日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。

極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは新潟県・十日町市にある「清津峡湯元温泉 清津館」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の4000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』(三笠書房)、『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

清津峡の自然美と湯元ならではの新鮮な硫黄泉を満喫

新潟県十日町市にある「清津峡」は、黒部峡谷、大杉谷と並ぶ日本三大峡谷のひとつ。清津川を挟んで切り立つ巨大な岩壁がつくり上げる大峡谷は国の天然記念物にも指定されており、その圧巻の景観を眺める「清津峡渓谷トンネル」を目当てに国内外から多くの観光客が訪れます。

清津峡
自然のダイナミズムに魅了される「清津峡」。
清津峡渓谷トンネル
SNS映えスポットとしても有名な「清津峡渓谷トンネル」。

その入口から徒歩1分ほどのロケーションにあるのが、今回ご紹介する「清津峡湯元温泉 清津館」。この地に温泉が湧出したのは昭和45年のこと。上杉謙信ゆかりの薬師如来のお告げにより、先々代館主が掘り当てたという逸話も伝えられています。

「清津峡湯元温泉 清津館」外観
「清津峡湯元温泉 清津館」外観.。

温泉は、館内に男女別の内湯があるほか、玄関を出てすぐの清津川の渓谷沿いに2つの浴槽を備えた貸切露天風呂も。大きめの浴槽は「薬師の湯」、小さめの浴槽は「小出2号泉」という2種類の源泉が注がれ、微妙な湯温の違いを楽しめす。小さめのほうが少しぬるめで、夏の時季に長く浸かるにちょうどよい湯温です。

貸切露天風呂
景観も抜群の貸切露天風呂。写真左手前に大きい浴槽、右奥に小さい浴槽がある。

「こちらで堪能できる湯の泉質は、単純硫黄泉。硫黄泉は『三大美人の湯』泉質のひとつで、美白効果が期待できるとされる湯です。実際に浸かってみると、とろとろつるつるとした浴感が実に心地よく、濃厚な硫黄の香りが温泉気分を高めてくれます。また、体の酸化・老化を緩める還元力を示す数値がマイナス360mvと高く、地中から湧きたての湯ならではの鮮度のよさも感じられました」(植竹さん)

大浴場内湯
大きな窓から優しい光が降り注ぐ大浴場。

「自然の中に佇む露天風呂は秘湯の情緒満点。夏には生命力溢れる深い緑、秋には息をのむほど美しい紅葉といった、四季折々の景観を愛でながら源泉かけ流しの湯をひとり占めできるのはかけがえのない贅沢な時間です。内湯もレトロで趣があり、慌ただしい喧騒から離れて心身をリセットしたいときにぴったりの宿だと思います」(植竹さん)

客室からの眺め
客室からの眺めにも心洗われる。

魚沼の恵みを味わう滋味豊かな山里のごちそう

夕食は、旬の地元食材を生かした和会席。山菜や川魚、雪下人参など、山の恵みの魅力がしみじみと感じられる郷土料理が並びます。本場・魚沼産コシヒカリも出色で、一粒一粒のツヤ、香り、甘みが強く、ふっくらと炊きあがったご飯は何よりのごちそうです。

夕食一例
夕食一例。おすすめのメニューは山菜料理。※メニューは季節や仕入れ状況により異なります。

朝食では、炊きたてのご飯に加えて、硫黄泉を使った温泉粥も登場。ほんのりと硫黄の香りをまとった優しい味わいで、体の内側からもヘルシーになれるように感じられます。ご飯のお供にぴったりの小鉢料理の種類も多く、朝から箸が進むとゲストに評判です。

朝食一例
朝食一例。

以上、「清津峡湯元温泉 清津館」をご紹介しました。日本三大峡谷・清津峡の雄大な自然に触れた後、湯元ならではの良質な温泉と魚沼の旬の味覚で心と体をゆっくりと満たしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)