクイズ形式で紹介し、「うーん!! なるほど!!」と驚かせるという趣旨の番組。この時期には、知識クイズだけでなく、映像情報を基にした工夫ある形式が人気を集めました。司会は俳優の愛川欽也さんと、当時フリーアナウンサーになったばかりの楠田枝里子さん。

『クイズダービー』(1976〜92年 TBS)

司会の大橋巨泉さんのもと、「複数の解答者のなかから正解する人を当てる」という独自の形式で支持を集めました。

レギュラー解答者として活躍した漫画家のはらたいらさん、学習院大学教授の篠沢秀夫さん、そして俳優の竹下景子さんらの思考や直感を読み取る楽しさは、知識量だけでなく、推理や機知を味わう「知的バラエティ」として、多くの視聴者を惹きつけました。

■クイズ番組も多様化の時代へ(1990〜2000年代)

『アメリカ横断ウルトラクイズ』(1977年〜98年 日本テレビ)
日本各地から集まった挑戦者たちが「知力、体力、時の運」を合言葉に、広大なアメリカ大陸を横断しながら1,000問以上に及ぶクイズに挑戦し、ゴールのニューヨークを目指しました。ロケ中心の大規模クイズ番組として、伝説的番組として語り継がれています。

『クイズ$ミリオネア』(2000〜13年 フジテレビ)
英国のITVで放送されているクイズ番組『フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア(Who Wants to Be a Millionaire?)』の日本語版。緊張感を煽(あお)るみのもんたさんの司会ぶりも話題に。このころには、知識系・バラエティ要素を混ぜた形式の番組も増え、世代を問わず楽しめるクイズ番組が多数放送されました。

■ バラエティ融合型に(2000年代〜現在)

21世紀に入ると、クイズ番組はさらに多様化し、従来の知識対決からバラエティ色・エンタメ性の強い番組も登場します。多人数参加・頭脳系ゲームショー、芸能人チーム対抗型クイズ、知識+体験・VTRを絡める形式など、多様化が進んでいます。

『ネプリーグ』(2003年〜 フジテレビ)

常識・語彙力・日本語力を軸にしたクイズ番組として、2000年代以降のクイズ番組を代表する存在です。

お笑いトリオ・ネプチューン(名倉潤さん、原田泰造さん、堀内健さん)がレギュラーメンバーとして出演し、そのときどきの話題の方々やスポーツ選手といった有名人、ドラマ出演者などの芸能人チームとの対抗戦形式で展開されています。

番組を象徴する「トロッコアドベンチャー」などのコーナーは、正解できなければその場で脱落する仕組みとなっており、知識不足が視覚的に“見える化”される点が大きな特徴。視聴者に強い緊張感と共感を生み出しました。

また、扱われるのは超難問ではなく、「知っていて当然と思われがちな言葉や常識」。そのため、視聴者は他人事ではなく自分自身の語彙力や一般常識を試されている感覚で番組を視聴できます。クイズを日常感覚の知的娯楽へと引き寄せ、“誰もが楽しめるクイズ番組”というジャンルを確立した存在といえるでしょう。

『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(2004年〜 テレビ朝日)

当初は体を張った企画中心のバラエティでしたが、のちにインテリ芸能人による知識対決形式へと進化。漢字、歴史、地理などをテーマにしたランキングクイズは、視聴者にも「一緒に考える楽しさ」を定着させました。

クイズを「一部の知識層のもの」から、誰もが参加できる知的娯楽へ広げた功績は大きく、後続番組のフォーマットにも影響を与えています。

『東大王』(2017〜24年 TBS)
東京大学在学生(学部・大学院)で組織された、「知力の壁」と呼ばれる東大王チームと芸能人チームが競い合う形式から始まったクイズ番組。司会はヒロミさんと山里亮太さん。奇をてらわないストレートな難問が多く、Webメディア・クイズノックを主宰する伊沢拓司さん、水上颯さん、鈴木光さん、鶴崎修功さん、伊藤七海さん(後期加入)など、トップクラスの知識をもつ出演者たちが繰り広げる真剣勝負は、クイズを「知の競技」として成立させた点でも高く評価されています。

■クイズ番組→現代の変化→YouTube|QuizKnockが牽引する新潮流

近年のクイズ文化を語るうえで欠かせない存在が、「QuizKnock(クイズノック)」です。クイズノックは、東大クイズ王として知られる伊沢拓司氏を中心に、2016年に東京大学の仲間たちと立ち上げられた知的エンタメ集団・メディアで、クイズを通じて「楽しいから始まる学び」を発信しています。

当初はWeb上のクイズ記事や読み物を発信するメディアでしたが、プロデューサー・ふくらP氏の提案で翌年にYouTubeチャンネルを開設し、視聴者参加型の知識系コンテンツへと活動の幅を広げました。その後、クイズノックはWebメディアと動画を軸に、書籍やクイズ大会、リアルイベント、企業とのタイアップまで多彩な展開を見せています。YouTubeチャンネルの登録者数は269万人超に達しており、若年層から大人まで幅広い支持を集めています。そして、クイズノックの活動は、単なる娯楽としてのクイズを超えて、思考力や教養を育む“知的な遊び”としてのクイズ文化の浸透に寄与している点でも注目されています。

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クイズ番組はお好きですか? クイズは、楽しみながら知識を吸収したり思考力を刺激することで、学びのハードルを下げてくれるツールです。考える過程や不正解を共有することで、一緒に観ている人とコミュニケーションできる気楽さもいいですね。脳の活性化にも効果が期待できそうです。「とんちの日・クイズの日」には、クイズ番組を観て「ゆる〜い知的時間」を過ごしませんか。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /クイズ番組プレイバック(https://www.bpcj.or.jp/wp-content/uploads/event/BLSelectionQUIZ.pdf?utm_source=chatgpt.com) /一英塾「歴代のクイズ番組を分類・知識量か推理・ひらめきか、それとも両方か」(https://katsutadai-study.net/quiz-history/?utm_source=chatgpt.com) :