【目次】
- 千切り大根とは?生大根との違い
- 「切り干し大根」の栄養と効用
- 基本:切り干し大根の戻し方|時間・水の量・洗う回数
- 捨てないで!切り干し大根の戻し汁の活用アイデア
- 作り置きの保存方法:乾物のまま/戻したあと
- 切り干し大根にまつわる「素朴な疑問」
【「千切り大根」とは?】
■そもそも「千切り大根」って? 「切り干し大根」とどう違う?
「千切り大根」は、文字通りに受け取れば、千切りにした大根のことですね。とはいえ、一般的には、「大根を千切りにする」「千切りにした大根」とは言いますが、その状態のことを「千切り大根」とは言わない…と思う人も多いのではないでしょうか。実は、「千切り大根」は、「切り干し大根」のことなのです。
「切り干し大根」とは、生の大根を細く切り、太陽の光で天日干し(または機械乾燥)して水分を飛ばした保存食ですね。主に青首大根を千切りにし、冬の冷たい風と日光で天日干しした「切り干し大根」は、そのままあえても、煮てもおいしい、素朴な味わいの乾燥野菜です。これを、関西以西の一部の地域では「千切り大根」と呼びます。ですから、広く浸透しているのは「切り干し大根」ですが、「千切り大根」と呼んでも間違いではありません。
■「生大根」との違いは?
生の大根と比べて、乾燥させることで以下のような変化が起こります。
・効能・栄養価:詳細は後述しますが、生大根と比べて栄養価は数十倍に!
・旨味と甘みの凝縮:水分が抜けることで、大根特有の甘みと旨みが強く感じられるようになります。
・食感:生のシャキシャキ感とは異なる、コリコリ、ポリポリとした独特の歯ごたえが生まれます。
・保存性:生の大根は数週間ですが、乾物である千切り大根は常温で数ヶ月の保存が可能です。
■「千切り大根(切り干し大根)の日」はいつ?「誰が」制定した?
「千切り大根(切り干し大根)の日」は2月17日です。広島県福山市に総本部をおく乾燥野菜食品メーカー「こだま食品株式会社」が制定しました。この記念日は日本記念日協会により、2010年に認定・登録されています。「切り干し大根をたくさん食べてほしい」という願いが込められています。
■「日付」の由来は?
日付は、切り干し大根の生産が2月に最盛期を迎えることと、「千」の字を「二」と「1」に見立て、「切」の字の「七」とを合わせて、2月17日としました。なぞなぞのようですね!
【「切り干し大根」の栄養と効用】
大根は乾燥させることで水分が抜け、同じ重量あたりの栄養成分が“濃縮”されます。そのため、切り干し大根は、生大根に比べてカルシウムや鉄、食物繊維などを効率よく摂りやすい食材です。
■食物繊維が豊富
切り干し大根には不溶性食物繊維が多く、腸の動きを促して便通を整えるのに役立つとされます。乾燥によって成分が濃縮されるため、生の大根より食物繊維を摂りやすいのもポイントです。
乾燥した切り干し大根は、食品成分表では100gあたり280kcalです。ただし、実際に料理で使う量は1回20〜30g程度が多く、そのカロリーはおよそ56〜84kcalが目安になります。
つまり、食べる量さえ適量であれば、「切り干し大根は太りやすい食材」と決めつける必要はありません。
■カルシウム
骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウムを含みます。乾燥によって同じ重量あたりの含有量は高くなりやすく、不足しがちな栄養素の補助にも向きます。
■カリウムと鉄分
カリウムは体内の余分な塩分を排出するはたらきがあるとされ、むくみ対策の観点でも知られています。鉄分も含まれるため、日々の食事の中で無理なく取り入れやすい食材です。
【基本:切り干し大根の戻し方|時間・水の量・洗う回数】
■簡単!切り干し大根の戻し方
1)切り干し大根をボールに入れ、軽くもむようにして汚れや臭いを洗い流します
2)1~2回ほど水を替えながら、繰り返します
3)ボールにたっぷりの水(切り干し大根の分量の3倍程度)の水をはり、約15~20分、切り干し大根を浸けて戻します
4)よく絞って、食べやすい大きさに切って使います
■戻すときのポイントは?
