日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。
極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは、長崎県雲仙市にある「旅亭 半水盧(はんずいりょ)」です。

公式サイト
宮大工の技が息づく静謐な空間で雲仙の名湯にひたる
長崎空港から車で約70分。雲仙天草国立公園の豊かな緑に包まれた「旅亭 半水盧」は、約5,000坪の広大な敷地にわずか14棟の離れを配したラグジュアリーな湯宿です。京都から呼び寄せた宮大工の手による数寄屋造りの客室は一棟一棟が異なる趣をもち、その贅を尽くした空間に一歩足を踏み入れた瞬間から、日常を忘れさせる静謐な時間がゆっくりと流れ始めます。
「こちらの温泉は、雲仙岳の火山活動によって生み出された酸性泉。酸性泉特有の殺菌効果が期待できるほか、美白効果があるとされる硫黄や天然の保湿サポート成分であるメタケイ酸などさまざまな美肌成分を含んだマルチコスメのような湯です。
そうした雲仙温泉のよき湯を広々とした大浴場『東の湯』で心行くまで堪能できるのは格別。『東の湯』は、内湯、露天風呂、サウナ、水風呂を備え、宿の美学が貫かれたような気品溢れる湯殿です」(植竹さん)
「内湯に足を踏み入れると、まず目を奪われるのが、大きく取られた窓から望む手入れの行き届いた庭園美。浴槽の縁や床、壁に至るまで、厳選された木材や石材が使われた浴室でゆったり湯浴みすると、心身が優しく解きほぐされるかのようです」(植竹さん)
「一方、露天風呂は雲仙の自然をより間近に感じることができる空間。四季折々の表情を見せる木々を眺めながら、野趣溢れる岩造りの湯船に身を沈め白濁の湯に包まれると、何にも代えがたいリフレッシュ感が得られます」(植竹さん)
なお、全14棟のうち2室の特別室は専用の温泉(内湯・露天風呂)やサウナ、水風呂を完備。誰にも邪魔されないプライベートな空間で、好きなときに好きなだけ、刻々と移ろう庭の景色を眺めながら美肌の湯を満喫するひとときは、まさに大人のための休息といえるでしょう。
冬は「てっさ」が至高!贅を尽くした季節の懐石料理を五感で味わう
温泉と共に、この宿を語るうえで欠かせないのが、洗練を極めたお料理。「旅亭 半水盧」で供されるのは、長崎の豊かな山海の幸を惜しみなく使い、京の技法で繊細に仕立てた懐石料理です。一皿ごとに季節の情景を映し出した献立は、器の選定から盛り付けの細部に至るまで、凛とした美意識が貫かれています。
例えば冬の時期なら、「ふぐ」を主役にしたコースが食通の間でも好評。なかでも、熟練の包丁さばきで大皿に美しく引かれた「てっさ」は、ふぐ本来の濃厚な旨みと心地よい弾力をしっかりと感じられる逸品です。
また、春の訪れと共に登場する「桜鯛の塩釜焼き」は、塩釜の中で蒸し焼きにすることでうまみが凝縮され、身がしっとり柔らか。食べる直前に木槌で塩釜を割るライブ感も相まって、旅の気分をいっそう華やかに盛り上げてくれます。
以上、「旅亭 半水盧」をご紹介しました。数寄屋造りの離れでのプライベートな滞在と雲仙の名湯、そして土地の恵みを生かした美食でエネルギーをチャージしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 旅亭 半水盧
- 住所/ 長崎県雲仙市小浜町雲仙380
客室数/全14室
料金/朝夕2食付き 2名1室 ¥158,400~(税込)、特別室 ¥323,400~(税込) ※ 別途一泊につき入湯税150円 - TEL:0957-73-2111
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















