【目次】

「梨の日」とは? 意味・由来・いつなのか解説

■7月4日は「梨の日」

鳥取県の中部に位置する東郷町(現・湯梨浜町<ゆりはまちょう>)の「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」が、「な(7)」「し(4)」の語呂合わせにちなんで制定したのが7月4日の「梨の日」です。梨の消費拡大などを目的にしたもので、覚えやすい語呂合わせもあって親しまれている記念日です。

■由来

湯梨浜町は、甘い果汁をたっぷりと蓄えたみずみずしい梨の産地。なかでも「二十世紀」は、明治37(1904)年に鳥取市桂見に10本の苗木が導入されたことに始まる、鳥取県を代表する果物です。気候や風土に恵まれている湯梨浜町の二十世紀梨は、日本一の美味と賞賛されているのだとか。このおいしさを全国に届けたいということで、「梨の日」の制定に至った訳です。

湯梨浜町では、8月下旬から9月中旬(ハウス栽培は8月上旬から)に梨狩りが楽しめる観光農園もオープンしますよ。


【梨の旬はいつ? 人気品種一覧も紹介】

産地や品種によっては年間を通して栽培されている梨ですが、やはり旬といえば初秋でしょう。異常気象によっていつから秋なのか…かなりあやふやになっている昨今ですが、出荷量の推移を見るとやはり8月~10月にかけてがピークです。

■日本の梨は「赤梨」と「青梨」に二分!

ここで、梨についての基礎知識をご紹介しましょう。

日本の梨(和梨)の品種は、大きく分けると「赤梨」と「青梨」の2系統。皮が茶色いのが赤梨、皮が黄緑色が青梨で、糖と酸味のバランスの違いや、梨の果肉特有のツブツブ感やジャリジャリ感(石細胞<せきさいぼう>と言います)といった食感にやや違いが見られます。系統の違いだけでなく、品種ごとの個性がはっきりしているのも梨の特徴です。

■「幸水」や「豊水」は赤梨系

赤梨は石細胞の塊がやや大きめで、果肉全体が柔らかい傾向にあります。噛むとジャリッ、ジュワッと、繊維が優しくほどけるような口当たり。多くの品種で酸味がほとんどないか非常に控えめで、豊潤で濃厚、リッチな甘みが特徴です。

■「二十世紀」は青梨系

青梨は石細胞がとても細かく、果肉全体に均一に散らばっています。果肉が引き締まっていて、シャリシャリッやシャキッとした、硬めで歯切れの良い抜群の歯ごたえが人気。すっきり上品な甘酸っぱさが甘味を引き立てる、みずみずしくスッキリ爽やかな味が特徴。ベタついた甘さがないので、飽きずに食べられます。

■人気の次世代品種

近年は、酸味控え目で高糖度、シャリ感より緻密でソフトな梨が好まれています。なかでも人気の品種をご紹介します。

・新甘泉(しんかんせん):約20年という歳月をかけて開発された、鳥取県オリジナルの赤梨系新品種のひとつ。「二十世紀」のシャキシャキした歯ごたえを受け継ぎながら、糖度が13〜14度以上にもなる濃厚な甘さをもち、噛んだ瞬間に泉のようにジュワッと甘い果汁が溢れ出すことから「新甘泉」と名付けられました。近年の梨の甘党ブームの頂点ともいわれています。

・あきづき:「新高×豊水」と「幸水」の交雑により誕生した赤梨。農研機構果樹研究所で育成され、2001年(平成13年)に品種登録されました。果実は大きめ、果肉はやわらかくて緻密。豊水や幸水に比べて酸味が少なく、しっかり感じられる甘味が特徴。店頭では「秋月」と表示されることも。

・秋麗(しゅうれい):中生の青梨品種。肉質は緻密で果汁も多くてジューシー、糖度は13度程度と甘く、酸味はほどんど感じられません。


【「幸水」「豊水」「二十世紀」の違いとは?】

変わらず人気の3大品種についても特徴を解説しましょう。

・幸水:甘味が強く、酸味はほとんど感じられず、ソフトな食感。現代のトレンドにマッチしている赤梨。

・豊水:甘みも酸味も強い濃厚な味わいと、豊富な果汁が特徴の赤梨。

・二十世紀:爽やかな酸味とシャキシャキした食感の、青梨の代表品種。


【和梨と洋梨の違いをわかりやすく解説】

日本では、すでに弥生時代には食べられていたという梨。『日本書紀』にも栽培の記述があり、江戸時代には品種も増加しました。日本人に古くから好まれたこの和梨(日本梨)と、洋梨の違いについて解説します。

■和梨は購入直後が食べごろ!

甘味の強い「赤梨」、爽やかな酸味をもつ「青梨」の2系統あり、どちらも独特の食感やみずみずしさが特徴。形は正円に近い球体で、多くは皮の表面はザラザラとした斑点で覆われています。完熟で収穫されるので、購入したらできるだけ早く食べるのがおすすめです!

■洋梨は追熟して美味しさを引き出す

上部が細く下部がふっくらとした、ひょうたん型が特徴。皮は緑色や黄色、斑点模様のあるなしなど、品種によってさまざまです。和梨のようなシャリシャリ感はなく、完熟すると果肉はねっとりとした食感に。濃厚な甘みと、芳醇で甘く強い香りが特徴です。そのおいしさは収穫後に追熟させることで生まれるので、購入時にまだ香っていないようなら、少々時間をおいてからのほうが美味しさを堪能できるかもしれませんね。


【梨はなぜシャリシャリしている? 食感の理由】

■シャリシャリはディフェンスシステム!

梨特有のシャリシャリ感は、植物の細胞の一種で「石細胞」と呼ばれるもの。硬い細胞が集まって塊となり、果肉の中にたくさん散らばっているため、あのようなザラザラした食感になります。

実はこれ、虫や鳥などの外敵から守るためのもの。梨の実がまだ小さいうちはこの石細胞がもっと硬く、実全体をガードしているのだそう。鳥についばまれたり、虫が卵を産み付けないようにするための自衛策なのです。

■水分90%でも形を保てるのはシャリシャリのおかげ

薄い皮で覆われた梨の果実は、約90%が水分。本来は自重や風雨の衝撃で潰れてしまうところですが、石細胞が果肉のあちこちで骨組みとなって形を保っているのだとか。

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糖度が高くて甘~い梨ですが、ほとんどが水分なのでカロリーは低めです。大きめサイズ(300g程度)の和梨1個のカロリーは114kcalで、ご飯茶碗に白米半分ほど。食物繊維も比較的多く、便をやわらかくするはたらきをもつソルビトールを含んでいるので便秘予防に効果があったり、アスパラギン酸には利尿作用もあるとされています。

また、カリウムは高血圧予防やむくみも解消――と、私たちの体にいろいろ有効なのです。7月4日の「梨の日」には、ぜひおいしくいただいてくださいね。

この記事の執筆者
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参考資料:農林水産省( https://www.maff.go.jp/ )/湯梨浜町観光協会( https://www.yurihama-kankou.jp/ )/JAグループ( https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=88 )/鳥取県 果樹研究室( https://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=24025 )/果物ナビ( kudamononavi.com )/農研機構( https://www.naro.go.jp/index.html ) :