ザ・リッツ・カールトン東京のビストロノミー「タワーズ(TOWERS)」では、2026年7月1日(水)から7月31日(金)まで、期間限定ディナーコース「Treasures of Japan」を提供しています。
本コースは、国内6軒のザ・リッツ・カールトンが、日本各地の個性豊かなデスティネーションと、その土地ならではの食文化に焦点を当てる日本独自のカリナリー・ジャーニー・キャンペーン「FLAVORS IN TRANSIT 旅する味 2026」の一環として誕生したもの。
第2回目となる今年は、各ホテルがそれぞれの土地に根差した農家や漁師、生産者と深く連携し、地域で育まれてきた食材の魅力を料理で表現します。
ザ・リッツ・カールトン東京では、「タワーズ」料理長・中野琢治氏が全国各地を訪ね、そこで出合った食材と生産者の情熱を、繊細なフレンチへと昇華。
北海道・函館の無添加ウニやグリーンアスパラガス、高知県のブランド和牛「土佐あかうし」や天日塩、高知県産米、熊本県の天然蜂蜜など、日本各地の豊かな風土に育まれた食材がコースを彩ります。
さらに、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーによるワインペアリングも用意され、日本各地を旅するような気分で味わえるのも魅力です。
初日には、生産者を招いた特別ディナーイベントが開催され、Precious.jpライターも参加。料理長や生産者の皆さんから、食材へのこだわりや、このコースが生まれた経緯について伺いました。本記事では、そのエピソードも交えながら、「Treasures of Japan」の魅力をご紹介します。
特別なディナーコース「Treasures of Japan」実食レポート
■1:雲丹と昆布のコンソメジュレ
函館・村上商店の生うには、ミョウバンを一切使用せず、自然本来の味わいを生かした、市場にはほとんど出回らない希少なもの。ともに合わせるのは、函館の昆布漁師 ジュンヤ・オカヤマ氏が手掛ける、道南でしか採れない真昆布です。上品な甘みと澄んだ出汁が取れる高級昆布としても知られています。
函館と札幌で直営の和食店も営む村上商店の村上さんも「こんな料理になるとは思わなかった」と驚きを口にした、コースの幕開けを飾るアミューズ・ブーシュ「雲丹と昆布のコンソメジュレ」。
貝殻を思わせる器からスプーンですくってひと口いただくと、うには臭みがまったくなく、濃厚でクリーミーな甘みが口いっぱいに広がります。やわらかな真昆布と繊細なコンソメジュレが重なり合い、それぞれの持ち味を引き立て合う仕上がりに。
このひと皿に寄り添うのは、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーによるスパークリングワイン「2013 北のぼ リザーヴ」。
ラズベリーやりんご、レモンを思わせる果実の香りに、瓶内熟成による香ばしさや酵母由来のニュアンスが重なります。うにの濃厚な甘みや昆布の澄んだ旨みを受け止めながら、コースの始まりを軽やかに引き立ててくれるペアリングでした。
■2:甘海老のタルタル
使われているのは、函館・マルヒラ川村水産の甘海老。函館の海で朝に水揚げされたものを、川村氏自ら目利きで選別し、新幹線を使って東京へ。その日のディナーに合わせて届けられる鮮度へのこだわりも、このひと皿を支えています。
甘海老は、生まれたときはすべてオスで、約5年をかけてメスへと成長します。この日に提供された多くはメスで、厳しい海の環境を生き抜いた貴重なものなのだそうです。
水揚げ直後は身が締まり、甘みはまだ控えめですが、中野シェフは経験をもとに寝かせる時間を見極め、甘海老本来の甘さを最大限に引き出しています。
さらに、シェフが客席で最後の仕上げを行う演出も。ライブ感のあるひとときを楽しめます。
函館の海を写した一枚の写真とともに供される「甘海老のタルタル」。ひと口いただくと、大ぶりの甘海老は驚くほどねっとりとなめらかで、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。フルーツトマトのやさしい甘さと、なめらかなバジルのブランマンジェが重なり、どこかカプレーゼを思わせる爽やかな余韻が印象的でした。
合わせるのは、ココ・ファーム・ワイナリーのロゼワイン「2022 バラ色の人生」。ラズベリーを思わせる鮮やかな色合いに、アセロラやさくらんぼを感じる果実味、ほのかに漂うバラやスパイスの香りが調和します。料理との相性はもちろん、その華やかな名前にも心が弾む、印象的なペアリングでした。
■3:海の神グリーンアスパラガス 塩バターソテー
「こんなにやわらかなアスパラガスは初めて」、そう思わずにはいられなかったひと皿です。
