身長156cmのインテリアエディターが、実際に見て・触れて・座ってレポートする連載企画。今回は6月にデンマークで開催される北欧デザインの展示会「3daysofdesign (スリー デイズ オブ デザイン)」で発表された、今年復刻されたばかりの「フリッツ・ハンセン」のルームディバイダー『PK111』をご紹介します。

私自身、コロナ禍以降働き方が変わったことを受け、“GOOD”なデザインのルームディバイダーを探し続けてきました。日本での発売を受け、ありそうでなかった『PK111』の魅力を解説いたします。

■ピックアップアイテム:「フリッツ・ハンセン」の『PK111』

『PK111』は、デザイナーのポール・ケアホルムが海を望む自邸の広いワンルームを、ダイニングエリアとリビングエリアに心地よく分けるためにデザインされたもの。彼は、「空間ではなく家具によって構成されるべきだ」という強いデザイン哲学をもっていました。

基本セットの6枚連結をベースに、パネルを追加することで空間の大きさにあわせて自由自在に延長することができます。

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【ブランド】フリッツ・ハンセン 【商品名】PK111 【写真仕様の価格】¥790,680(税込) 【サイズ】幅1340×奥行135×高さ1400mm (6枚連結時) 【材質】 オレゴンパイン(外側) ビーチ材(内側)

■魅力その1:空間を緩やかに美しく仕切る程よい存在感

コロナ禍以降、家で仕事をすることが増えたことを受け、“仕事と生活空間を仕切る”インテリアアイテムとして見直されたルームディバイダー。それまでオフィス用品の印象が強かったアイテムですが、日本には和紙の屏風や籐家具など、求められる機能としては同様のものが昔から存在しました。

ただ、昨今の住宅に合うデザインのものとなると、なかなかこれといった選択肢が少ないというのが現状です。その点『PK111』は、端正なデザインを得意とするポール・ケアホルムらしい静謐な佇まいが魅力です。

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屏風を思わせる形状が、スツールの美しさをより引き立てているミニマルなコーナー。

まずは、高さ140cmという寸法が絶妙な“GOOD”バランス。室内に設置することで動線が変わり、くつろぎのコーナーが生まれます。座っているときの視線の高さからは、壁のように感じられる安定感があり、立ったときには部屋全体や窓からの光が見渡せ、空間の広がりが感じられました。

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視界の端に木の壁が感じられると、囲われているような安心感があります。

そして組み立て式というのも、大切な“GOOD”ポイント。アルファベットの「Z」のような形状の板は、重ねてコンパクトになるので引っ越しなどの際にも便利です。同じ奥行きのまま、その場に合った幅に調節して設置できるのは唯一無二の魅力といえるでしょう。

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3枚ずつでもしっかりと自立しました。

■魅力その2:女性二人で簡単に組み立てられる軽さ

成形合板でできた1枚は軽く、140cmというサイズも扱いやすくて組み立てが簡単でした。重なった部分を押さえる人と、差し込む人、二人いれば女性でも設置可能です。板を傾けて上のスライドを合わせてから、下を滑らせるように静かに動かすと、きちんと重なったときに“カツン”とした手応えがあります。

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スライドさせる下の手の高さが重要! 膝くらいの位置で持って滑らせるとスムーズです。
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交互にスリットに差し込んでいきます。
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1枚だけ下部に焼き印があるので、組み立て時に隠れないよう注意!

■魅力その3:カラーバランスの変化で部屋の印象を整えられる

インテリアの配色の黄金比率に、「70:25:5」というものがあります。“垂直”の壁の色、“水平”の床やテーブル天板の色、ソファなどの大きな家具で「70:25」のカラーバランスを決めていきます。ダイニングテーブルを買い替えたり、ソファの張り替えをしたりすると、インテリアの印象がガラリと変わるのは、このカラーバランスの効果になります。

『PK111』はパイン材なので、黄色みの温かみが感じられる木です。下の2枚の写真は、同じ角度で見たインテリアです。色の効果も相まって、くつろぎ感が増していますよね。

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白の比率が大きく感じられる空間。
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『PK111』を入れることで、木の茶色の比率が大きくなり印象が変化。

今回は、「フリッツ・ハンセン」のルームディバイダーをご紹介しました。設置することで空間の印象が大きく変わり、動線や視線をやさしくコントロールできる『PK111』は、家具で空間を構成するというポール・ケアホルムのデザイン哲学を、暮らしのなかで実感できるアイテムです。

ぜひショールームで、座ったときと立ったときでの感じ方や見え方の違いを、実際に確かめてみてください。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:new.yokodobashi.com