日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。
極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは鹿児島県・紫尾温泉にある「四季の杜 紫尾庵」です。

公式サイト
とろとろ浴感の「神の湯」が春の疲れを優しく労わる
鹿児島県の北西部。緑深い山あいにひっそりと佇む紫尾温泉は、古くから「神の湯」として地元の人々に大切に守られてきた知る人ぞ知る名湯。温泉街の中心にある紫尾神社の拝殿下から湧き出るという珍しい成り立ちをもち、神聖な空気をまとった静かな環境が広がっています。
そんな紫尾温泉にて、森閑とした竹林の中に溶け込むように建つのが「四季の杜 紫尾庵」。全8室に源泉かけ流しの露天風呂または内湯を備え、誰にも気兼ねすることなく「神の湯」を堪能できるのが魅力です。
「春は紫外線が急増し、肌荒れを起こしやすい季節。知らず知らずのうちにためこんだダメージをリセットするのにこちらの宿は好適です。泉質は、アルカリ性単純硫黄泉。とろみの感じられるpH9.4のアルカリ性の湯にさまざまな美肌成分がブレンドされていて、肌の角質を優しく落としながら潤う感覚も得られる湯です。また、硫黄泉はメラニンの分解を促進し美白へのアプローチが期待できます」(植竹さん)
「全客室に温泉が付いているので、いつでも好きなときに好きなだけ美肌の湯をひとり占めできるのが至福。さらに、客室のプライベートな空間で湯浴みできるだけでなく、すぐ裏手にある姉妹宿の大浴場も利用できるのが温泉好きにはたまりません。自然に囲まれたロケーションで名湯とじっくり向き合うことができ、湯上りにはしっとりすべすべ肌に近づけたのを実感できました」(植竹さん)
客室はテラス付きの離れ6室と、別邸の2階に位置する2室の全8室。どの部屋も外の自然を感じられるよう設計され、落ち着いた和の風情とモダンな快適さが融合した空間です。竹林のざわめきや鳥のさえずりしか聞こえない穏やかな世界で、温泉に出たり入ったり気ままに過ごす贅沢なひとときは、日常の喧騒で凝り固まった心身を解きほぐしてくれることでしょう。
地元の旬の食材を凝縮した会席で季節の滋味を享受する
極上の硫黄泉で心身を労わった後は、この土地ならではの滋味を個室でいただくディナータイム。鹿児島の風土が育んだ山海の幸を取り入れた会席料理は、一皿一皿が素材の持ち味を丁寧に引き出した逸品で舌だけでなく目でも楽しめます。
鹿児島といえば、柔らかな肉質とコクのあるうまみが特徴の黒豚。しゃぶしゃぶや蒸し料理など、その魅力を引き立てるように調理され、脂の甘みが口の中でほどけるようです。さらに、新鮮な魚介や季節ごとの野菜もふんだんに取り入れられ、素朴ながらも奥行きのある味わいが印象に残ります。
春には、地元さつま町の特産品であるタケノコを使った料理も登場。みずみずしく柔らかな食感と、ほのかな甘みをたたえた旬の味わいが、季節の訪れをさりげなく伝えてくれます。
朝食は和食または洋食から選ぶスタイル。目覚めたばかりの体に寄り添う内容で、一日の始まりを心地よく整えてくれます。静かな個室で味わう食事の時間が、滞在に心地よい余韻を添えてくれることでしょう。
以上、「四季の杜 紫尾庵」をご紹介しました。慌ただしい日常から距離を置き、静かに名湯と向き合って肌や心を労わりたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 四季の杜 紫尾庵
- 住所/ 鹿児島県薩摩郡さつま町紫尾1663
客室数/全8室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥25,300~(税込) - TEL:0996-31-9270
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















