連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、同時通訳者としてご活躍の田中慶子さんにインタビュー!

これまでダライ・ラマ、テイラー・スウィフト、ビル・ゲイツ、デビッド・ベッカム…と、世界的な著名人の同時通訳を数多く行ってきた田中さん。通訳に携わるうえで大事にされていることとは?詳しくお話しをうかがいました。

田中 慶子さん
同時通訳者
(たなか・けいこ)愛知県生まれ。1996年、米国のマウント・ホリヨーク大学卒業。通信社やNPO法人に勤務ののち、フリーランスの同時通訳者に転身。政治経済、音楽業界のトップランナーを担当。コロンビア大学でコーチング資格を取得し、エグゼクティブコーチングも行う。著書に『言葉にすれば願いは叶う 私に勇気をくれる英語フレーズ』(婦人之友社)ほか。

【Tokyo】世界的アーティストから財界人までを魅了。人の心を翻訳する同時通訳者。

世界的な同時翻訳者として活躍する田中慶子さん
同時通訳者の田中慶子さん

ダライ・ラマ、テイラー・スウィフト、ビル・ゲイツ、デビッド・ベッカム…。世界的な著名人の同時通訳を数多く行ってきた田中さん。その活躍の場はさまざまで、国際的なシンポジウムに出向くこともあれば、華やかなグラミー賞のスピーチに立ち会うことも。発言者の言葉を遅れることなくスピーディに訳す、そんな高度な技術をもつ人の脳内は、どのようになっているのだろう。

「限られた時間を有効に使うために、彼ら彼女らの言葉を瞬時に訳すのが私たちの仕事です。そこで大切になるのが、『聴く』と『訳す』の間に入る『理解する』というプロセス。耳から入った言葉をそのまま訳すというよりは、『なぜこういうことを言うのか』『どの文脈からこの話が出てきたのか』など、その発言の意図や背景をまずは理解する。あるエピソードが出たとして、『別の学会で発表したあのことだな』『前作のインタビューのあの話ね』など、それが何を指すのかがわかれば、通訳の精度がグンと上がりますよね。とはいえ時間をかけてはいられませんから、脳内で情報を粛々とさばきながら訳していくのです」

そのために必要なのが、入念なる準備。その人の歴史、これまでのキャリア、取り巻く環境、目指している未来まで、膨大な情報を脳内に入れたうえで当日を迎えることになる。すると田中さんは、通訳する相手をもっとサポートしたい、応援したいという気持ちがふつふつと湧いてきてしまうのだそう。

「なんかね、その方のファンになってしまうのです(笑)。この職業は技術職ではあるけれど、ある意味ではサービス業でもあると感じています。『今日はどんなことをお話ししますか?』『私にそのお手伝いをさせてください』という感じ。大切なのは、何を話しているのかではなく、何を伝えようとしているのか。そのハートの奥を理解して、求められていることに全力で応えていきたいと思います」

◇田中慶子さんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
体をどうにか起こすべく(笑)、まずはベッドの中でストレッチ。

Q:人から言われてうれしいほめ言葉は?
「気付かなかった!」。そんな視点があるなんて、という意味で言われるとうれしくなります。

Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
家の掃除! 断捨離を進めたいです。

Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
ひとつのことについて学びを深めたい。

Q 10年後の自分は何をやっている?
「この人が活躍したら世界がよくなるだろう」という人のサポートをしている。

Q 自分を動物に例えると?
猫一択。マイペースで、心地よいことをすることが正解だと思っているところ。猫を見ているとまるで自分のようだと感じます。

PHOTO :
望月みちか
EDIT&WRITING :
本庄真穂、喜多容子・木村 晶(Precious)