【目次】
- 「クロスカントリーの日」っていつ?なぜ2月24日?
- そもそも「クロスカントリー」とは?
- 「クロスカントリー=クロスカントリースキー」で正解?
- クロスカントリースキーの基本:どんな競技?
- 「走るクロスカントリー(陸上)」との違い
- 初心者向け|いきなり楽しくなる「観戦ポイント」
【「クロスカントリーの日」っていつ?なぜ2月24日?】
■「いつ」?
「クロスカントリーの日」は、毎年2月24日です。
■日付の「由来」は?
この記念日は、1977(昭和52)年の2月24日に、統一ルールによるクロスカントリー大会がイギリスで開催されたことに由来して制定されました。それまでは地域や国ごとにバラバラだったルールが、この大会によって国際的に統一される大きな一歩となりました。
【そもそも「クロスカントリー」とは?】
「クロスカントリー[cross-country]」という言葉は、直訳すると「国(Country)を横切る(Cross)」という意味になります。ここから転じて「田園・森林などを横断するように設定されたコースで行う長距離競走」という意味で使われるようになりました。舗装された道路や決められたトラック(競技場)ではなく、自然の地形をそのまま利用したコースを走る競技の総称です。天候やぬかるみ(=ぬかるんだ路地)、起伏など、予測不能な環境に対応する力が求められます。
【「クロスカントリー=クロスカントリースキー」で正解?】
日本語で“クロスカントリー”と言うと、文脈によって“クロスカントリースキー”を指すことが多いですね。でも「クロスカントリー」は、「オフロードコースなどで行われる自転車のレース」や「馬術競技の種目の一種」を指す場合もあるんです。
【クロスカントリースキーの基本:どんな競技?】
■「ノルディック」競技の一種です
「クロスカントリースキー」は、スキー競技のうちノルディック(Nordic)スキーに分類されます。ノルディックスキーは、主に 「クロスカントリー」「スキージャンプ」「ノルディックコンバインド(複合)」 の3種目で構成され、これらを総称して「ノルディック競技」と呼びます。
そもそもスキー文化は、丘陵地の多いスカンジナビア(北欧)地域で生活の移動手段として発達しました。冬の移動や狩猟、薪運びなどの実用の道具だったスキーが、19世紀後半ごろから競技・レジャーとしても広まり、北欧で発展した流れをくむことから「ノルディック(北欧の)」と呼ばれるようになりました。
■「クロスカントリースキー」ってどんな競技?
「クロスカントリースキー」は、専用のスキー板とストックを使い、雪の積もった野山や丘陵地のコースを滑走して順位やタイムを競う競技です。その過酷さと運動量の多さから「雪上のマラソン」とも称されます。
クロスカントリーは大きく 「ディスタンス種目」「スプリント種目」「リレー種目」 の3つに分類されます。また走法には、左右の板を平行に保って進む「クラシカル走法」と、走法の制限がない「フリー走法」の2種類があります。そして、※「アイススケートのように左右に蹴って進むスケーティング走法」は、クラシカル走法では禁止ですが、フリー走法では主に用いられます。
脚力だけでなく、ストックを突く腕の力、そして体幹をフルに使うため、非常に高い持久力が求められる競技です。
■「クラシカル走法」と「フリー走法」の違いは?
・クラシカル走法
左右のスキー板を平行に保って進む走法で、コースにはクラシカル用のトラック(溝)が設けられるのが一般的です。競技中に「ハの字」になって蹴るようなスケーティング走法を行うことは禁じられており、違反するとペナルティや失格の対象となります。種目によっては、個人タイムトライアル形式(一定間隔でスタートし所要タイムで順位決定)や、一斉スタート形式があります。
・フリー走法
走法の制限がなく、状況に応じて最も速い動き方を選べる走法です。平地や上りではスケーティング走法が多用され、種目によってはゴール順(着順)で勝敗が決まります。
■「クレボステップ」に世界が驚愕!
