美しいひとの美しい部屋 秋スペシャル【自由なインテリアが楽しい!「パリの一軒家」への招待状】

アパルトマン(集合住宅)が主流のパリ市内では、一軒家は珍しい存在。そこで今回は、一軒家で暮らすプレシャスキャリアのお宅を訪問! 庭やテラス、豊かな緑やたくさんの大きな窓…。一軒家ならではのこだわりをお届けします。

今回は、マダガスカルのラフィア素材のカゴバッグを中心に展開する小物ブランド「a.point etc」を立ち上げた経営者でブランドディレクター・デザイナーの碓井敦子さんが暮らす「緑と光が美しい家」をご紹介します。

碓井敦子さん
「a.point etc」経営者、ブランドディレクター・デザイナー
(Atsuko Usui )神戸出身。日本での仕事を辞めて1年ほどバカンスをとるつもりで1989年に渡仏。1995年から日本企業向けのOEMで雑貨・小物製作のディレクシ ョンを担当。2018年マダガスカルのラフィア素材のカゴバッグを中心に展開する小物ブランド「a.point etc」を立ち上げた。

「a.point etc」経営者、ブランドディレクター・デザイナー 碓井敦子さんの「緑と光が美しい家」

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家中が見通せるダイニングは大好きな場所。

「どの窓からも緑が見えるコクーン(繭)のようなこの家に帰ってくると、心からほっとします」碓井敦子さん

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元ガレージを改装した仕事部屋。「庭に面しているので、顔を上げると花や木が目に飛び込んできてリラックスできます」。マダガスカルで生産する、碓井さんが手掛けるラフィア素材のバッグ。新作サンプルがずらり。
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庭のオリーブの木の下には水色のガーデンテーブルと椅子を。

30歳を目前に渡仏。17区の屋根裏部屋で暮らしたのち、15区のワンルームへ。パリ中心部レ・アールのワンルームを経て2区に初めての2ルームアパートを購入。売却後、同エリアにアパルトマンを購入。

「長女が中学生になったのを機に広さを求めて10区へ。2019年にムードンの一軒家を購入しました。仕事スペースと住居空間を同じにしたくて郊外の一軒家を探し始めたんですが、コロナ禍と重なり、自然に触れる暮らしもいいなと思って。内見時、咲き誇る藤棚の美しさと、どの窓からも緑が見える景色に感動して決めました」と碓井さん。

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20世紀初頭に建てられたレンガ造りの一軒家。購入時は砂利が敷かれていた庭を夫が手を入れ、美しい芝と植樹されたりんごやオリーブなどが茂る。

パリ西部に位置するムードンは、王室の離宮や広大な公園、芸術と歴史の博物館などを有する緑豊かな地。

「パリからも近く仕事にも便利。高台の環境も気に入りました。庭に芝を植え、ジャスミンやりんご、さくらんぼ、いちじく、オリーブなどを植樹。イングリッシュガーデン風に、自然なワイルドさを目指しました」

「住む場所や住む箱は人生に多大な影響を与えると思います」

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ライトカーキでペイントしたアイランドキッチン。ガス台上のブロンズの半球体は換気扇。

「この家は20世紀に入ってから建てられたものですが、あまりアンティークに寄らないようにモダンなテイストも取り入れてバランスをとるべく、色とディテールにはこだわりました。緑で囲まれている家なので、外と中がつながるようにグリーンやマスタードなどナチュラルカラーを選んで軽やかに。また、電気のスイッチやドアノブなど小さなパーツはあえてアンティークに。昔のものはつくりが丁寧で美しい。歴史を感じるし、使ってきた人たちに想いを馳せることは文化を知ることだから」

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“サンルイ” のアンティークグラス。好みの棚が見つかるまでは見せる収納。
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蚤の市でひと目惚れした南仏ヴァロリス焼の器にはフルーツを。
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コーナーにはチェストとアートを一対に。

ものが溢れて簡単に手に入る時代だからこそ、 つくり手の思いやストーリーがあるものを選んで取り入れると心が豊かになる、と碓井さん。

「目に見える場所にたくさんものを置きたくないので、必然的にものを増やさないことを習慣にしています。反対にあえて見せることもひとつの収納テクニック。例えばコレクションしているアンティークの“サンルイ”のグラス、本当なら食器棚に収めたいけれど気に入ったものに出合えず一角に飾って、“見せて” います」

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真っ白いエントランス。床のタイルは19世紀の建築時のまま残した。
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庭に面して一日中光が回る、明るいゲストルーム。
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主寝室からの眺め。壁の色は外の緑と調和するよう、落ち着いたアース系グリーンに塗り替え予定。

また、バスタイムは癒やしの時間だからこそ細部にまでこだわったとか。

「猫脚のバスタブは『bon coin』というフランスのネットショップで、夫がアンティークを見つけ、ブロンズ加工に色を塗りました。床は大理石のモザイク、蛇口や取手もアールデコデザイン、さらに白のレザーソファを造り付けてお風呂上がりのリラックススペースに。カラートーンはモノクロに、レザーや大理石、ウッドなど本物をチョイスしたことでクラスアップが叶いました」

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バスルームの白いレザーソファ。開閉式の蓋になっており、中にタオルなどが収納できる機能的な仕組み。
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水栓やノブなどはアールデコ様式、1920年代調で統一。
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白い陶器のプラグ。細部へのこだわりが。
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ご夫妻揃ってバスルームにはこだわりあり。以前のアパルトマンの浴室は、絵画のような細かなモザイクタイルの壁。この家は、壁は真っ白に、床にはモノクロのモザイクの大理石を。猫脚のバスタブとも好相性。
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こちらのコーナーには、ワゴンと40年代のフランスの広告ポスターを。

家はくつろぎ、安心できる場所であり、仕事場であり、家族の居場所。

「パリでの仕事を終えて家に帰ってくるとコクーンのような安らぎを感じます。住む箱や環境は人生に多大な影響を与えます。 ここムードンは、子供の頃住んでいた神戸の環境と似ているのもあるのかしら。自分らしくいられる、この家が大好きです」

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サロン。ナポレオン3世時代のソファは北欧ファブリックに張り替えて使用。本好きなご夫妻は、本棚もたっぷりと収納できるように設計。
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サロンの一角には、リモージュ焼の器やオブジェなど、旅の思い出を飾って見せる収納を。

<碓井さんのHouse DATA>

●場所…ムードン
●間取り…2階建て/ダイニング、キッチン、サロン、主寝室、子供部屋、ゲストルーム、バスルーム×2、トイレ×2、仕事部屋
●家族構成…夫とふたり
●住んで何年?…4年

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PHOTO :
篠あゆみ
EDIT :
田中美保
取材 :
鈴木ひろこ