日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる北海道の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、奥ニセコにある「月美の宿 紅葉音(あかはね)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

肌の違いを実感!源泉かけ流しの硫黄泉を心行くまで堪能する

北海道・ニセコのリゾートエリアの喧騒から離れた、標高約600mの山間に位置する「ニセコ湯本温泉」。明治時代から続く歴史をもち、今もなお手付かずの自然に囲まれた名湯で、界隈に足を踏み入れれば、力強い硫黄の香りが漂うのを感じられます。

そのシンボルは、周囲約200mにわたって煮えたぎる「大湯沼」。地表からボコボコと灰色の泥が噴き出し、立ち込める真っ白な湯煙は、まさに地球が生きていることを実感させるダイナミックな光景です。

ニセコ大湯沼
ニセコ大湯沼。

この大湯沼から湧き出る源泉を直接引き込み、浴槽に贅沢にかけ流しているのが、今回ご紹介する「月美の宿 紅葉音」です。

建物外観
ニセコ大湯沼の間近に佇む全12室の隠れ宿。
ロビーラウンジ
ロビーラウンジ。館内は木の温もりを感じられる和モダンな雰囲気。

「こちらの湯の特徴は、鉱泥が溶け込んだグレーのにごり湯であること。鉱泥は硫黄成分や鉱物由来のミネラル成分、天然の保湿サポート成分であるメタケイ酸などが凝縮されており、これらが溶け込んだ湯は、肌を美白へと導いてくれる効果が期待できます。

加温・加水を一切しない源泉かけ流しの浴槽に浸かると、濃厚な湯が肌を包み込み、大湯沼から湧き出したエネルギーをダイレクトに全身で享受できたかのような充足感にも満たされました」(植竹さん)

木造りの大浴場は、時代を遡ったようなレトロ感漂う空間。湯船を縁取る柔らかな木肌が、白濁した湯の美しさをよりいっそう美しく引き立てています。引き戸を開けた瞬間に立ち込める湯煙と硫黄の香りも湯旅の情緒抜群です。

大浴場内湯
大浴場内湯。
露天風呂
露天風呂。

内湯から外へと続く露天風呂は、冷涼な風が頬をなでる開放的な空間で、目隠しの木枠の隙間から眺めるニセコの雄大な景色も眼福。夏は生命力溢れる緑に囲まれ、冬は静まり返る銀世界の中で湯浴みすれば、五感が研ぎ澄まされるかのようで、日常で蓄積した緊張が優しく解きほぐされていくことでしょう。

冬の露天風呂
冬の露天風呂。
客室の露天風呂
客室の露天風呂も源泉かけ流し。

ニセコ近郊の滋味と近海の鮮魚が織りなす会席を個室で味わう

極上の湯を堪能したあとは、もうひとつの楽しみである夕食の時間。 食事処はプライベート感が保たれた個室で、周囲を気にすることなく、自分のペースでゆっくりと北の味覚に向き合えます。

個室ダイニング
個室ダイニング。

テーブルに並ぶのは、ニセコ近郊の滋味豊かな野菜と、積丹や岩内といった近海から届く新鮮な魚介類を主役にした会席料理。豪華な食材をただ並べるだけでなく、素材の持ち味を最大限に引き出した丁寧な仕立てに、温泉で温まった体がより心地よく満たされていくのを感じられます。

夕食一例
夕食一例。
朝食一例
朝食一例。

以上、「月美の宿 紅葉音」をご紹介しました。奥ニセコの豊かな自然の中で濃厚なグレーのにごり湯をじっくり堪能したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 月美の宿 紅葉音
  • 住所/ 北海道磯谷郡蘭越町湯里680-13
    客室数/全12室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥17,330~(税込)
  • TEL:0136-59-2881

関連記事

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)