辛口なレビューがレストランシーンに強い影響力を持つニューヨーク・タイムズ紙が「The Steakhouse to End All Arguments(すべての議論を終わらせるステーキハウス)」と高く評価したのが『スミス アンド ウォレンスキー』。2006年の映画『プラダを着た悪魔』で、アン・ハサウェイ演じるアンディが、メリル・ストリープ演じるミランダのために大急ぎでステーキを買いに走ったあのお店、でもあります。
創業は1977年、これまでアメリカ国内と世界各国に計13店舗を展開してきましたが、来年50周年を迎えるというタイミングでついに日本上陸を果たしました。店があるのは、銀座4丁目交差点のほど近くに建つビルの高層階。12階にエントランスとバーカウンターがあり、メインダイニングは13階に。さらに11階には5タイプの個室もと、3フロアで構成されているダイナミックに目を見張らされます。
スペシャリテであるステーキには、独自の厳格な基準で選ばれた最高級のUSDAプライムビーフを使用。米国農務賞省による格付けのトップランクであり、全体の約10%しか取れない希少な牛肉です。それを、店内に設えた専用庫で最大28日間ドライエイジングさせることで、香りと深い旨味を引き出しています。そうして味のポテンシャルを最大限にまで高めた肉を、専用のブロイラーでベストな火入れに仕上げる独自の手法は、もちろん本店譲り。表面はカリッと香ばしく、噛みしめると顔がほころんでしまう味わいです。
赤身と脂身をバランスよく味わえる「リブアイ」、骨付きの「Tボーン」などさまざまな部位のステーキが用意されていますが、パフォーマンスにも技ありなのが、シグネチャーメニューのひとつである「北海道スウィンギングトマホーク」。長い肋骨をそのまま残した大きな(約1.25kg!)リブアイステーキを吊るして炙り、ゲストの目の前でカットしてくれる特別なメニューです。3〜4名で訪れるなら、ぜひトライを。
「蕎麦前」ならぬ“ステーキ前”には、クラブケーキ・アングリーシュリンプ・ホタテのソテーという人気の3品のアソート、「クラシックコンボ」がおすすめ。旨味の強いカニをふんだんに使ったクラブケーキと、スパイスの効いたアングリーシュリンプ、そして新鮮なホタテのソテーと “おいしいものを少しずつ”が叶うプレートです。
また銀座店限定で、トライしやすいランチメニューが用意されているのもうれしい試み。ファッション・メディア文化への敬意を込めたという、その名も「ランウェイのランチ」は、200gのプライム リブアイステーキがメイン。とびっきりのパワーランチを、という日にぴったりです。なお、8月からはさらに魅力的なランチメニューがスタートする予定。そちらもぜひお楽しみに。
そして「甘いものは別腹」という人でなくても、必ずオーダーしてほしいのが名物のデザートである「ギガンティックチョコレートケーキ」。高さ15cm、カットする前のホールの直径が36cmというサイズで、1ピースでも圧倒的なボリューム! けれど、実はこのケーキ、スポンジもクリームも驚くほど軽やかでぺろりと平らげられてしまうのです。万が一食べ切れなくてもテイクアウト可能。特製のショッパーに入れてくれるので、ご安心を。
お料理や、一緒に味わうワインのほかにも『スミス アンド ウォレンスキー』には、もうひとつのお楽しみが。それはメインフロアの12階で、水曜〜土曜の夜に行われているジャズの生演奏。ディナーのあと、カクテルを片手に心地よい音楽に身を委ねる時間を過ごせば、より豊かな気分に浸れるはず。
銀座にいながらにして、ニューヨーカーさながらのソフィスティケートされた食体験を。ドレスアップして訪れたいレストランが、また1軒増えました。
「リブアイ」¥38,000、「Tボーン」¥52,000、「北海道スウィンギングトマホーク」¥72,000、「クラシックコンボ」¥5,200、「ランウェイのランチ」¥14,000、「ギガンティックチョコレートケーキ」¥3,800
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この記事の執筆者
1972年生まれ。レストランを偏愛する健啖家として、グランメゾンから大衆酒場までを日常的に巡る。著書に『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)、『東京最高のレストラン』(共著・ぴあ刊)など。