【目次】

わかめの日とは?意味・由来を簡潔に解説

■「わかめの日」とは?

「わかめの日」とは、5月5日に制定された記念日で、わかめの消費促進を目的としています。日本わかめ協会が昭和58(1983)年に制定し、以来、この日を中心にわかめの消費拡大キャンペーンを展開してきました。

■なぜ5月5日?

5月5日といえば「端午の節句」「こどもの日」。なぜこの日が「わかめの日」なのかというと、新鮮な新わかめが市場に出回る時期だから。やはり旬の食材であるタケノコと取り合わせた「若竹煮」はわかめ料理の代表格でもあるため、訴求しやすいということもあったようです。


わかめの日の制定の背景】

「わかめの日」がなぜ制定されたか――の前に、わかめがどういう食物なのか、日本における歴史や現状をさくっとご紹介しましょう。

■わかめってどんな食物?

褐藻植物であるわかめはコンブ目の海藻。『万葉集』に「稚海藻 (わかめ)」や「和海藻 (にきめ)」として詠まれているように、日本では古くから食用とされてきました。一般的に葉のやわらかい部分を「わかめ」と呼び、茎は「茎わかめ」、茎の下部にあるひだ部分が「めかぶ」。根以外はすべて食べられます。

■日本における「わかめの歴史」

海藻製品は、米や魚介類とならぶ日本の伝統食材です。日本近海に自生する海藻は約1500種類といわれ、大和朝廷時代(3世紀~7世紀ごろ)には神事の供物として重用されました。古代の法典『大宝律令』では海藻は租税対象とあり、朝廷への献上品にも使われました。江戸時代になると交通網の発達に伴い、さまざまな海藻類が全国に流通。やわらかいわかめは調理も簡単なため、家庭の食卓でも重宝されてきました。

■採れない!食べられない!?「わかめの現状」

1970年代から80年代に、年間約12万トン〜15万トン前後で推移していた収穫量が、2020年代に入ってからは年間約4万トン〜5万トン程度と、三分の一まで減少しています。

海水温の上昇により成長前に枯れたり、品質が低下したり。生産者の高齢化や継承者不足も年々深刻化しています。平成23(2011)年の東日本大震災で、国内生産の大部分を占める三陸の養殖施設が壊滅的な被害を受けたことも大きな要因でしょう。

■「わかめの日」制定でわかめを救え!

わかめの収穫量が減り始めた時期に制定された「わかめの日」。栄養価の高さや調理の手軽さなどを広めることで、伝統食材であるわかめをピンチから救おう、と考えられます。


わかめの栄養とは?健康にうれしい理由

「わかめの日」を迎えるにあたり、その栄養についてしっかりチェックしておきましょう。

■わかめの栄養

そもそも海中は栄養の宝庫。そこで育ったわかめなどの海藻類には、ヌルヌルの正体であるアルギン酸をはじめ、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が豊富に含まれています。

使いやすいカットわかめ100gあたりのエネルギーは138kcalで、たんぱく質は18.0g、炭水化物は41.8g。この炭水化物は糖質6.2gと食物繊維35.6gによるもの。低カロリーで、日本人が不足しがちなカルシウムや鉄、植物繊維が豊富な滋養健康食といえるのです。

■わかめでダイエット

食後の血糖値との関係:わかめに含まれるアルギン酸は水溶性食物繊維の一種で、消化管内で粘性を持つことが知られています。一般に水溶性食物繊維は糖の吸収速度に影響を与えるとされており、食後の血糖値の変化に関わる可能性があります。

※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」

脂質代謝への関与:わかめに含まれるフコキサンチンについては、脂質代謝に関連する作用が報告されていますが、その多くは細胞・動物レベルの研究段階にあります。

※参考:フコキサンチンに関する基礎研究(海藻由来機能性成分研究)

