美しいひとの美しい部屋 秋スペシャル【自由なインテリアが楽しい!「パリの一軒家」への招待状】

アパルトマン(集合住宅)が主流のパリ市内では、一軒家は珍しい存在。そこで今回は、一軒家で暮らすプレシャスキャリアのお宅を訪問! 庭やテラス、豊かな緑やたくさんの大きな窓…。一軒家ならではのこだわりをお届けします。

今回は「シャネル」メティエダール部門イベントディレクターのフレデリック・ダルルギィさんが暮らす「小鳥のさえずりが響く家」をご紹介します。

フレデリック・ダルルギィさん
「シャネル」メティエダール部門イベントディレクター
(Frederique DARLEGUY)南仏トゥーロン生まれ。「エルメス」や「ヴァレンティノ」など大手メゾンのコマーシャル会社でディレクションや各シーズンのコンセプトづくり、マーケティング、営業など幅広く担当。その後「サルトル」で輸出やマーケティングを担当。現在は「シャネル」のメティエダール部門で、統括イベントディレクターを務める。

「シャネル」メティエダール部門イベントディレクターのフレデリック・ダルルギィさんの「小鳥のさえずりが響く家」

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パリ20区にある「シャネル」メティエダール部門イベントディレクターのフレデリックさん宅。中庭には、椿やジャスミンが咲き誇る。
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キッチンは、アトリエ建築ならではの大きなガラス窓を生かしたつくり。
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お茶を飲んだり読書をしたり、パティオはフレデリックさんくつろぎの場所。

「窓を全開にしても小鳥のさえずりしか聞こえない。明るく開放的なこの家は自分で設計図を描きました」

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ミントグリーンのテーブルがアクセント。中庭風景。
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薔薇や桔梗、ジャスミンなどが咲く中庭からパティオに上がる外階段前。

パリ北東、20区は「ボボ(ブルジョア・ボヘミアン)」地区と呼ばれ、ブティックやレストランが立ち並ぶ人気エリア。クリエイターなど高感度なニューリッチ層で賑わいます。

「30年前、まだ娘と息子が小さかった頃、子供をのんびりと育てられる場所をと、パリ中心部ではなくパリでは希少な一軒家が多い20区を中心に探しました。2年かかって初めて内見したとき、天井の高い全面ガラス張りの部屋が気に入って購入。元は毛皮商のアトリエだった建物で窓が多く、特に明るい光が差し込む2m70cmの天井高のその部屋は、迷わずキッチンにしました」とフレデリックさん。パリ市内では珍しい庭付きの家、しかも通勤も地下鉄で中心部まで通える便利なエリアです。

「今は若い人が集う街になり、映画やCMなど、撮影への家の貸し出しも多いんです。リタイア後は、学生などに部屋貸しをする予定です」

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サロン。白×緑の爽やかな外観とうって変わって、サロンは赤いソファが印象的な温もりと落ち着きの空間。アート好きな元夫が集めた絵画やフレデリックさんが購入したアートピースがリズムカルに並ぶ。

改装には約1年。階段と床だけを残し、ほかは壊してリノベーション。

「間取りは、自分で設計図を描いて施工業者に依頼しました。家族が集まるダイニングキッチンとサロンを中心に、子供たちや友達が滞在中にはプライベートスペースをもてるように。例えば誰かの部屋を通ってバスルームへ、ということがないように、どの部屋からも廊下や階段を通じて移動できるようにしました」

一軒家のメリットは? 

