連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、嵐の中でも炎が消えない、高い耐久性を誇る唯一無二の『ハリケーンランプ』を製造している、大阪の株式会社「WINGED WHEEL」代表取締役の別所由加さんにインタビュー。
闘病しながらひとりでランプ会社を経営していた母の会社に、大学を中退して20歳で就職した別所さん。その数年後、中核を担っていたランプ職人が急逝され、まさに家業が途絶える危機に直面します。
いつもは弱音を吐かない母が吐露した言葉をきっかけに、曽祖父が立ち上げた会社を継ぐ決意をした別所さん。そこまでの決意とともに、約200もの製造工程を経て完成する唯一無二の『ハリケーンランプ』についても、今後の展望もあわせて詳しくお話しをうかがいました。
【Osaka】「炎の揺らめきは恋も生み出す」人の心を温かく照らすランプ職人
「シングルマザーの母は病気でほとんど家におらず、『あなたが20歳になるまでは生きられない』というのが口癖でした。そのため『20歳までに人生の方向性を決めないといけない』と考えるようになり、20歳で大学を辞め、母が経営するランプ会社に就職しました。その数年後、とても優秀なランプの組立職人が急逝。うちは曽祖父が立ち上げた会社ですべて手づくり。技術は代々口伝で継承してきたので、まさに家業が途絶える危機に直面しました。弱音を吐かない母が『もうあかんかもしれん』と漏らしたとき、自然と『私が継ぐから心配しないで』と答えていました」
別所さんがつくるハリケーンランプはその名のとおり、嵐の中でも炎が消えないよう、高い耐久性を誇っているのが特徴。約200の製造工程があって、今もそのすべてをノートに書き留める作業を続けている。金型や機械はまるで生き物のようで、日々少しずつ状態が変わるから、その変化も漏らさずに記録。時代と共に修理職人が減っていくなか、大切に従来の機械を使い続け、昔ながらの製法を守ることにこだわっている。
「祖父はとてもロマンティックな人で、『恋人たちは炎の揺らめきが映った瞳に恋をする』『ランプの炎を見つめながら語り合えば、きっと素敵な家族になれる』という言葉を残しているんです。私はその理念が好きで、ランプを感情的な商品だと考えてきました」
この秋には、オイルを入れて灯すタイプではなく、より気軽に扱えるキャンドルタイプを発表予定。アウトドアだけでなく、インテリアアイテムとしての認知度も高めていく。
「今、さらなる挑戦として、海外展開を進めています。祖父の代は輸出がメインで、そこに再チャレンジしようと。狙っているのはEU、それも火を灯す文化が生活に残っている北欧エリアです。私にとって仕事は人生そのもの。国内唯一のハリケーンランプメーカーとして、プライドをもってつくり続けていきます」
◇別所由加さんに質問
Q 朝起きていちばんにやることは?
前向きな言葉を見る。今は母が落書きみたいに書いた「とにかく行け!」という内容のシンプルな言葉。
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は?
やはりハリケーンランプに関するコメント。ロマンティックなシチュエーションで使っているなど、感情の商品として使われるのがわかるとすごくうれしい。
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
休みという概念がなさすぎて…。美術館か本屋へ行こうかな。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
「料理」と言い続けて何年も経ってしまいました。
Q 10年後の自分は何をやっている?
次のランプ職人を育てていたい。
Q 自分を動物に例えると?
チャッピーに聞きました。警戒心が強いのに好奇心旺盛なキツネだそう(笑)。
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- PHOTO :
- 内藤貞保
- EDIT&WRITING :
- 喜多容子 ・木村 晶(Precious)
- 取材 :
- 木佐貫久代

















