いろいろなニュアンスをもつ言葉「伽」を大解剖!
明日・3月22日は、『ごんぎつね』『手袋を買いに』などの作品で知られる児童文学作家・新美南吉さんの忌日「貝殻忌」です。国語の教科書や絵本などで、新美作品に親しんだ方も多いと思います。本年・令和8年で没後83年ということで、本当に長い間愛され続ける、珠玉の物語をつむいでくれた方ですね。忌日の通称となった「貝殻忌」の「貝殻」は彼の詩の作品名です。
ということで、本日はまず、「童話」の類語から日本語クイズを出題します。
【問題1】「御伽話」ってなんと読む?
「御伽話」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人の退屈をなぐさめるため語り合う話」「子どもに語って聞かせるための昔話や童話のたぐい」「現実離れした空想的な話」などの意味で使われる言葉です。
<ヒント>
「子どものころ、いちばん好きだった御伽話は『手袋を買いに』よ」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 御伽話(おとぎばなし) です。
「御伽話」という言葉の構成は、接頭辞の「御」+「伽(とぎ)」、これらを受ける「話」が複合した形です。趣旨となるのは「伽(とぎ)」という要素ですので、こちらをひもといてみましょう。2問目にまいります。
【問題2】「伽」ってどういう意味?
「伽」という日本語の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:退屈を慰めるための話し相手をすること
2:病人の看病をすること
3:寝所での相手をすること
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 1、2、3すべて です。
「伽」という字は「人」と「加える」を合わせた構成になっていますね。「人を加える」ことで「退屈を慰める」「看病をする」などの意味を表現した字です。「退屈を慰める≒話し相手になる」という意味から、その時にする話を「御伽話」と呼び、なかでも特に、子守りの際に「子どもに語って聞かせる」というイメージが際立ち、「御伽話」という言葉に「童話」「空想的な話」という意味も含むようになりました。
また、「伽」という言葉そのものに関しては、「慰める」という意味の一端が際立って、今回のクイズの選択肢3にあった「寝所での相手をすること」また「それをする人」をも表すようになりました。「寝所での相手」には、大人同士の「寝物語」、ひいては「性的な行為の相手」という意味も含まれます。この要素に関しては特に「夜伽(よとぎ)」という言葉で「性的なニュアンスを含む、寝物語。また、それをする人」を表すケースもございます。
「子どもの話相手をする」「病人の看病をする」「大人同士の、性的なニュアンスを含む相手をする」…3通り、一見方向性が異なるようですが、「退屈を慰める」という意味で「伽」という共通の言葉が、これらを包括するのです。
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本日は、3月22日、童話作家・新見南吉の忌日『貝殻忌』の話題から、
・御伽話(おとぎばなし)
の読み方と、
・伽(とぎ)…退屈をなぐさめるための話相手になる/看病する/寝所でも相手をする
という言葉の意味、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/愛知県半田市ホームページ/半田市観光ガイドホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱

















