【目次】
【「成田空港開港記念日」とは?「いつ」「由来」「なぜ」「意味」を簡潔に解説】
■「いつ」?
「成田空港開港記念日」は5月20日です。
■「なぜ」5月20日?「由来」
1978(昭和53)年の5月20日、千葉県成田市に「新東京国際空港(現在の成田国際空港)が開港したことに由来する記念日です。
■「意味」
1960年代、日本の高度経済成長とともに羽田空港の能力が限界に達し、新たな国際空港の建設が急務となりました。空港建設反対運動などの紆余曲折を経て、悲願の開港を迎えたのが、1978年5月20日だったのです。この記念日は、空港の誕生日を祝うと共に、日本が本格的に「世界のネットワーク」と深くつながり始めた歴史的な転換点を再確認する日でもあります。
【「成田空港」の「歴史」とは?開港までの経緯と背景】
2024年には、年間旅客数がコロナ禍前に迫る水準まで回復した「成田国際空港」ですが、その誕生までの経緯には、現在の洗練されたターミナルの姿からは想像もつかない、「闘争の歴史」がありました。
■羽田空港の限界と「新空港」の決定
1960年代、海外旅行の自由化や大型ジェット機の登場により、羽田空港はパンク状態に陥っていました。新空港建設の計画が急ピッチで進められ、いくつかの候補地が浮上しては反対運動で消えるなか、1966(昭和41)年7月、政府は「新東京国際空港の位置及び規模について」、成田市三里塚での建設を閣議決定します。名称が「新東京」とされたのは、それまで国際線が発着していたのが羽田空港(正式名称:東京国際空港)だったためです。
ところが、この決定は地元住民への十分な説明がないまま進められたため、先祖代々から受け継いだ土地を守る地元住民たちからの激しい反対運動を招きます。機動隊が投入される「力対力」の激突により、双方に多くの犠牲者を出すという、日本の現代史に刻まれる激しい闘争(三里塚闘争)へと発展したのです。
■悲願の開港を迎えるも…
厳戒態勢の中、予定から約2か月遅れた1978年5月20日に、ようやく「新東京国際空港」は開港を迎えますが、滑走路はわずか1本。開港当日は厳戒態勢のなか記念式典が行われ、本格的な航空便の運航は限定的なスタートとなりました。
■対話による解決
事態が動き出したのは90年代になってから。公開討論の場である「成田空港問題シンポジウム」や地元住民も参加する「円卓会議」を通じて、国側は「強引な建設が対立を招いた」と非を認め、謝罪。これを機に「地域との共生」を目指す新たな歩みが始まりました。この激動の歴史を正しく次世代へ伝えるため、1997(平成9)年には「歴史伝承部会」が発足しました。
■「成田国際空港」誕生
2002(平成14)年には2本目の滑走路(B滑走路)が供用開始され、2004年には民営化により空港名が「新東京国際空港」から「成田国際空港」に名称変更されました。
【「国際空港」の役割とは?成田空港が担ってきた機能と「雑学」】
■「日本の物流の心臓」を担う「国際空港」
成田空港は、航空貨物取扱量で国内有数の規模を誇る国際空港です。特に医薬品や半導体といった精密機器、そして私たちの食卓を彩る高級食材など、スピードと正確さが求められる国際物流の多くがこの空港を通過します。成田空港は、港湾・空港別の貿易額で国内有数の規模を誇り、経済のライフラインとしての役割は年々高まっています。
■「成田空港」が「空港スタッフ部門」世界一を獲得!
成田空港は、SKYTRAX社(※)による世界空港評価で高い評価を受けており、2026年には「World’s Best Airport Staff」部門で世界1位を獲得しました。細部まで行き届いた清掃や、機能的なラウンジ、そして日本らしい丁寧な接客は、世界中のトラベラーから高く評価されています。
■「NAA」と「NRT」の違い
「NAA」と「NRT」は、どちらも成田国際空港に関連する用語ですが、違いをご存知ですか?
NAA:成田国際空港を運営する「会社(法人)」の略称。
NRT:成田国際空港を示す世界共通の都市コード(3レターコード)
■空港の広さは?
成田空港は、第1ターミナル、第2ターミナル、第3ターミナルの3つのターミナルで構成されています。敷地面積は約1,100ヘクタール。2026年現在、日本国内で羽田空港に次ぐ大きさですが、今も拡張事業が進められていて、、最終的には約2300ヘクタールになる予定です。
■「羽田」と「成田」。国際線に強いのは?
現在、「国際線の強さ」については成田空港が依然としてリードしていますが、羽田空港の国際化が進んだことで、急速にその差が縮まってきているのが実情です。
・ネットワーク(路線数・便数)の強さでは、成田空港に軍配が。特に長距離国際線は充実しています。
・就航都市数についても、成田は約100都市以上に就航しており、特に北米・欧州・アジアの主要都市を網羅。
・格安で海外へ行けるLCCの国際線は、ほとんどが成田発着です。
・日本の国際貨物の中心はやはり成田であり、経済の「港」としての強さは圧倒的です。
では、羽田空港の強みは、どんな点でしょう。
・都心から30分圏内という、圧倒的なアクセスの利便性は、ビジネスマンにとって最大の魅力です。
・ 日本全国から羽田に集まり、そのまま海外へ飛べる「ハブ機能」の利便性は、羽田空港の大きな強みです。
・ 24時間運用を活かした深夜早朝便が多く、仕事帰りに海外へ出発するスタイルが定着しています。
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成田国際空港の開港は、今から半世紀近く前の1978(昭和53)年です。現役世代で、開港をめぐる激しい闘争が繰り広げられた事実を記憶している人は、もはや少ないかもしれませんね。次回、この空港から旅立つときには、ぜひ「成田空港開港記念日」についてのマメ知識を思い出していただければ幸いです。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料: 成田国際空港「成田国際空港の現状と今後の取組み」(https://www.mlit.go.jp/common/000023008.pdf) 成田国際空港「成田空港の歴史」(https://www.narita-airport.jp/ja/company/naa/profile/history/) /千葉県「成田空港について」(https://www.pref.chiba.lg.jp/kuushin/narita/index.html) /Fornes JAPAN編集部「開港当日、航空機の発着がなかったのはなぜか 成田空港開港記念日|5月20日(https://forbesjapan.com/articles/detail/47588) /成田空港空と大地の歴史館(https://www.rekishidensho.jp) /成田国際空港「成田空港が「空港スタッフ部門」世界一を獲得!」(https://www.narita-airport.jp/ja/news/worlds-best-airport-staff/) :

