使われているのは、函館・つるの生産組合が育てる「海の神グリーンアスパラガス」。有機肥料には真昆布の根や魚介の副産物を使い、畑には潮風が運ぶ海のミネラルがたっぷり届くことから、「海の神」と名付けられたのだそう。自然の恵みと独自の栽培技術によって育まれる、唯一無二のアスパラガスです。
料理は、生ハムの一種・ブレザオラの塩味とバター、コンディメントを合わせたシンプルな仕立て。余計な手を加えないからこそ、素材そのものの個性が際立ちます。
一般的な太いアスパラガスは根元が硬い印象がありますが、こちらは根元まで驚くほどやわらか。噛むほどにみずみずしい甘みが広がり、ブレザオラのほどよい塩気とバターのコクが重なって、素材本来の風味を存分に楽しめました。
合わせるワインは「2024 月を待つ」。グレープフルーツやレモンを思わせる爽やかな香りと、すっきりとした飲み口が印象的で、アスパラガスとの相性もぴったりでしたよ。
■4:アイナメのロースト
北海道・八雲町の「噴火湾鮮魚卸龍神丸」から届いたのは、旬を迎えたアイナメ。少しでもよい状態で味わってほしいという思いから、網ではなく釣りで水揚げされた、1kg以上の大型のものだけを使用しているそうです。
ひと口いただくと、身は驚くほどふっくら。きめ細かな白身はやさしい甘みがあり、思わず笑みがこぼれるおいしさです。
合わせるのは、高知県・四万十川中流域で特別栽培されたブランド米「にこまる」。粒立ちがよく、噛むほどに自然な甘みとまろやかな旨みが広がります。海藻バターやハーブ、サフラン香るコンソメが一体となり、それぞれの素材が美しく調和していました。
ワインは、「2023 プティ・マンサン」。豊かな果実味とほどよい酸が、アイナメの繊細な味わいに寄り添っていました。
■5:土佐あかうしのロースト
メインディッシュには、高知県・標高約1,400mの高原で育てられた希少な「土佐あかうし」が登場。力強い赤身の旨みが特徴で、噛むほどに肉本来の味わいが広がります。
同じ高知県で作られる「銀象ソルト」にも注目。仁淀川の河口近くで、太陽の光だけを使って結晶化させる完全天日塩です。
生産者の田野屋銀象氏は、「あかうしが育つ高原に降った雨が、時間をかけて仁淀川を流れ、海へとたどり着く。その河口で私が塩を作っています。高知の山から海までが、このひと皿でつながったように感じました」と印象を語ります。
その言葉通り、今回の料理では塩の粒感を前面に出すのではなく、あかうしの持ち味をそっと支えるように使用。
いただいてみると、ローストされたあかうしは肉質がきめ細かく、噛むほどに濃厚な旨みがあふれます。塩の存在を強く感じることはないものの、後からじんわりと広がる塩味が印象的。コクのある茄子のピューレも、赤身の旨みをやさしく包み込みます。
合わせるのは、ココ・ファーム・ワイナリーの「2023 第一楽章」。上品なタンニンとほどよいコクを備えた赤ワインで、メインディッシュに相応しい一杯でした。
■6:白桃のポシェ 緑茶のジュレ とち蜜のアイスクリーム
コースの締めくくりは、「白桃のポシェ 緑茶のジュレ とち蜜のアイスクリーム」。シロップでやさしく煮た白桃のポシェに、緑茶のジュレ、熊本・杉養蜂園の「とち蜜」を使ったアイスクリームを合わせた、夏らしいデザートです。
「とち蜜」は、初夏に白い花を咲かせる、とちの木から採れる日本を代表する純粋はちみつのひとつ。やさしく上品な甘みが特徴で、白桃のみずみずしさや緑茶のほのかな渋みともよく調和します。
創業70年以上の杉養蜂園は、蜜蜂の飼育から採蜜、販売までを一貫して手掛ける養蜂家企業。当日はレストラン入口に巣箱が展示され、蜜蜂が飛び交う様子や、巣みつも間近で見ることができました。
食後には、とち蜜を使ったマドレーヌとコーヒーをいただきながら、コースをゆっくりと振り返るひととき。日本各地の生産者が大切に育んできた食材と、それをひと皿ごとに表現した料理の数々。食材のおいしさだけでなく、その背景にある人の思いにも触れられるコースでした。
日本各地には、まだ知らないおいしさがたくさんある――。そんなことをあらためて実感した今回のコース。北海道から高知、熊本まで、各地の恵みをフレンチの技で表現した料理の数々は、まさに至極の味わいでした。ぜひ、東京のダイナミックな景色を望む「タワーズ」で、美食の旅へ出かけてみてください。
問い合わせ先
- ザ・リッツ・カールトン東京
- 「Treasures of Japan」
- 提供場所/45階「タワーズ(TOWERS)」
提供期間/~2026年7月31日(金)
提供時間/17:30~21:00 L.O. - TEL:03-6434-8711
- 住所/東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 篠原亜由美
- EDIT :
- 小林麻美

