・切り干し大根を水で戻すと、約4倍の量になります。最初は「少ないかな?」と思うかもしれませんが、慣れるまでは25g〜30gくらいから試してみるといいですね。
・戻している間、大根が水をどんどん吸い上げるため、水が少なすぎると戻りにムラが出てしまいます。たっぷりの水(切り干し大根の分量の3倍程度)で戻してくださいね。
・20分以上水に浸けたままにしておくと、大根の旨味や栄養分(ビタミンB群など)が水に溶け出してしまい、風味も損なわれるため、気を付けましょう。
【捨てないで!切り干し大根の戻し汁の活用アイデア】
「切り干し大根」の戻し汁は、水溶性のビタミンB群やカリウム、そして凝縮された「天然の出汁」が含まれています。ぜひ捨てずに活用しましょう。
■煮物のベースとして
切り干し大根の煮物をつくるときなど、水の代わりに戻し汁を使うのがおすすめです。大根本来の風味が強まり、砂糖やみりんなどの調味料を控えめにしても、奥行きのある甘みが生まれます。
■スープに
切り干し大根の戻し汁は、お味噌汁やコンソメスープ、また、中華スープなどのベースとして使えます。独特の滋味深い味わいが加わって、野菜の旨味が引き立つスープになりますよ。きのこや挽肉、ベーコンなどを加えるのが定番ですが、特に根菜類との相性が抜群です。
■炊き込みご飯の水加減として
炊き込みご飯を炊く際、水の半分程度を戻し汁に置き換えると、炊き上がりの香りが豊かになり、ほのかな甘みも感じられます。
■カレーやシチューの隠し味として
洋風料理に使うと、和風の出汁とはまた違う、野菜由来のコクを加えることができます。意外な組み合わせかもしれませんが、「深みが増す」と評判の活用法です。
【作り置きの保存方法:乾物のまま/戻したあと】
■乾物した状態(商品)のまま、保存する場合
未開封でも開封後でも、保存は「低温・低湿度・遮光」が原則です。常温保存も可能ですが、夏場や長期保存(1ヶ月以上)の場合は、冷蔵庫がおすすめ。また、「切り干し大根」は時間が経つと「メイラード反応」と呼ばれる現象で茶色くなり、匂いも強くなります。この変色と風味の劣化は、冷蔵庫に入れることで抑えられます。開封後はチャック付きの密閉袋などに入れ、空気を抜いて保存しましょう。
■「戻したあと」に保存するには?
1度水で戻した切り干し大根は、水気をしっかり絞り、密閉容器に入れて冷蔵庫へ。2〜3日を目安に使い切ります。または、水気を絞ったあと、小分けにして密閉袋などに入れ、冷凍庫へ。約2週間〜1か月の保存が可能です。煮物に使うときには凍ったままでOK、和え物に使うときには自然解凍がベターです。
■「調理後(作り置き)」の保存目安
煮物などにした切り干し大根は、清潔な容器に入れて冷蔵庫保存すれば4〜5日が目安とされています。調理済みのものも冷凍が可能。小分けカップに入れて凍らせておくと毎日のお弁当などに便利ですね。
【切り干し大根にまつわる「素朴な疑問」】
■戻さずに煮てもいい?
OKです。切り干し大根は戻さなくても、火にかけているうちにふっくらと仕上がります。ただし、仕上がりに違いが出ることも…。戻さず煮ると、大根特有の「古漬けのような匂い」が残りやすく、食感も少し硬めに仕上がることがあります。とはいえ、ちょっとくらいの差であれば、時短になるほうを選んでしまいますよね。何より、栄養素も無駄なくとれますし!
■切り干し大根は洗って使う?洗わない?
基本的には「洗う」ことをおすすめします。天日干しの工程で細かい砂やホコリが付着している可能性があるためです。また、サッと洗うことで乾燥中の酸化による独特の戻し臭が軽減され、よりおいしく食べられます。
■匂いが気になるときの対処法は?
匂いの対策としては「熱湯」や「お米の研ぎ汁」が有効です。匂いが強い場合は、水ではなく40℃程度のぬるま湯で戻すか、お米の研ぎ汁を使うと、匂いが吸着されてやわらぐようです。また、戻したあとに「梅酢」や「レモン汁」を少量加えるのも、匂い消しに効果的です。
■切り干し大根は加熱しなくても食べられる?
食べられます! 水で戻したら手で絞って水を切り、そのままサラダの具と和えるだけ。キュウリやツナ、カニカマやちくわ、ハムなどとも相性抜群です。王道の煮物はもちろん、炒め物や汁物、パスタに炊き込みにサラダ…となれば、活用法はたくさんありますね。
■茶色くなったら食べられない?
前述した通り、時間が経った切り干し大根は「メイラード反応」と呼ばれる、糖とアミノ酸が反応して褐色になる化学反応で、茶色くなってしまうことがあります。しかし、賞味期限内のものであれば問題なく食べることができます。むしろ、大根の甘みは増しているはず。色が気になる場合は、煮物などの料理に活用するといいでしょう。
***
切り干し大根は、生の大根とはまた違ったおいしさを味わえる食材です。乾燥させることで栄養価が高まっているため、常備して楽しみたいですね。そして、手っ取り早く味わいたいなら、サラダがおすすめ。歯ごたえのある食感が楽しめるうえに、低カロリー。食物繊維も豊富なため、ダイエットにも向いていますよ。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /児玉食品(https://www.kodama-foods.co.jp) /かわさき屋(https://www.kawasakiya-aya.com) /宮崎県産農畜産物「せんぎり大根」(https://www.kei.mz-ja.or.jp/mhyakka/1443/) /KAGOME「VEGEDAY」(https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/202002/10526/) :

















