藤本タツキの名作『ルックバック』を原作とした劇場アニメ『ルックバック』が展覧会に|これぞ世界に誇るべき日本の文化

小学4年生の藤野と、同級生で不登校の京本。マンガを描くふたりの少女の物語――。藤本タツキの名作『ルックバック』を原作とした劇場アニメ『ルックバック』が展覧会に。単なる原画展、アニメ展とは一線を画すアツい展示が、美術の本質を教えてくれます。

【今月のオススメ】劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高  線の感情

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(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会  (C)「劇場アニメ ルックバック展」実行委員会

藤本タツキが「アニメオタクなら知らない人がいないバケモノアニメーター」と書いた押山清高は、『劇場版アニメ ルックバック』で監督・脚本・キャラクターデザイン・作画監督・原画を務めた。

58分の上映時間ながら興行収入は国内外で累計44億円を超え、大きな話題を呼んだ作品が、どのようにつくられていったのかをひもとく展覧会。


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(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会  (C)「劇場アニメ ルックバック展」実行委員会

ここのところ、マンガやアニメ、ゲームをテーマにした展覧会がものすごく増えていることにお気付きでしょうか。’26年1月に都内で開催されているものだけでも『エヴァンゲリオン』『スキップとローファー』『たまごっち』、終わってしまいましたが『シティハンター』の原画展もありました。さすがは日本が世界に誇るエンタメ・クリエイティブ産業、経済の基幹になっていることを実感します。と同時に、最も注目すべきクリエイターは、こぞってこのジャンルに集まっている、と。

そこで「劇場アニメ ルックバック展」です。『ルックバック』といえば、映画も大ヒットした『チェンソーマン』の作者である藤本タツキが’21年に発表した読み切りマンガ。それを劇場アニメにしたのが’24年公開の『劇場アニメ ルックバック』でした。私は映画館で観て、号泣しました。原作のファンだったのでお話は知っていたし、絵も原作に忠実で、見たことがあるシーンばかり。それなのに尋常じゃないくらいに感情が揺さぶられたのです。それがどうしてだったのかずっとわからなかったのですが、監督であり、今回の展覧会に自ら主催として参加する押山清高のこの言葉に、ハッとしました。

「描くとは、思考の累積であり、身体そのものの表現です。その線には “描いた人” のすべてが宿ります」

人間が、手で描いたから。だから感情が乗り、スクリーンを通じて届いたのだと。古今東西の美術に共通する、めちゃめちゃ基本的な話だったのです。その“線”が生まれてゆく軌跡を、展覧会でじっくり見たいと思います。

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(C)藤本タツキ/集英社 (C)2024「ルックバック」製作委員会  (C)「劇場アニメ ルックバック展」実行委員会
Navigator:剣持亜弥
ライター・編集者
本連載のアートを担当。雑誌や書籍、Web媒体などでアート、本・マンガ、サブカル周りの仕事をする。自他共に認めるアニメファン。取材・文を担当した『ドラえもんと学ぶ日本美術超入門』(小学館)が発売中。

◇劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高  線の感情

麻布台ヒルズ ギャラリーにて2026年1月16日(金)〜3月29日(日)まで開催。

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EDIT :
剣持亜弥