今回のミラノ・コルティナ五輪「クロスカントリースキー」では、男子スプリントクラシカルで優勝した、ヨハンネス・ヘスフロト・クレボ(ノルウェー)が大きな話題となりました。上り坂を「普通に走っている」ような激走が、SNSで「クレボステップ」としてトレンド入り。ファンからは「ひとりだけ違うスポーツ」「スキー履いてると思えない」などの声が上がっていました。
【「走るクロスカントリー(陸上)」との違い】
陸上競技における「クロスカントリー(以下、陸上クロカン)は、冬場の長距離ランナーのトレーニングとしても非常に重要視されている種目です。
■走る「路面」が違う
スキー :圧雪された雪原や林道を走り、専用の「コース」がつくられます。
陸上:草地、土、砂、森林、時には小さな川やぬかるみなど、未舗装の自然地形をそのまま走ります。ロード(アスファルト)やトラック(競技場)は走りません。試合によっては、よりシビアな水たまりや泥池が間に入るルートが用意される場合もあります。
■五輪から消えた?「陸上クロスカントリー」
実は近代オリンピックでは、ごく初期に3度だけ「陸上クロスカントリー」が実施されています。1912年のストックホルム五輪、1920年のアントワープ五輪、1924年のパリ五輪です。ところが、パリ五輪を最後に、陸上クロスカントリーは「廃止」となっているのです。最大の理由は「夏場のオリンピックで行うのにはふさわしくない」というもの。確かに、夏の太陽のもと、起伏や水たまりのある自然のなかを駆け抜けるのは、かなり厳しい条件だと言わざるを得ません、実際、1924年のパリ五輪では暑さのあまり、参加した38人のうち完走できたのは15人だけでした。
もちろん、現在でも世界中に多くの愛好家がいる競技ですから、世界陸上連盟は陸上クロスカントリーのオリンピック復帰を目指しています。いずれは、陸上クロスカントリーオリンピックで復活する日がくるかもしれません。
【初心者向け|いきなり楽しくなる「観戦ポイント」】
見慣れない人にとっては、雪原を選手たちが黙々と進んでいくだけのようにも見えるクロスカントリースキーですが、実は見どころさえわかれば、手に汗握るエキサイティングなスポーツです。
■見どころポイント1:「上り坂」でのギアチェンジ
最も過酷な上り坂では、選手が「走法」を瞬時に切り替えます。
■見どころポイント2:「集団(パック)」内での駆け引き
長距離種目では、集団が1列になって進むことがよくあります。これは、前の選手のすぐ後ろを走ることで、空気抵抗を減らして体力を温存しているから。そのため、誰が先頭で風を受けるか、いつ誰がスパートをかけて集団を崩すか、という心理戦はロードレースさながらです。
■見どころポイント3:命運を分ける「ワックスマン」の存在
ワックスマンとは、選手が履くスキー板の滑走面に塗るワックス(滑走・グリップ)を選定して塗る専門家(職人)のこと。競技当日の気温や湿度、雪質を観察・吟味したうえで、ベストなワックスを選定します。雪の温度や湿度とワックスの調整がぴったりとハマれば、滑りは明らかに違ってきます。そして競技中、これがよくわかるのが下り坂。選手はスキー板に乗っているだけの状態のため、他との差が表れやすいのです。競って並走していれば、ワックスの調整が合っている選手がすーっと前に出ていくはずです。レース観戦の注目点のひとつですね!
■見どころポイント4:下り坂では「時速80km」にも!
選手たちは下り坂ではほぼ「直滑降」です。上りで耐えた後の下り坂では、スキー板一本の細さからは想像できないほどのスピードが出ます。クロスカントリーのスキーは細く、ビンディングが踵(かかと)を固定していない(前方のつま先のみ固定)ため、下り坂での操作には高い技術と勇気を要します。急カーブを華麗に、あるいはギリギリのバランスで曲がっていく技術はスリル満点です。
***
オリンピックが行われているミラノ・コルティナと、日本の時差は8時間。連日の熱戦に「寝不足」な人も多いのでは? 今回は「クロスカントリーの日」にちなんで、「ノルディックスキー」の一種である、「クロスカントリー」について解説しました。
ちなみに、「ノルディックスキー」ともうひとつ、スキー競技として知られているのが「アルペンスキー」ですね。「アルペン[Alpine]」は「アルプス山脈の」という意味です。北欧で発展したスキーがヨーロッパに広まり、急斜面の続くアルプス山脈の地形を安全に降りるための滑降技術「アルペンスキー」が生まれました。
では、「ノルディックスキー」と「アルペンスキー」、このふたつの競技の違いは何でしょう。最も大きな違いは、「かかとが浮く(=ノルディック)」か、「かかとが固定されている(=アルペン)」か、です。「ノルディック」は雪原を走る持久力や空を飛ぶ飛躍技術を競うのに対して、「アルペン」は急斜面を滑り降りる技術とスピードを競います。スーパー大回転や大回転、回転など、迫力満点。こちらも見逃せませんね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『デジタル大辞泉』(小学館) /TEAM JAPAN(https://joc.or.jp) /IOC(https://www.olympics.com/ja/news/野山や草原地なとを走る陸上クロスカントリ-1924年のハリ五輪ての棄権者続出か消滅要因に-消えた五輪競技) :

















