【目次】
【「コンビーフの日」とは?いつ・何の日か】
■4月6日は「コンビーフの日」
1875(明治8)年4月6日に、アメリカの食品会社リビー社(Libby, McNeill & Libby)によって、コンビーフを詰める台形の缶(いわゆる枕缶)の特許が登録されました。これにちなみ、日本では4月6日は「コンビーフの日」と呼ばれるように。昨年、2025年が「コンビーフの日」150周年だったというわけです。
■なぜ台形?
コンビーフの缶詰は独特な形をしていますよね。丸でも四角でもない、角にアールが付いた台形です。
缶の空き口(面積が広いほう)から肉を充填する際、狭くなっている方に向かって圧力をかけることで、内部の空気を追い出すことができるのだとか。台形という特殊な形には、空気が入らない(隙間がない)よう保存することで酸化を防ぎ、保存性を高めるというメリットがあるのです。
また、口の広いほうを開けて振るだけで中身がスルッと出てくるのも、壁面に傾斜があるおかげなのだとか。
この台形の缶のことを、江戸時代に使われていた枕の形に似ていることから「枕缶」とも呼びます。開け方も独特。あの専用の器具は「巻き取り鍵」というのですが、現在では巻き取り鍵不用のプラスチック製「スマートカップ」や、手で簡単に開けられるアルミ蓋のタイプも増えています。
■特許の無効化がコンビーフを世界に!
実は、当時すでに似た形状の容器があったという「先行技術」が指摘されたため、取得から6年後に特許は無効化されます。リビー社がこの缶を独占できなかったことがコンビーフを広め、「台形の缶=コンビーフ」というイメージを定着させたのですね。
【コンビーフとは?特徴や魅力を知る】
■コンビーフとは?
『デジタル大辞泉』を引いてみると、【《「コーンビーフ」とも。cornは、塩漬けにして保存するという意》牛肉を、食塩と少量の硝石(発色剤/亜硝酸塩)などを加えて塩蔵したのち、蒸し煮してほぐし、調味料・香辛料などをまぜて圧縮したもの。缶詰にしたものが多い。】とあります。缶詰のコンビーフが意外と高価でびっくりした人もいると思いますが、こんなに手間がかかっているのです。
「コン(コーン)」が「塩漬けにして保存する」という意味だったとは! 英語表記だと[CORNED BEEF] となり、直訳すると「塩漬けの牛肉」に。
■特徴
コンビーフの特徴といえば、なんといっても独特のほぐし身でしょう。多くの製品は、蒸して柔らかくした牛肉を細かくほぐし、そこに牛脂や調味料を加えて固めます。容器から出しただけで包丁で容易に切れるほど固まっていますが、箸やフォークで簡単にほぐれます。口のなかでホロホロとほどけるような食感も、ほかでは味わえない特徴です。
■味わい
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コンビーフは塩蔵食品ですから塩気がありますが、牛肉の赤身の旨味と牛脂のコクとあいまって濃厚な味わい。日本産コンビーフ第一号の「ノザキのコンビーフ」(川商フーズ)では、しぐれ煮風の味付けをした「和風コンビーフ」や11種類のハーブがブレンドされた「熟成コンビーフ」、馬肉がブレンドされた「ニューコンミート」なども販売されています。
■魅力
長期保存ができる缶詰商品であり、すでに加熱処理されていてそのまま食べられることが最大の魅力でしょう。高たんぱくで腹持ちがいいという特徴もあるので、防災バッグにいくつか備えておくと安心です。
【コンビーフの栄養と取り入れ方】
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■栄養
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コンビーフは、高たんぱく質であるのはもちろんですが、牛脂が含まれているため脂質もしっかり含まれています。つまり、少量で高いエネルギー源を補給できる食品というわけです。さらに貧血予防に役立つ鉄分や、免疫力を維持するのに必要な亜鉛も。
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塩分は高めなので、調理の際はコンビーフの塩気だけで味付けするのがコツ。また、ビタミンCや食物繊維は含まれていないので、野菜と組み合わせて摂取すると栄養バランスがよくなります。味も栄養面でも、キャベツやブロッコリーとの相性は抜群です。
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■朝は卵と…
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オムレツの具材にしたり、スクランブルエッグや目玉焼きに添えたり。卵との相性は抜群です。
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■ランチにコンビーフサンド
サンドイッチの具材にいかが? ほぐしてもスライスしてもOKで、レタスやキュウリ、チーズともよく合います。
■夕食には丸ごとのキャベツと合わせて
春キャベツがおいしい季節には、コンビーフと組み合わせたシンプルな一皿がおすすめです。ざく切りにしたキャベツとコンビーフを軽く煮たり、フライパンで蒸し焼きにしたりするだけで、素材の旨味を引き出した満足感のあるおかずに。コンビーフの塩気とコクがキャベツの甘みを引き立て、調味料を控えめにしても味が決まるのが魅力です。仕上げに黒こしょうをふると、味わいにほどよいアクセントが加わります。
■沖縄の定番「コンビーフハッシュ」を楽しむ
沖縄では、コンビーフとじゃがいもを合わせた「コンビーフハッシュ」を使った料理が広く親しまれています。あらかじめほぐした牛肉とじゃがいもが混ぜられているため、そのままフライパンで軽く炒めるだけで、手軽に一品が完成するのが魅力です。
定番は、卵と合わせたシンプルな炒め物。コンビーフの塩気とコクに、じゃがいものやさしい甘みが重なり、どこかほっとする味わいに仕上がります。さらにキャベツや玉ねぎなどの野菜を加えると、食感と栄養のバランスも整い、満足感のあるおかずに。
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「コンビーフの日」をきっかけに、あらためてその魅力に目を向けてみると、保存性や手軽さだけでなく、日々の食卓を支える頼もしい存在であることに気づかされます。非常食やアウトドアシーンはもちろん、忙しい日の一品としても活躍するコンビーフ。いつもの食事に少し取り入れることで、その奥深い味わいと便利さを、より身近に感じられるはずです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/ノザキのコンビーフ( https://www.cornedbeef.jp/ )/『世界大百科事典』(平凡社)/『日本食材百科事典』(講談社) :

