満足感との関係:食物繊維は水分を含んで膨らむ性質があり、食事の満足感に影響するとされています。食事のはじめに取り入れることで、食べ過ぎの抑制につながる可能性があります。

※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット/農林水産省 食生活指針
  • ■わかめで美肌

    ミネラル補給:わかめにはカリウムやカルシウムなどのミネラルが含まれており、日々の栄養バランスを整える一助となる食材とされています。

    ※参考:文部科学省「日本食品標準成分表」

    腸内環境との関係:アルギン酸などの食物繊維は腸内環境に影響を与え、善玉菌の働きを支える要素として知られています。腸内環境は体調全般に関わると考えられています。

    ※参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

    代謝との関係:ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成要素であり、体の代謝機能に関わる重要な栄養素です。

    ※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

    抗酸化成分:フコキサンチンには抗酸化作用が報告されており、体内の酸化ストレスに関与する可能性が示唆されています。

    ※参考:海藻機能性成分に関する研究
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日常に「わかめ」を取り入れる食習慣

海藻は生育の過程で光合成が行われ、炭素を吸収します。海洋生態系に蓄積されるこの炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれるのはご存知でしょうか。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を大気中から取り除き、森林や土壌、海洋などに蓄える力を維持・強化する取り組み「CO2吸収源対策」の新たな選択肢としてブルーカーボンに注目が寄せられています。

環境にやさしい食材とされる海藻を使用した、さまざまな海藻製品の開発が進められていますが、5月5日の「わかめの日」のころは、新わかめが市場や店頭に並ぶ季節。ふだんは塩蔵わかめや乾燥わかめを利用している人も、海藻類はあまり食べないという人も、この時期ならではの新わかめをぜひ手に取ってみてください。それぞれの使い方をさくっとご紹介しましょう。

■新わかめ(生わかめ)

水揚げされたままの状態のもので、茶褐色をしています。購入したらすぐにたっぷりの熱湯でさっと茹でて。茶褐色が緑色に変わったらOK、冷水にとります。茹ですぎると黒くなり、風味が落ちるので注意して。柔らかい葉の部分はシャキシャキした歯ごたえが楽しいもの。サラダに使ったり、酢の物や和え物に。茎は煮ものや佃煮などに。栄養がいちばん豊富な芽かぶは、ポン酢や生姜醤油でいただいたり、細かく刻んで納豆と一緒に和えるのもおすすめです。

保存するなら、水分をしっかりとってから小分けにし、ラップなどで密閉して冷凍庫へ。1か月ほどで食べ切りましょう。

■塩蔵わかめ

葉の部分を湯通ししてから塩で漬け、ある程度水分を抜いて保存したもの。貯め水で2~3回洗い、5分ほど水に浸してしっかり塩抜きしてから使用します。浸水時間が長すぎるとシャキシャキ感が失われてしまうことに。味噌汁の具や煮物、炒め物などに広く使えます。保存は冷蔵庫で2~3週間を目安に。

■乾燥わかめ

葉の部分を湯通ししてから塩分を加えて乾燥させたもので、戻してから使います。水なら5~6分、お湯なら2分程度を目安に。味噌汁などの汁物には乾燥したまま使えますが、塩分が気になる人は浸水して塩抜きしてから使いましょう。常温で長期保存できるうえ手軽なので、常備食材に!

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日本のほとんどの沿岸部で生育し、養殖も可能なわかめ。ミネラルを豊富に含み、乾燥させれば長期間の保存もできることから、日本では古くから食べられている重要な伝統食材です。

わかめを食べる国は世界でも珍しく、日本のほかには韓国と北朝鮮だけといわれています。韓国では出産を終えたお母さんが、滋養たっぷりなわかめスープで体力を回復させるという習慣があります。誕生日にはわかめスープを食べて両親に感謝する――というシーンを、韓国ドラマなどで見たことがあるかもしれませんね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館)/日本わかめ協会/農林水産省/東北農政局 :