「窓を全開にしても小鳥のさえずりしか聞こえないこと。また、静かな小道に面しているので、テーブルを出して家の前で隣人とアペロを楽しんだり、一軒家ならではのご近所付き合いができるのも楽しい。デメリットは、しょっちゅうどこかを修理したりと維持費が高いこと。それもまた愛おしいんですよね(笑)」

「家は生きてきた証。人生そのもの。家も私も進化し続けます」

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ダイニング。正面の壁はダークグレーにして、ひと続きの明るく開放的なキッチンとのコントラストを楽しむ。「朝起きたら、このテーブルでゆっくりカフェを。リモートワークの日もここをオフィス代わりに。
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愛猫は19歳の老猫・キャリー。ドラマ『SATC』の主人公、キャリー・ブラッドショーから命名。

旅好きで世界各地を巡った経験がフレデリックさんのインテリアのインスピレーション源。

「時代も背景もバラバラだけれど、旅先でピンときて自分の趣味で選んだものだから、部屋に置いても統一感があると思います。⻑い時間をかけて探しても、出合った瞬間好きになったら、1分で購入を決めます」

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全面ガラス窓のキッチン。ここだけは建築当時のままのオリジナル。「キッチンからの眺めで季節を感じます。仕事のインスピレーション源でもあります」

映画の仕事をしていた元夫の趣味で、特に絵画や彫刻は、有名・無名にかかわらず、今でも彼がチョイスしたものが多い、とフレデリックさん。

「別れたら思い出のものは残したくない人も多いかもしれませんが気になりません。子供たちの父であることには変わりはないし、なにより私は美しいものが好き! 人の手でつくられた、文化や歴史を感じるもの。家で目に入るものは、そういう美しいものしか置きたくないんです」

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エントランスからサロンへ抜ける部屋には、優美な曲線の18世紀のベルジェールソファとオリエンタルなデザインのウォールナットのローテーブル。お気に入りの写真集、旅先で集めた器や燭台を気分でディスプレイ。愛らしい馬のオブジェは蚤の市で。
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アトリエ時代から残る階段。白とブラウンのコントラスト、アーチ状の天井が印象的。
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窓際のディスプレイには、孫の洗礼式で使ったシルバーの器やアンティークの香水瓶などファミリーヒストリーを飾って。

とはいえ、30年暮らす間にインテリアはかなり変化したとか。

「購入当初サロンには、元夫の趣味でナポレオン3世時代の優美なデザインのソファが置かれていましたが、お世辞にも座り心地がいいとはいえず(笑)、離婚後すぐに買い替えました。やはり、みんながワイワイ座れるコンフォタブルなソファがいちばん!深みのある赤のベルベット素材を選んで部屋のアクセントにも。

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サロンの窓際にはアンティークテーブル、ファーのラグを。
サロンの壁に下がるシルバーの照明はモロッコで購入。
サロンの壁に下がるシルバーの照明はモロッコで購入。
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バスルーム。壁のグリーンのタイルはモロッコのマラケシュ焼をイメージ。「タイルに光が回るように明るいライトグリーンをセレクト。モロッコのホテルのバスルームからインスピレーションを得て、マラケシュ焼をイメージしました」

また、各部屋のカラーも以前は落ち着いたニュートラルカラーが多かったのですが、最近はカラフルなものを取り入れ、スパイスを効かせるように。家は、生きてきた証。人生そのものだと思います。仕事柄トレンドや流行には敏感ですが、それだけに流されるのは嫌。パーソナリティ、オリジナリティを加味して心地よい空間、インテリアをつくることを大切にしています。

離婚や子供の成⻑など家族のあり方は刻々と変化するものだから、家のあり方も当然変わっていく。家も私も、さらに進化し続けると思います」

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特にこだわってデザインしたパティオ。組み木細工を用いたテーブルの天板が時間と共に風化してゆく姿も美しい。ガーデンチェアはアンティーク。照明はモロッコメイド。
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ゲストルーム。銀細工の照明などエキゾチックな空間に。アートはパリのギャラリーで購入。
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パティオの大きなテーブルの反対側は広々としたリビングスペース。真っ白なソファとストロー素材のパラソルでリラックス感を演出。

<フレデリックさんのHouse DATA>

●場所…パリ20区
●間取り…2階建て/サロン、ダイニング、キッチン、子供部屋×2、ゲストルーム、主寝室、バスルーム×2、パティオ
●住んで何年?…約30年

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PHOTO :
篠あゆみ
EDIT :
田中美保
取材 :
鈴木ひろこ
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