初心者でも楽しめる「銀座とアート」の歩き方を「東京画廊」オーナー・山本豊津(ほづ)さんがナビゲート!

世界各地でアート分野が盛り上がりを見せている昨今。そこでアート界のキーマンに、銀座と文化の密なる関係から現代美術の嗜み方まで、詳しく教えてもらいました。

教えてくださったのは…山本豊津さん
(やまもと ほづ)武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。衆議院議員秘書を経たのち、東京画廊に参画。世界のアートフェアへ参加するほか、アートフェア東京や全銀座会の催事委員を務め、都市計画のコンサルティングも行う。著書に『教養としてのお金とアート』(田中靖浩との共著、KADOKAWA)ほか。

「アートと経済は密接に関係している。銀座にはその歴史と文化が根付いています」山本豊津さん

「東京画廊」オーナー・山本豊津(ほづ)さん
山本豊津さん

古美術に近代絵画、現代工芸まで、銀座には専門性をもった画廊が多く立ち並んでいます。なかでも、日本で初めて現代アートを扱ったことで知られているのが「東京画廊」。その2代目としてオーナーを務めているのが山本豊津(ほづ)さんです。

「父が泰明小学校そばにあった古美術を扱う『平山堂』に丁稚(でっち)奉公に入ったのが14歳のとき。その後、日本が敗戦から復興するなか、次の時代を担う人々、例えば京橋『アーティゾン美術館』の創設者・石橋正二郎氏などが出てきて、近代洋画が注目を集めるように。そこで父も近代作品への造詣を深め、『東京画廊』として独立を果たしたのです」

初代はその後、抽象画の魅力に開眼。「これからは前衛の時代になる」と現代アートに的を絞っていきます。そのDNAを受け継いだ山本さんは、弟の田畑幸人氏と東アジアを中心とした現代作家の作品を、ここ銀座から世界へと発信しているのです。

「東京画廊」オーナー・山本豊津(ほづ)さん
山本豊津さん

「銀座は日本で最初に近代化が進んだエリアです。なぜなら国内初の鉄道が横浜―新橋間だから。舶来品が銀座周辺に運ばれ、経済が回り、文化が育まれていったのです。例えば銀座7丁目にある『資生堂』は、その時代に調剤薬局から化粧品会社へ舵を切り、広告宣伝のために国内企業初のデザイン室をつくりました。銀座4丁目のランドマーク『三越』も同時期にデザイン室を立ち上げています。私自身、『ミキモト』など老舗のショーウィンドーを学生にデザインしてもらうなど、街全体でアーティストを育てるべく尽力してきました。というのも世界を見ると、若い芸術家を育てた街が次の時代を牽引しているから。銀座にも育成の土壌をつくりたいと思ったのです。経済と芸術は密接につながっている。そういうコンテクストで社会を見る目を養うことが、これからの時代には大切になっていくことでしょう」

そんな今、アート業界を賑わせているのは山本さんが扱う現代美術。資産としても注目されるなか、これからアートに触れたい私たちはどうアプローチすればよいのでしょう。

「おすすめは、国内外のギャラリーが一堂に会して展示販売を行うアートフェアに足を運ぶことです。とにかく多様な作品が並んでいますから、必ず自分の好きなものが見つかるはず。それを購入して自宅に飾れば、人間と暮らすのと同じで徐々に影響を受け、好みが変わっていくでしょう。次また選びに行ったとき、その変化に気が付き“新たな自分”を発見できたら、それこそがアートの醍醐味。質の高いものを選び、その美しさを堪能するのはファッションやジュエリーと同じ。銀座には、一流メゾンによるギャラリーから小さな老舗画廊まで本質をとらえたアートスポットが点在しています。ぜひ文化の審美眼を磨きに来てください」

東京画廊+BTAP

1950年創業、日本最初の現代美術画廊。’02年には北京の大山子地区にBTAP(ビータップ)をオープン。’06年に屋号を「東京画廊+BTAP」と改め、東京と北京を拠点に幅広いアーティストを国内外に発信。「東京画廊」では4月11日まで韓国の作家・徐承元の個展を開催。

 

  • 住所/東京都中央区銀座8-10-5 第4秀和ビル7F
  • TEL:03-3571-1808
  • 営業時間/12:00〜18:00
  • 休日/日・月曜・祝日

山本豊津さんリコメンド!銀座の名ギャラリー

1.日動画廊本店

創業1928年、日本で最も歴史のある画廊として知られ、「東京画廊」とも縁が深い。パリ「日動画廊」による公募展「プリ・ニチドウ」にて賞を受賞したフランス人女流作家「ニコル・ボッテ展」を開催(3月17日で終了)。

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日動画廊本店
  • 住所/東京都中央区銀座5-3-16
  • TEL:03-3571-2553
  • 営業時間/10:30〜18:30(土曜は11:00~18:00)
  • 休日/日曜・祝日

2.ギャラリー広田美術

1969年に創業。近現代の作家による平面絵画を中心に紹介。~4月18日まで、会期を前後期に分けて「阿部ふみ展 点々縞々(てんてんしましま)」と題した個展を開催。40号の大作を中心に全40点ほどを発表する。

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ギャラリー広田美術
  • 住所/東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1F
  • TEL:03-3571-1288
  • 営業時間/11:00~19:00(土曜は~18:00)
  • 休日/日・月曜・祝日、4月7日(展示替えのため)

3.銀座 黒田陶苑

1935年に北大路魯山人作品専売店として創業したのち、現在は広く日本の陶芸作品や古陶磁を取り扱う。「鈴木伸治展」(3月12日で終了)、「安食ひろ展」(3月19日で終了)、「近代陶芸秀作展」(4月2日で終了)を開催。

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銀座 黒田陶苑
  • 住所/東京都中央区銀座7-8-17 虎屋銀座ビル5F
  • TEL:03-3571-3223
  • 営業時間/11:00~18:30
  • 休日/月曜​

4.KOGEI Art Gallery  銀座の金沢

伝統と技術が連綿と受け継がれてきた工芸都市・金沢の若き才能を紹介する工芸ギャラリー。加賀金工作家協会に所属する若手金工作家の作品を紹介する「加賀金工作家協会50周年記念展」を開催(3月26日で終了)。

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KOGEI Art Gallery  銀座の金沢
  • 住所/東京都中央区銀座5-1-8 銀座MSビル1・2F
  • TEL:03-6228-7733
  • 営業時間/11:00~19:00
  • 休日/年末年始(12/29~1/3)

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PHOTO :
篠原宏明(人物) 
EDIT&WRITING :
本庄真穂、福本絵里香(Precious)
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